- 住宅ローン借入時に必要な年収の目安
- 住宅ローンの借入額は年収とのバランスが重要です。年収倍率の全国平均は約七倍ですが、頭金の額によって必要な年収は変わります。無理のない返済計画を立てるためにも、自身の年収と自己資金を把握しておきましょう。
詳しくは、「1,500万円の住宅ローンを組むときに必要な年収」をご覧ください。 - 住宅ローンの金利や諸経費の種類
- 住宅ローンには、金利が一定の固定金利と、変動する変動金利があります。また、元金と利息を合わせた返済額が毎月一定の元利均等返済など、返済方法も選べます。ローン契約時には諸経費も必要になるため、事前に確認しましょう。
詳しくは、「住宅ローンの金利の違いと諸経費」をご覧ください。 - 返済期間による総支払額の違い
- 住宅ローンの返済計画を立てる際は、毎月の返済額だけでなく総支払額もシミュレーションすることが大切です。返済期間が長くなるほど毎月の負担は軽くなりますが、利息が増えて総支払額は高くなる傾向にあります。
詳しくは、「総額でいくらになる? 返済シミュレーション」をご覧ください。
住宅ローンを組む際には、長期間にわたる返済であることを頭に入れ、細かな利用計画を立てる必要があります。
融資額を決めるうえでは、実際にどのような計画で返済を続けていくのか、具体的なモデルを想定しておくと安心です。
今回は1,500万円の住宅ローンを借りるうえで、必要な年収や毎月の返済額を具体的にシミュレーションしてみましょう。
住宅ローンの基本的な仕組みと審査のポイント

住宅ローンは、住宅の購入や改築にあたって、金融機関から借り入れるお金のことです。まずは、住宅ローンの基本的な仕組みや審査の流れを見ていきましょう。
住宅ローンの仕組み
住宅ローンは基本的に「利用者の居住」を目的とした住居の取得時に利用することができるものです。原則として、「別荘の建築」や「他人に貸すため」といった目的では利用が認められません。
また、中古住宅の購入では、建物の耐久性が考慮され、そのため借入期間が35年ではなく、25年と短くなる可能性もあるなど、物件によって利用条件が異なる場合もあります。利用する金融機関によってもルールが異なる部分があるため、事前に確認しておきましょう。
住宅ローンは、実際に借り入れた金額(元金)と利息額を合わせて毎月返済していきます。そのため、融資額だけではなく、金利の種類や利率、返済の期間にもきちんと目を向けておくことが大切です。
住宅ローン審査の流れ
住宅ローンを利用するうえでは、金融機関ごとの審査に通過する必要があります。審査の形式は2~7日ほどで結果が出る「事前審査」と、より細かな基準で行われ、1〜2週間程度かかる「本審査」の2段階になっているのが一般的です。
「返済負担率」が重要なポイント
事前審査では、利用者の年収や年齢、勤務状況、健康状態、信用情報などとともに、「返済負担率」が重要なポイントとなります。
返済負担率とは、年収から見た返済額の割合のことであり、比率が高いほど滞納の確率も高いと判断されてしまうのです。無理のない返済負担率は20~25%とされており、目安を超えない範囲の融資額に設定することが重要です。
たとえば、年収600万円で返済負担率を25%とした場合、1年間における返済額は150万円となり、1ヶ月の返済額は12万5,000円となります。
また、返済負担率として計算されるローンには、すでに組んでいる車のローンなども合算されるため、注意しておきましょう。
事前審査に通っても、本審査で落ちることも
事前審査が終わると、ローンの本申し込み、本審査、契約を経て、融資実行となります。本審査は、事前審査での申告内容がより正確にチェックされ、融資をしても問題がないかを確認される段階です。
本審査の段階で、申告した内容と事実が食い違う点があれば落ちてしまうこともあるため、注意が必要となります。
また、ローンの担保となる物件の資産価値も評価の対象となり、事前審査の段階よりも低いと判断された場合には融資限度額が低くなるケースもあります。
1,500万円の住宅ローンを組むときに必要な年収

住宅ローンの限度額は、利用者の年収と密接な関係にあります。ここでは、1,500万円の住宅ローンを組むうえで、どれくらいの年収が必要となるのか具体的に見ていきましょう。
年収倍率の全国平均は約7倍
年収倍率とは、年収に対する住宅購入価格の割合です。
住宅金融支援機構が調査した2019年度のデータ(※)によれば、年収倍率の全国平均は「土地付注文住宅で7.3倍」「建売住宅で6.7倍」「マンションで7.1倍」と、いずれも7倍程度となっていることが分かります。
年収倍率で扱われる住宅購入価格には、住宅ローンで用意されるお金のほかに、自己資金で用意される頭金も含まれています。そのため、頭金の目安についてもきちんと把握しておくことが重要です。
自己資金(頭金)の割合はどのくらいが目安?
家を購入するときに必要な頭金は、取得した住宅の種類によって多少の違いはあるものの、住宅の価格に対して10~20%程度が平均値です。
仮に8割に相当する額を1,500万円の住宅ローンで賄うとすると、2割に相当する頭金は375万円であり、住宅購入価格は1,875万円となります。
少なくとも267万円以上の年収が必要
この結果を踏まえると、1,500万円の住宅ローンを組む際には少なくとも267万円以上の年収が必要だといえます。
ただ、年収倍率はあくまでも「住宅購入価格」の比率であり、「住宅ローン融資額」の比率を直接的に示しているわけではない点に注意が必要です。
※住宅金融支援機構「2019年度 フラット35利用者調査」

