買主は売買契約前に住宅診断を行う
中古住宅の購入検討者が住宅診断を受けるべきベストなタイミングは「売買契約の前」です。契約後に重大な欠陥が見つかると違約金なしでの契約解除や価格交渉が難しくなります。売買契約前にインスペクションを済ませることで、建物の状態を正しく把握し納得して取引を進められます。
詳しくは、「【買主】購入申込後から「売買契約前」までのタイミングがベスト」をご覧ください。
売主は売り出し前の診断でトラブルを防ぐ
売主が住宅診断を受ける最適なタイミングは「売り出し前(媒介契約時)」です。事前に建物のコンディションを把握して情報を開示することで、引き渡し後の契約不適合責任に関するリスクを防止できます。また、インスペクション済み物件としてアピールできるため早期売却にもつながります。
詳しくは、「【売主】物件を「売り出す前(媒介契約時)」が適切なタイミング」をご覧ください。
住宅診断の費用相場は5万〜7万円程度
目視による基本調査の費用相場は5万〜7万円程度で、所要時間は2〜3時間ほどです。原則として依頼した側(買主または売主)が費用を負担しますが、不動産会社のサービスで割引や無料になる場合もあります。スムーズな調査のために事前に間取り図や設備図などの資料を準備しておきましょう。
詳しくは、「費用相場(5万〜7万円)と負担者(売主/買主)を確認しておく」をご覧ください。

住宅診断(ホームインスペクション)の最適なタイミングを購入前・売却前・居住中ごとにわかりやすく解説。
なぜ売買契約前に実施すべきなのか、費用相場や必要資料、利用時の注意点まで網羅。安心して中古住宅の売買やリフォームを進めるポイントがわかります。
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マイホームは大きな買い物だからこそ、家の状態を詳しく知ってから購入することが大切です。特に、中古物件を購入する際は不安に感じる方も多いでしょう。

 

住宅診断を受けていれば住宅の状態が把握でき、改修箇所について適切なアドバイスを受けることができるだけでなく、住宅購入時や売却時のトラブル防止にも効果的です。ここでは住宅診断について詳しく説明します。

 

住宅診断とは「ホームインスペクション」とも呼ばれ、住宅診断士などの専門家が第三者的な立場から住宅の劣化状況や欠陥の有無をチェックし、改修すべき箇所や時期、おおよその費用をアドバイスしてくれるサービスのことです。

 

主に中古住宅の売買時やリフォームを検討する際に利用され、住宅のコンディションを客観的に把握する手段として注目されています。

 

調査内容は「非破壊検査(建物を壊さずに目視や計測器で行う調査)」が基本となります。建物の構造耐力上主要な部分(基礎や柱など)や、雨水浸入を防止する部分(屋根や外壁など)、設備配管などに欠陥がないかを診断します。目視で判断できない場合は、さらに詳しく調べる二次診断が必要になることもあります。

 

2018年4月に宅地建物取引業法が改正され、中古住宅の取引において、仲介会社から売主・買主に対して住宅診断(インスペクション)の制度説明と、あっせんの希望を確認することが義務付けられました。また、実施された場合はその結果を重要事項説明で明示する必要があります。

 

国土交通省の資料によると、令和3年(2021年)の戸建て売主のインスペクション実施率は44.6%、買主では30.6%となっており、近年上昇傾向にあります。客観的な評価を得ることで安心して取引ができるため、今後もニーズが高まっていくと予想されます。

参考:国土交通省「既存住宅状況調査、既存住宅瑕疵保険関係資料【令和5年9月版】」

 

住宅診断は、どのタイミングで受ければよいのでしょうか。基本的には、住宅の購入申込後から契約までの間、またはマイホームの売り出し前に行うことが一般的です。立場ごとのベストなタイミングを解説します。

 

住宅の購入を検討している買主の場合、物件の購入申込をしてから「売買契約を結ぶ前」までに住宅診断を受けるのがベストなタイミングです。

 

もし売買契約を結んだ後に住宅診断を行い、雨漏りやシロアリ被害などの重大な欠陥が見つかったとしても、簡単に契約を白紙に戻すことはできません。契約解除や補修費用の請求には違約金が発生したり、売主との協議が難航して大きなトラブルに発展したりするリスクがあります。

 

