少子高齢化や人口減少の影響で、日本では空き家が増加しています。実家をどう扱うかは「資産」と「思い出」の問題だけでなく、税金や管理リスクも考慮する必要があります。
近年の法改正により、空き家を放置すると固定資産税の負担増や自治体の行政指導の対象となり、最悪の場合は強制解体のリスクも生じます。しかし、早めに判断し対応すれば、税負担を抑えながら資産として活用することも可能です。
本記事では、2026年に向けた最新情報をもとに、固定資産税・空き家税・住宅用地特例の仕組みから、「維持・売却・解体・再活用」までの選択肢、判断ポイント、実行プランを具体的に解説します。
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空き家の税金の仕組み ― 「固定資産税」「住宅用地特例」とは?
空き家でも土地・建物には固定資産税や都市計画税がかかりますが、「住宅用地特例」により税負担を軽減できます。建物の状態や管理状況に応じて税額が変わるため、早めの確認が重要です。
基本の仕組み
固定資産税:土地や建物そのものに課税(標準税率1.4%)
都市計画税:市街化区域内の土地・建物に課税(制限税率0.3%)
※課税額は「課税標準額」に税率をかけて計算され、実勢価格の7割程度が目安です。
空き家でも税金が安い理由
住宅用地の上に建物がある場合、税金を軽減する「住宅用地特例」が適用されます。
区分 | 固定資産税 | 都市計画税 |
|---|---|---|
小規模住宅用地 (200m2以下の部分) | 課税標準額 × 1/6 | 課税標準額 × 1/3 |
一般住宅用地 (200m2を超える部分) | 課税標準額 × 1/3 | 課税標準額 × 2/3 |
例:本来年間12万円の固定資産税が、建物ありで2万円に。解体費用や税負担増を避けるため、これまで多くの人が空き家を残してきました。
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2023–2025年の法改正で何が変わったか― 「管理不全空家」の新設と税負担リスク
法改正により、「倒壊の危険まで待つ」時代は終わりました。窓割れや雑草など管理不足の段階でも税負担増や行政指導の対象となるため、早めの対応が不可欠です。
改正のポイント
■特定空家
倒壊の危険が高い空き家(従来の指導対象)。
■管理不全空家(新設)
窓ガラス割れ、雑草繁茂、越境など管理不足で、放置すると特定空家になる可能性がある状態。
出典:国土交通省|空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律
行政指導の流れと税負担への影響
助言・指導:窓の修理や草刈りなど改善を求められる
勧告:従わなければ住宅用地特例が解除、固定資産税が最大6倍に
命令・代執行:放置で過料(最大50万円)や行政による強制解体の可能性
京都市の「空き家税」の動きなどにも注目
さらに、2026年以降を見据えた動きとして注目すべきなのが、京都市が導入を進めている「非居住住宅利活用促進税(通称:空き家税)」です。
これは、固定資産税とは別に、居住実態のない家屋そのものに独自の税金を課すという全国初の取り組みです。 現時点では京都市独自の条例ですが、全国の多くの自治体がこの動向を注視しており、空き家対策の一環として、今後同様の税制が他地域へ広がる可能性も指摘されています。
実家(空き家)に対する主な選択肢 ― メリット・デメリット比較

実家をどう扱うかは、「維持・売却・解体・再活用」など複数の選択肢があります。それぞれ税金・管理負担・将来価値が異なるため、メリット・デメリットを比較して判断することが大切です。
選択肢 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
現状維持(維持管理を続ける) | 住宅用地特例で税負担はそのまま。思い出の維持、将来の居住可能性を残せる。 | 適切な管理が必須。遠方では管理が困難で費用増加。管理不足は「特定空家」指定リスク(国土交通省)。 |
売却する | 維持コスト・税負担から解放。資産を現金化できる。老朽化前なら売却しやすい。 | 地域や建物状態により売れにくい場合あり。仲介手数料や譲渡所得税が発生。家族間の合意形成が不可欠。 |
