ミックスローンは金利リスクを分散できる組み方
固定金利型と変動金利型を組み合わせることで金利上昇リスクを抑え、総返済額の抑制や返済プランの柔軟性を得られます。
詳しくは、「ミックスローンとはどういった仕組みなのか」をご覧ください。
諸費用の増加や契約・管理の手間には注意が必要
2本分のローンを組むため印紙税や登記費用が高くなる場合があり、公的書類の提出や残高管理の手間も増えます。
詳しくは、「ミックスローンを組む際のデメリット」をご覧ください。
返済期間や金額の設定でライフプランに応じた返済が可能
10年で変動部分を返済して以降の負担を軽くするなど、個々のニーズやライフステージに合わせた計画が立てられます。
詳しくは、「返済シミュレーション」をご覧ください。

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2026年に入り、長期金利の上昇が続き、9月にはついに3%を超えました。日銀の政策金利も1.25%となり、これらの金利に連動する住宅ローン金利もじわじわと上昇しています。

 

これから住宅を購入する場合、どの金利タイプを選べばいいのでしょう。その悩みに答えるのが「ミックスローン」です。

ミックスローンの利用法について、ドコモSMTBネット銀行 事業企画部 住宅ローン企画グループ 江口真広さんに伺いました。

 

【ドコモSMTBネット銀行の関連記事】50年住宅ローンは本当にお得? 月々の返済額を抑える一方、長期化で増える利息に注意

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住宅ローンの金利タイプには、一定期間ごとに金利が変わる「変動金利型」と、返済期間中は金利が変わらない「全期間固定金利型」があります。

 

さらに、変動金利のなかには、一定期間は金利が変わらない「固定期間選択型」もあります。たとえば10年固定なら、最初の10年間は金利が一定で、その後は自動的に変動金利型に切り替わります(※)。

※再び固定金利を選択できるものもあります。

住宅ローンを組む際は、いずれかの金利タイプを選ぶことになります。ただ、金利上昇局面の今、金利上昇のリスクを取っても現状金利が安い変動金利型を選ぶか、適用金利が上がり切る前に固定金利型のローンを組んで金利上昇リスクを回避すべきかの判断は難しいものです。そこで、選択肢として検討したいのが、「ミックスローン」です。

ミックスローンとは、金利などの条件が異なる2本のローンを組み合わせて借り入れる住宅ローンのこと。代表的なものに、固定金利型と変動金利型を組み合わせたミックスローンがあります。

 

「変動金利型1本だと将来の金利上昇が不安な場合に、金利がずっと変わらない全期間固定金利型を将来への保険と考えて、組み合わせて利用される方が多いです」(江口さん)

 

たとえば、全期間固定金利型と変動金利型を50%ずつにすることで、契約後に金利が上昇すれば、金利上昇リスクを半分に抑えることができ、金利が下降すれば、変動金利型ローンを組んだ50%の部分は低金利の恩恵を受けることができます。

このように、ミックスローンでは、金利変動リスクを抑えることを主な目的として、2本の住宅ローンを自由に組み合わせます。なお、3本以上のローンを組み合わせることのできる金融機関も一部ありますが、多くの金融機関で上限を2本としています。

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ミックスローンを組むとどのようなメリットがあるのか、改めて確認しましょう。

ミックスローンの最大のメリットともいえるのが、金利上昇リスクを抑えられる点です。全額を変動金利型にしてしまうと金利が上がったときに利息負担が一気に増えてしまいますが、一部を固定金利型にしておくことで、利息負担の急増を抑えることができます。

固定金利型は、金利上昇のリスクを金融機関が負う代わりに、金利が高く設定されている一方、変動金利型は、金利上昇のリスクを借入者が負う代わりに、金利が低く設定されています。そのため、すべてを全期間固定金利型にするよりも、一部に金利の低い変動金利型を組み合わせることで、総返済額を低く抑えられる可能性があります。

 