契約前に診断を受けておけば、建物の状態に納得したうえで契約に進めます。修繕が必要な箇所が判明した場合には、購入を見送るか、修繕費用を想定したうえで価格交渉を行うといった冷静な判断が可能です。そのため、契約の1〜2週間前までには診断を済ませられるよう、早めに不動産会社に相談しましょう。

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購入前の住宅診断が重要とはいえ、自分で手配するのは少しハードルが高いと感じる方もいるでしょう。「LIFULL HOME’S 住宅評価」が付いた物件なら、あらかじめ専門家が調査を行っているため、安心して比較検討を進められます。

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売主が住宅診断を依頼する場合は、不動産会社と媒介契約を結び、物件をインターネットなどで「売り出す前」のタイミングが最も適しています。

 

売り出し後に購入検討者が現れてから慌てて住宅診断を実施すると、結果が出るまでの間に他の物件に目移りされてしまい、販売の機会損失につながる恐れがあります。また、引き渡し後に見えない欠陥が発覚した場合、売主は「契約不適合責任」を問われ、補修費用や損害賠償を請求されるトラブルに発展しかねません。

 

売り出す前に診断を済ませておけば、物件の強みとして「インスペクション済み」をアピールでき、買主に安心感を与えて早期売却につながりやすくなります。不具合があった場合も、事前に修繕してから適正価格で売り出すか、不具合をありのまま伝えたうえで値引きするかなど、戦略を立てやすくなります。

 

売却前の住宅診断の実施について迷った場合は、まずは査定を依頼する不動産会社に相談してみるのも一つの方法です。インスペクションを積極的に推奨している会社を選ぶことで、よりスムーズな売却が期待できます。

 

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住宅の購入や売却時以外にも、居住中の住まいで住宅診断を利用するケースがあります。たとえば、大規模なリフォームを検討している前や、床の傾きや雨漏りなどの不具合を感じた際に「自宅全体を点検してもらいたい」という目的で利用できます。

 

リフォーム前に住宅診断を行うことで、建物の構造的な劣化度合いが明確になります。表面的なリフォームだけで十分なのか、あるいは基礎や柱の補修を含めた大掛かりな改修が必要なのか、「リフォーム」か「建て替え」のどちらにするべきかといった判断材料になります。長く安全に住み続けるためにも、築年数が経過した住宅の改修を検討する際は活用してみましょう。

 

住宅診断をスムーズに実施し、トラブルを防ぐためには、依頼前にいくつかの注意点と準備事項を確認しておく必要があります。

 

住宅診断を依頼する際は、以下のような資料をあらかじめ用意しておくと、調査がスムーズに進み、より精度の高い診断が可能になります。

 

  • 間取り図(平面図・立面図など)
  • 各種設備図、配置図
  • 地盤調査報告書、または施工報告書(あれば)

 

これらの図面や報告書があれば、住宅の劣化や欠陥を発見した際に原因が判明しやすくなります。図面類は、住宅建築時にもらう建築確認申請書の控えなどで確認しましょう。

 

もし手元に図面が見当たらない場合は、不動産の購入に携わった仲介会社に相談して取り寄せを依頼するか、法務局の窓口(またはオンライン申請)で建物の登記事項証明書や図面等を取得する手続きを行ってください。資料がすべて揃わなくても住宅診断自体は可能ですが、申込時にその旨を診断会社に伝えておくことが大切です。

 

住宅診断の費用相場は、一般的な木造一戸建てを目視で確認する基本調査であれば、およそ5万円〜7万円が目安です。床下や屋根裏への進入といった詳細な二次診断オプションを追加する場合や、物件の面積が広い場合、鉄骨造やマンションなど建物の種類によっては費用がさらに高くなります。

 

また、住宅診断の費用を「売主」と「買主」のどちらが負担するのかについても明確にしておく必要があります。法律で決められたルールはありませんが、基本的には「住宅診断を依頼した側」が負担します。

 

ただし、不動産会社によっては、媒介契約の特典として住宅診断の費用を一部負担、あるいは無料で実施してくれる独自のサービスを用意しているケースもあります。費用のトラブルを避けるためにも、誰がいくら払うのかを事前に不動産会社へ相談しておきましょう。

 

一般的な住宅診断にかかる所要時間は、およそ2時間〜3時間が目安です。ただし、住宅の延床面積や診断内容、オプションの範囲によっては半日近くかかる場合もあります。

 