住宅ローンの金利の違いと諸経費

住宅ローンの金利は一律ではなく、さまざまな種類があります。高額な住宅ローンでは、金利によって支払う金額が大きく異なるため、事前に主な種類と特徴を押さえておくことが大切です。
また、住宅ローンを利用するうえで目を向けておくべき諸経費についても見ていきましょう。
固定金利と変動金利
固定金利は、借入期間中の利率が一定であり、毎月の支払額も事前に決められた金額で固定されます。金額の変動がないため、返済の計画が立てやすくなる点がメリットです。
一方で、変動金利は半年ごとに金利が見直され、利率が変化していく仕組みです。ただ、借り入れ後の5年間は返済額が変わらず、金利の上昇率も125%以内に定められているなど、利用者の負担額が過度に大きくならないようなルールが設けられています。
固定金利よりも利用時の金利が低めに設定されているため、金利が上昇しなければ、低金利で利用し続けられる点がメリットです。
元利均等返済と元金均等返済
住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済(がんりきんとうへんさい)」と「元金均等返済(がんきんきんとうへんさい)」の2つがあり、借り入れのタイミングでどちらかを選択することになります。
元利均等返済は、毎月の返済額が一定になるため、返済の計画を立てやすくなる点が特徴です。
元金均等返済は、支払う元金が一定であるものの、利息分は残った元金を基に計算されるため、返済スタート時の負担額が大きくなります。そして、返済を重ねるごとに負担額が減少していくのです。
元金均等返済には総支払額が安くなるといったメリットがあるため、スタート時から安定した返済計画を立てられる元利均等返済と比較したうえで、適した方法を選ぶことが重要です。
住宅ローンの利用に必要な諸経費
住宅ローンの借り入れには、保証料・事務手数料などの諸経費もかかります。住宅ローンは保証会社の利用が必須とされているケースがほとんどであり、借入金額に応じた保証料を支払う必要があるのです。
また、事務手数料はローン1組当たり3~4万円程度が目安であるものの、金融機関や借入金額によっては融資額の一定割合とされているケースもあります。割合によっては高額になる場合もあるため、事前に具体的な金額を確かめておきましょう。
団体信用生命保険料
住宅ローンを借りる際には、団体信用生命保険(団信)への加入が義務付けられているケースも多いです。
団信とは、利用者に死亡や高度障がいといった万一の事態が起こったときに、保険会社が契約者の代わりにローンの残債を金融機関へ返済する保険です。つまり、万が一の際にも、家族に負債を残さないための仕組みだといえます。
死亡や高度障がいのほかに、三大疾病などの特約を付けることも可能であり、保証内容によって保険料は異なります。
総額でいくらになる? 返済シミュレーション

安定した支払いを続けるためには、月々の具体的な返済額を把握しておくことが重要です。ここでは、LIFULL HOME’Sの住宅ローンシミュレーターを使って、月々の返済額を割り出してみましょう。
住宅ローンシミュレーターの使い方
住宅ローンシミュレーターでは、利用者の条件や融資額などを入力して、具体的な返済計画を確認することができます。
「物件価格」「年収」「頭金」「年齢」「返済期間」「金利」などを順に設定していきましょう。
パソコンで利用する場合、金利プランは同時に3種類まで入力でき、金利の種類や利率などを細かく設定することが可能です。
1,500万円の返済シミュレーション
今回は借入金額1,500万円をどのように返済していくこととなるのか、返済期間を15年、25年、35年と変化させながら確かめてみましょう。
なお、今回のシミュレーションではボーナス時支払金額はなし、金利は1.5%の固定金利として設定します。
実際には借入期間が長くなるにつれて、金利も高くなるケースが多いので注意しておきましょう。
借入期間 | 15年 | 25年 | 35年 |
|---|---|---|---|
毎月返済額 | 9万3,111円 | 5万9,990円 | 4万5,928円 |
総支払額 | 16,76万62円 | 17,99万7,135円 | 19,28万9,620円 |
この結果から分かるとおり、返済期間が長くなるほど総支払額も増え、15年と35年では大きな差が生まれます。
月々の支払額を無理のない範囲に収めながらも、できるだけ返済期間を短縮することがポイントとなるのです。
住まいの窓口に資金計画を相談する 注文住宅の価格・相場講座安心して返済を続けていくためのコツ