また、全期間固定金利型と変動金利型を組み合わせた場合、全期間固定金利型の部分はずっと返済額は一定なので、返済額の見通しを立てやすくなるというメリットもあります。

ミックスローンでは、返済額や返済期間などの条件を2本それぞれに設定できます。資金に余裕ができたら片方だけ繰り上げ返済をするなど、個々のニーズやライフステージの変化に合わせ、柔軟に活用できるのもミックスローンの魅力のひとつです。

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ミックスローンにはさまざまなメリットがありますが、デメリットはないのでしょうか。確認していきましょう。

住宅ローンを組む際は、土地や建物の代金以外にもかかるお金があります。一般的に「諸費用」と呼ばれるものです。主な諸費用は以下のとおりです。1本のローンを組む場合と比較すると、ミックスローンでは一部の諸費用で負担が重くなる場合があります。

「一般的に、事務手数料や保証料は借入額に対して◯%という割合で決まるため、ミックスローンだからといってあまり高くなることはありません。しかし、印紙税や登記費用は増えます。電子契約であれば印紙税はかかりませんが、印紙税がかかる場合は、ミックスローンでは2契約分なので通常の2倍。登記費用は、債権が2本になる(抵当権が2件になる)分、2倍まではいかないものの、数万円~十数万円程度増えることがあるので注意が必要です」(江口さん)

2本の契約をするミックスローンでは、住民票や印鑑登録証明書など、提出する公的書類が2セット必要となるうえ、記載する書類の量も通常より多くなります。

 

また、返済中も2本分のローンの残高や金利などを把握し、管理しなければなりません。それぞれの返済計画の見直しが必要となる場合もあるでしょう。

 

なお、ドコモSMTBネット銀行では、1通で手続きが可能です。また、電子契約の場合は印鑑証明書は不要となります。 

実際に、銀行ではどのようなミックスローンを取り扱っているのでしょうか。代表的な商品を確認していきましょう。

返済期間35年で、全期間固定金利型と変動金利型のミックスローン金利を比較したのが以下の一覧です。

 

ミックスローンの金利比較

ミックスローン金利比較

最優遇金利が適用された場合の比較になりますが、調査した6行7商品の中で、ミックスローンの金利が最も低かったのがドコモSMTBネット銀行、次いでSBI新生銀行のミックスローンでした。

 

住宅ローンは、金融機関ごとに定められた条件を満たした場合に優遇金利が適用となります。一般的に、借入金額が物件価格・建築費合計の90%以下(=融資率90%以下)、給与振り込み口座の指定、WEB申し込みなどの条件で優遇を受けられることが多いです。ミックスローンの場合は、借入額の50%以上を変動金利型で組むなどの条件が定められていることもあります。

※具体的な引き下げ幅や適用される金利は、個別の申込内容や審査結果によって変わります。

今、人気を集めるミックスローンに、ドコモSMTBネット銀行の「フラットパッケージローン・ゴーゴー(以下、ゴーゴー)」があります。

 

これは、住宅金融支援機構の全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」と、同行のフラット35を利用した場合のみ利用できる変動金利型の住宅ローン「フラットパッケージローン・ゴーゴー」を組み合わせて利用し、全期間固定金利型と変動金利型を「50:50」の比率で組むことができる商品。

 

同行には、ゴーゴーのほかに、銀行独自の固定金利型と変動金利型を自由に組み合わせるミックスローン(以下、プロパーミックスローン)の取り扱いがあり、設定自由度はプロパーミックスローンの方が高めです。一方、ゴーゴーの特徴を、江口さんはこう話します。

 

「フラット35と組み合わせて50%を変動金利で借り入れできる金融機関は多くありません。フラット35には住宅の省エネ性能や子どもの人数などによる金利引き下げ制度が充実していて、一定期間、最大年1%金利が引き下げられる場合もあるため、銀行独自の長期固定金利より金利が低い傾向にあります。

 

たとえば、お子さんが2人の家庭で、住居がエネルギー効率のよい住宅『ZEH』や耐震性などの高い『長期優良住宅』に該当すれば、フラット35の当初5年間の金利は1%、6〜10年目は0.5%引き下げられます。また、変動金利部分に対しても住宅金融支援機構の融資保険が適用されることから、金利を低く抑えることが可能となっています。ゴーゴーは、固定金利型部分をフラット35で組めるという点と、変動金利も優遇幅が大きいという点で優位性があります」(江口さん)