解体して更地にする | 倒壊や近隣迷惑などの管理リスクを根本解決。売却や駐車場利用など活用幅が広がる。 | 住宅用地特例がなくなり、固定資産税が増加する可能性(kaimasu.jp)。解体費用が発生。地域によっては買い手がつかない可能性あり。 |
リフォーム/再活用(賃貸・民泊など) | 建物を生かして収益化可能。税軽減の恩恵を維持できる場合あり。地域に新たな価値創出に貢献(国土交通省 空き家利活用事例集)。 | 老朽部分の修繕費、法令遵守、管理の手間、コストがかかる。 |
自治体の空き家バンクを活用する | 移住希望者とのマッチング支援。補助金や改修支援を利用できる。手放す・貸す両方の選択肢で活用可能。 | 地域限定の制度。需要がなければ活用困難。契約条件の十分な理解が必要。 |
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判断前に確認すべきチェックリスト
実家の処分や活用を決めるには、家の状態、管理方法、費用、法的な制限、そして家族の希望を総合的に整理し、判断することが不可欠です。以下のチェックリストに沿って確認を進めることで、スムーズな行動につながります。
実家に関する決定ガイド:チェックリスト
①家の現状把握
築年数、構造、老朽化の度合い
雨漏りや害虫被害の有無
②管理体制の検討
遠方にある場合は、賃貸管理会社や専門家への管理委託を検討
③費用と税金
固定資産税、都市計画税
将来的な解体費用、売却時の譲渡税
④法令・用途地域
建築基準法や各自治体の条例
建物の用途地域(再建築の可否など)
⑤家族間の意向調整
相続、維持、売却、活用の希望を家族全員で共有し、将来設計を明確にする
⑥最終判断と専門家への相談
不動産会社、税理士、建築士などの専門家に相談し、安全かつ最適な判断を行う。
2026年を見据えた実行プラン ― 空き家リスクを回避するステップ

実家を「どうするか」を決める実行プラン:2026年の税制改正に備えて
空き家税や固定資産税の負担増そして管理リスクを避けるためには、早めの現状把握と家族での意向共有、そして段階的な行動が不可欠です.。以下のステップで計画的に進めましょう。
【現状把握】
建物と土地の状態、現在の固定資産税額、日常の管理状況を詳細に確認します。
【家族会議】
実家を「維持」「売却」「解体」「再活用(賃貸・リノベーションなど)」のいずれにするか、家族間で意向を共有し、方向性を定めます。
【コスト・リスク比較】
維持にかかる費用、将来の税額、必要な修繕費、そして資産としての将来的な価値を比較検討します。
【決断と実行】
決定した方針に基づき、「売却」「解体」「賃貸準備」「改修」といった具体的な行動を迅速に実行に移します。
【専門家・自治体への相談】
最新の法令、税制、そして利用可能な制度(空き家バンク、各種補助金、税の減免制度など)について、専門家や自治体に確認し、最適な選択をサポートしてもらいます。
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まとめ/結論
・2023–2025年の法改正で、空き家の「放置」は税負担増・行政指導・強制解体リスクが高まりました。
・売却・解体・賃貸・リフォームなどの選択肢を検討・実行すれば、税負担や維持コストを抑えつつ資産整理可能。
・重要なのは、早めに現実を直視し、家族で話し合い、専門家に相談すること。
このプロセスが、後悔のない実家活用・処分の第一歩です。
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よくある質問 Q&A
Q1: 実家を放置すると固定資産税はどのくらい上がる?
A: 住宅用地特例が解除されると、固定資産税が最大6倍になる場合があります。
Q2: 解体すると税金はどうなる?
A: 建物がなくなると住宅用地特例が消えるため、土地部分の固定資産税が増加します 。
Q3: 空き家バンクはどんな人に向いている?
A: 地域で空き家を活用したい所有者や、移住希望者への賃貸・譲渡を検討している場合に向いています。
Q4: 専門家に相談するメリットは?
A: 税額・譲渡・解体・活用計画を総合的に判断でき、リスクを最小限に抑えられます。
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