住宅ローンの返済は長期間に及ぶため、きちんと計画を立てるとともに、いくつかのコツを押さえておくことも大切です。ここでは、気をつけるべきポイントを見ていきましょう。
繰り上げ返済の活用
繰り上げ返済とは、住宅ローンを前倒しで返済し、総支払額を縮小する方法です。毎月の返済額を変えずに返済期間を短縮する「期間短縮型」と、返済期間を変えずに毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」の2つがあり、利息の軽減効果には違いがあります。
期間短縮型のほうが利息の軽減効果は大きいものの、返済額軽減型は安定した支払いを続けやすくなるといったメリットがあります。ライフステージの変化によって、必要な生活費が増減することを考慮し、慎重にどちらの方法を選ぶべきか決めましょう。
また、繰り上げ返済は決して無理をせず、生活の余剰金を充てることが大切です。仕事や体調、家族構成の変化などに対応できるよう、手元にもある程度のお金を残しておきましょう。
住宅ローンの仕組みと融資額の決め方を理解しておこう

- 住宅ローンの審査では、返済負担率が重要な項目のひとつとなり、20~25%程度が適正とされる
- 住宅購入資金の平均年収倍率は約7倍であるものの、単純に計算するのではなく、頭金や諸経費にも目を向けておく
- 金利のタイプや特徴について把握しておく
- 返済期間によって毎月の返済額と総支払額が大きく変わる
- ゆとりが生まれたときには繰り上げ返済を活用する
よくある質問
Q1:住宅ローンの審査では、どのような点がチェックされますか?
A1:住宅ローンの審査では、年収や勤務状況、健康状態などに加えて「返済負担率」が重視されます。返済負担率とは「年収に占める年間のローン返済額の割合」のことで、一般的に20〜25%が無理のない範囲といわれています。
Q2:1,500万円の住宅ローンを組むには、どのくらいの年収が必要ですか?
A2:一般的な目安として、住宅ローンの借入額は年収の7倍程度、頭金は物件価格の1〜2割といわれています。これを基に計算すると、1,500万円の住宅ローンを組む場合、年収267万円以上がひとつの目安となります。ただし、これはあくまで目安であり、個別の状況によって異なります。
Q3:頭金はどのくらい用意すればよいのでしょうか?
A3:頭金は、一般的に住宅価格の1〜2割程度が目安です。たとえば、借入額1,500万円が物件価格の8割の場合、残りの2割にあたる375万円が頭金の目安となります。頭金を多く用意できると、その分借入額を減らせるため、毎月の返済負担や総支払額を抑えることができます。
Q4:金利の「固定金利」と「変動金利」は、どちらを選べばよいですか?
A4:「固定金利」は、返済終了まで金利と返済額が変わらないため、返済計画が立てやすい点がメリットです。一方、「変動金利」は固定金利より低い金利で借りられる可能性がありますが、将来金利が上昇するリスクもあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身のライフプランに合わせて選ぶことが大切です。
Q5:返済方法の「元利均等返済」と「元金均等返済」の違いは何ですか?
A5:「元利均等返済」は、毎月の返済額(元金+利息)が一定のため、返済計画を立てやすいのが特徴です。「元金均等返済」は、毎月返済する元金の額が一定で、返済が進むにつれて利息が減り返済額も少なくなります。総支払額は元金均等返済の方が少なくなりますが、返済開始当初の負担は大きくなります。
Q6:住宅ローンを借りる際に、物件価格やローン本体以外にかかる費用はありますか?
A6:はい。保証会社に支払う保証料や、金融機関に支払う事務手数料などの諸経費が必要です。また、万が一に備えて「団体信用生命保険(団信)」への加入が必須となる場合が多く、その保険料もかかります。
Q7:1,500万円を借り入れた場合、毎月の返済額はいくらになりますか?
A7:金利1.5%(固定金利)でシミュレーションした場合、返済期間25年では毎月約6万円、返済期間35年では毎月約4万6,000円が目安です。返済期間が短いほど毎月の返済額は増えますが、総支払額は少なくなります。
Q8:返済期間を長くすると、総支払額はどのくらい変わりますか?
A8:金利1.5%で1,500万円を借り入れた場合、総支払額は返済期間15年で約1,676万円、35年で約1,929万円となり、250万円以上の差が出ます。返済期間が長くなるほど利息の負担が増えるため、総支払額も増加します。
Q9:資金に余裕ができたとき、繰り上げ返済はした方がお得ですか?
A9:繰り上げ返済をすると、返済した元金にかかるはずだった将来の利息を減らせるため、住宅ローンの総支払額を抑えられます。ただし、手元の資金は減ってしまうため、将来の教育費や不測の事態に備えたお金も考慮して、無理のない範囲で行うことが重要です。
更新日: / 公開日:2021.02.05