 

ゴーゴーと同じく、フラット35と変動金利型を組み合わせられるミックスローンに、楽天銀行の「変動と固定」、福岡銀行の「フラットミックスプラン」があります。これらの商品と比較しても、ゴーゴーの金利の低さが目立つ結果となっています。

ミックスローンで、どの金利タイプを組み合わせられるかは金融機関によって異なります。「固定金利型+変動金利型」のほか、同じ金利タイプ同士を組み合わせることができる金融機関もあります。

 

また、異なる返済期間や借入額が設定できたり、団体信用生命保険(団信、「ミックスローンに関するよくある質問」参照)の種類や返済方法が選択できたりする商品もあります。

 

たとえば、ドコモSMTBネット銀行の場合、プロパーミックスローンは以下の選択肢から組み合わせできます。

金利タイプ:「変動金利タイプ」、「固定金利特約タイプ」(2年・3年・5年・7年・10年・15年・20年・30年・35年)の中から2本

借入額:ローン1本に対して、500万円以上から3億円以下(10万円単位)

変動金利の返済期間:1年以上50年以内

返済方法:元利均等、元金均等

団信: SBI生命保険「スゴ団信」

ミックスローンの設定自由度の高さは金融機関ごとに異なります。希望する条件でミックスローンを利用できるか、事前にしっかり確認しましょう。

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住宅ローンの組み方によって、返済額はどのように変わるのでしょうか。金利上昇局面を想定し、ミックスローンで組んだ場合のシミュレーションは以下の通りです。

借入金額:4,000万円

借入期間:35年

頭金:なし

ボーナス払い:なし

返済方式:元利均等返済方式

適用金利:固定金利型3.5%、変動金利型1.5%

変動金利上昇条件:16年目まで、5年ごとに適用金利が1.5%ずつ上昇。16年目以降は変更なし

ミックスローンの借入額:固定金利型と変動金利型で2,000万円ずつ

 

金利上昇により、11年目以降は、固定金利型よりも変動金利型のほうが金利が高くなったとします。あくまで本シミュレーションにおいてですが、その結果、総返済額で見ると、変動金利型が最も多く、全期間固定金利型が最も少ないという結果となりました。無料で住まいの窓口に相談する住まいの窓口に資金計画を相談する

住宅は大きな買い物であり、ローンの組み方ひとつで総支払額や返済計画が大きく変動する可能性があります。金利上昇中の今、固定金利型と変動金利型、両者の“いいとこ取り”ができるミックスローンは、どちらの金利タイプを選べばわからないという人にとって有力な選択肢となるでしょう。

 

「住宅ローン選びは、正しい答えがない難しい問題です。金利の先行きが見通せないときだからこそ、リスク分散のできるミックスローンの活用もぜひご検討ください」(江口さん)

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A1. 団信とは、住宅ローンの契約者が死亡・高度障害状態になった場合に、保険金によってローン残高を完済できる保険です。団信の保険料相当額が住宅ローン金利に上乗せされる仕組みです。一般的な団信は死亡・高度障害状態のみを保障しますが、金融機関によって、がんや3大疾病など保障範囲の異なる複数の団信を取り扱っています。ミックスローンの場合、金融機関によって、2契約とも同じ団信に加入する場合もあれば、それぞれの契約ごとに違う団信を選べる場合もあります。

A2. ペアローンは、同一の物件に対し、2人の契約者が住宅ローンを組みます。それぞれの収入で住宅ローンが組めるため、単独でローンを組む場合に比べ、借入額を増やすことができます。一方のミックスローンは、金利リスクの分散を主な目的として、1人の契約者が同一の物件に対し2本の住宅ローンを組みます。

A3. 可能です。ローンが2本に分かれているため、繰り上げ返済を行う際は、それぞれの契約ごとに手続きが必要です。金利の高い一方のローンだけを完済するという活用もできます。

A4.条件を満たしていれば、2本とも住宅ローン控除の対象になります。ローンの返済期間が10年以上あることのほか、住宅の種類によって床面積や契約者の所得要件などが決められています。

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