診断中は、原則として依頼主が立ち会うことが推奨されます。その場で専門家から劣化状況の説明を受けたり、修繕のアドバイスを直接聞いたりできるメリットがあるためです。診断当日は長時間の立ち会いになることを想定し、スケジュールに余裕を持たせておきましょう。どうしても長時間の立ち会いが厳しい場合は、事前に診断を実施する会社へ相談してください。

 

住宅診断(基本調査)はあくまで「建物を破壊せずに目視や計測範囲内で行う調査」です。そのため、壁の内側や床下の見えない部分に隠れたシロアリ被害や、壁紙の裏側に隠れた微細な雨漏りの跡など、すべてを完璧に見抜けるわけではありません。

 

住宅診断を受けたからといって「今後絶対に不具合が起きない」という保証にはならない点に注意が必要です。「現在のコンディションを知り、将来のリスクを減らすための有効な手段」として、インスペクションの限界も理解したうえで活用しましょう。

 

住宅診断を終えた後は、その結果を取引や修繕にどう活かすかが重要です。買主・売主それぞれの立場からの次のステップを解説します。

 

買主の場合、診断結果でシロアリや雨漏りなどの修繕が必要な箇所が見つかったら、不動産会社を通じて売主に「修繕費用の分だけ物件価格を値引きしてもらえないか」といった価格交渉を行います。あるいは、「売主の負担で修繕を完了させてから引き渡す」という条件付きで契約を進めることも選択肢の一つです。想定以上の致命的な欠陥であれば、無理をせずに購入を見送る決断も必要になります。

 

一方、売主の場合は、判明した不具合をそのまま「物件の状況報告書」に明記し、情報を開示したうえで販売を続けるか、事前に自費で修繕を行ってから適正価格で売り出すかを選択します。瑕疵(欠陥)を隠さずに正直に伝えることで、引き渡し後のトラブルを防ぐことができます。

 

住宅診断の結果を踏まえて「この物件を買って本当に大丈夫か」「リフォーム費用はどれくらいかかるのか」など、判断に迷う場面もあるでしょう。そうした場合は、不動産や建築の知識を持った専門家のアドバイスを受けるのが解決への近道です。

 

不動産会社はもちろん、無料で相談できる窓口サービスなどを活用し、後悔のない住まい探しやリフォーム計画を進めていきましょう。

中古住宅の購入・リフォームに不安がある方へ

住宅診断の結果をどう判断すべきか迷ったり、修繕が必要な物件の購入に不安を感じたりした場合は、専門のアドバイザーに相談するのがおすすめです。LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」では、無料で中立的な立場からのアドバイスを受けられます。

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中古住宅を購入・売却する際、目には見えない住宅の欠陥や劣化は大きな不安要素です。しかし、適切なタイミングで住宅診断(ホームインスペクション)を利用すれば、その不安を大きく軽減することができます。

 

買主は「購入申込後から売買契約前」に実施することで、納得したうえで契約に進み、購入後の想定外の出費を防げます。売主は「売り出し前」に実施することで、物件の透明性を高め、引き渡し後の契約不適合責任に関するトラブルを未然に防ぐことが可能です。

 

費用や時間の確保、必要書類の準備といった注意点を理解し、住宅診断を上手に活用して、売り手も買い手も安心できる住宅売買を実現しましょう。

Q.1 住宅診断の費用は誰が払うのですか?

A.1 依頼した側が支払うのが一般的です。買主が購入前に依頼する場合は買主が、売主が売り出し前に依頼する場合は売主が負担します。不動産会社がサービスとして費用を負担してくれるケースもあるため、事前に相談しておきましょう。

Q.2 住宅診断にはどれくらい時間がかかりますか?

A.2 一般的な戸建て住宅の目視調査であれば、2〜3時間程度が目安です。建物の広さや調査の範囲、オプション(床下や屋根裏への進入調査など)の有無によって所要時間は変動します。当日は立ち会いのため、スケジュールに余裕を持たせてください。

Q.3 居住中でも住宅診断は受けられますか?

A.3 はい、居住中でも受けることは可能です。家具や荷物がある部分は調査が一部制限される場合がありますが、リフォーム前の状態確認や、日々の生活で不具合を感じた際の原因究明として有効に活用できます。

更新日: / 公開日:2019.06.19