マイホームを購入するべきか、それとも賃貸で部屋を借り続けるか、購入と賃貸で悩む人も多いかと思います。特に、家賃を多く支払っているほど「このままではお金がもったいない」と購入を考えるケースもあるでしょう。
今回は、家賃10万円のケースを例に、賃貸とマイホーム購入の費用比較とそれぞれのメリットとデメリットについて紹介します。
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家賃に10万円はもったいない?

国土交通省の2020年度「住宅市場動向調査」(※)によると、住宅ローンの毎月の平均返済額は以下のとおりです。
毎月の平均返済額
◇新築
注文住宅…約10.4万円
一戸建て…約10.3万円
マンション…約11.6万円
◇中古
一戸建て…約9.3万円
マンション…7.7万円
中古物件であれば8万〜9万円前後、新築であれば10万~11万円前後が月々の返済額の平均です。
そのため、家賃10万円というとローンを返済するのと変わらないと感じる人も多く、「家賃10万円はもったいない」「どうせなら購入したほうがいい」と考える傾向が強くなります。
仮に、家賃が10万円の物件に30年住み続けた場合、家賃だけでも3,600万円、管理費や更新料を含めるとトータルで4,000万円近くになる計算になります。
家賃相場はエリアによっても異なりますが、住み続ける年数によっては総額で家を購入できてしまうため、これが「家賃10万円はもったいない」と言われる理由になっています。
※ 国土交通省「令和2年度 住宅市場動向調査 報告書」
賃貸とマイホーム購入、それぞれのメリット・デメリット

賃貸とマイホーム購入にはメリットもあればデメリットもあるため、住む人によって適した選択肢は異なります。賃貸とマイホーム購入のそれぞれのメリット・デメリットについて見ていきましょう。
賃貸のメリット・デメリット
賃貸のメリット
- ライフスタイルの変化に合わせて引越しできる
- 維持費は管理費のみ
- 修繕は大家さんが行う
- 会社から家賃補助がもらえる場合がある
賃貸のデメリット
- 家賃を支払い続ける必要がある
- リフォームなどができない
- 資産にはならない
賃貸は家族構成やライフスタイルの変化に柔軟に対応することができ、修繕費がかからず、維持費も管理費だけです。会社によっては家賃補助が出るケースもあります。
一方、デメリットは住み続ける限り家賃の支払いが続く点です。退職後などで収入が減っても、家賃は支払わなければなりません。毎月の出費が住居費だけで10万円というのは、長期的に考えると負担が大きいかもしれません。
また、マイホーム購入のように資産になることはなく、間取りの変更に制限があることもデメリットです。
マイホーム購入のメリット・デメリット
マイホーム購入のメリット
- 住宅ローン完済後は家賃の支払いがない
- リフォームやリノベーションがしやすい
- マイホームが自分の資産になる
マイホーム購入のデメリット
- 維持費(固定資産税・都市計画税など)がかかる
- マンションの場合は管理費や修繕積立費、駐車場代などがかかる
- 災害時などの修繕費は自己負担
- 簡単に引越しができない
マイホームを住宅ローンで購入した場合は、ローン完済後は住居費の負担が少なくなります。間取りはライフスタイルの変化によってリフォームでき、マイホームを自分の資産として所有できます。
マイホームを手に入れたという安心感が得られ、住宅ローン契約者に万が一のことが起きたとしても、団体信用生命保険に加入していれば残りのローンは保険から支払われます。
一方、マイホーム購入後は固定資産税や都市計画税などの各種税金、保険料や修繕費などの維持費がかかります。また、急な転勤など、マイホーム購入後はライフスタイルの変化に対応しづらい点がデメリットです。
人口減少が続く日本では、マイホームを売却しようとしても、物件によってはなかなか買い手が見つからないことも考えられます。
郊外などの利便性の低い場所に家を建てるケースや、将来空き家になる可能性がある場合は、購入を慎重に検討する必要があるでしょう。将来を見据えて不動産の価値に注目し、住まい選びをすることが大切です。
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賃貸にかかるコストとマイホーム購入費用の比較

賃貸と購入で迷った場合は、生涯コストのシミュレーションをしてみるのがおすすめです。ここでは、以下の条件で賃貸とマイホーム購入を比較してみました。
| 賃貸 | マイホーム購入 |
|---|---|---|
10年 | 1,370万円 | 1,400万円 |
20年 | 2,740万円 | 2,800万円 |
30年 | 4,110万円 | 4,200万円 |
40年 | 5,480万円 | 4,400万円 |
50年 | 6,850万円 | 4,600万円 |
条件
- 賃貸:家賃10万円で管理費は1万円と想定。更新料は2年ごとに家賃1ヶ月分。
- マイホーム購入:月々の返済額10万円、頭金0円、返済期間30年、金利1%、ボーナス払いなし。一戸建て住宅で10年に一度100万円程度のリフォームが必要と仮定。固定資産税は年10万円と仮定。物件購入時の諸費用(購入価格の4%)、世帯年収は500万円。
上記はあくまで目安となりますが、生涯コストは年数が30年を超えると、マイホーム購入のほうが安くなっています。
ただし、マンションの場合は、上記の価格のほかにも購入後に修繕積立金や管理費などがかかり、地価が高いエリアは税金の額も大きくなります。
条件によってシミュレーション結果は異なるので、実際の物件価格などで生涯コストを比較しましょう。
家賃10万円でも賃貸がおすすめな人

家賃が10万円というと、都市部では珍しくありません。利便性の高いエリアに住みたい人や気軽に引越しをしたい人、共働きで収入が安定している人や会社の住宅手当が利用できて家賃の負担を抑えられる人には向いているといえます。
一般的に、無理のない家賃は手取りの3分の1以下といわれています。つまり、家賃10万円の場合は毎月の手取りは30万円以上、年収だと大体450万円以上が目安となります。
家賃に10万円支払い続けるべきか、それともマイホームを購入するべきか、どちらが適しているかは住む人によって異なります。
住宅購入については、LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」でハウジングアドバイザーに相談してみるのもおすすめです。何度でも無料で相談に応じてくれますので、住宅購入を検討する際はぜひ利用してみてください。
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