台風が近づき、お住まいのマンションに雨戸やシャッターがないことに気づいて不安になっていませんか?
高層階から雨戸が落下する危険を防ぐため、多くのマンションには雨戸がありません。この記事では、台風前に自分でできる窓ガラスやベランダの具体的な対策4つを分かりやすく解説します。
マンションに雨戸がないのはなぜ?2つの主な理由
そもそも、なぜ多くのマンションには雨戸やシャッターがついていないのでしょうか。これには共同住宅ならではの安全性と、建築構造上の理由があります。
1. 雨戸落下の被害を防ぐため
1番の理由は、強風による雨戸落下の二次被害を防ぐためです。雨戸は建物の外側に取り付けられるため、台風などの猛烈な風圧を受けると、外れて吹き飛ばされる可能性があります。
平屋や一戸建てと違い、高さのあるマンションでは、高層階から雨戸が落下すると大変危険です。周辺の家屋を損壊させてしまったり、歩行者に直撃して重大な事故につながったりするリスクがあるため、多くのマンションではあえて雨戸を設置していません。
2. 窓サッシやガラス自体が頑丈に造られているため
マンションの窓は、雨戸がなくても耐風圧性を保てるよう、はじめから頑丈に設計されています。一般的な一戸建ての窓よりも強度が高いアルミサッシが使われていたり、風圧に強い厚みのあるガラスや複層ガラス、強度の高いガラスなどが採用されていたりするケースが多いためです。
台風前にするべき!雨戸に代わる4つの窓ガラス対策
雨戸がないマンションであっても、日本の建築基準に適合した建物であれば、よほど大きな飛来物が直撃しないかぎり窓ガラスが簡単に割れるわけではありません。しかし、近年の大型台風の接近時には、外から何が飛んでくるか分からない不安もありますよね。ここでは、雨戸がない賃貸マンションやアパートでも、自分で簡単にできる窓ガラスの保護対策を4つご紹介します。
1. 飛散防止フィルムを貼る
窓ガラスに対策用のテープを貼る方法もありますが、見た目が気になる方や、台風のたびに貼り剥ぎをするのが大変だと感じる方には「飛散防止フィルム」がおすすめです。
ホームセンターやインターネットで購入できる無色透明のフィルムであれば、普段の景観を損ねません。一度きれいに貼り付けてしまえば、万が一窓ガラスが割れた場合にも破片が周囲に飛び散るのを防げるため安心です。専門のフィルム施工会社さんにお願いすると、気泡やヨレもなく美しく仕上げてもらえます。
市販の飛散防止フィルムには、ガラスの飛散防止効果にプラスして、遮熱・断熱、UVカット、目隠しなどの多機能な効果がついているものも多いため、台風対策を兼ねて日常の快適性を高めたい方はチェックしてみてください。
2. カーテンを閉めて突っ張り棒で固定する
これは誰でも今すぐ無料でできる最も手軽な方法ですので、台風が接近している日は必ず実践しておきましょう。万が一窓ガラスが割れてしまっても、室内へガラスの破片が激しく散らばるのをカーテンが遮ってくれます。
ガラスの破片から室内をさらに強固に守るために、カーテンの内側に「突っ張り棒」を設置する工夫をあわせて行いましょう。
突っ張り棒をカーテンの室内側(部屋側)から、窓枠の枠組みを利用して、下から4分の1程度の高さに水平に取り付けます。こうしておくだけで、風圧でカーテンが大きくめくれ上がるのを抑え、飛び散ったガラスを受け止めるガードの役割を果たしてくれます。家族やご自身が誤ってガラスの破片を踏んでしまう二次災害を防ぐことにつながります。
3. 養生テープを窓の内側に貼る
養生(ようじょう)テープとは、貼り付けた部分に粘着面の跡が残らず、きれいに剥がせるように作られたポリエチレン製などのテープです。一般的なガムテープ(クラフトテープ)は粘着力が強すぎて、剥がした後に糊(のり)の跡がガラスに残り、掃除が大変になるため台風対策にはおすすめできません。
養生テープはホームセンターの資材コーナーや、文具コーナーなどで販売されています。最近では100円均一ショップでも、窓保護用として手に入りやすくなっています。
養生テープを窓ガラスの「内側」から、漢字の「米」の字の形、あるいは「X」型になるように対角線と十字に貼ることで、ガラス自体の耐風圧強度を高めるというよりは、割れた際の大きな破片の脱落を防ぐことができます。もしガムテープしか手元にない場合は、あらかじめガラス面にラップを敷くか、マスキングテープを貼った上から補強すると後で剥がしやすくなります。
4. 段ボールで窓の外側または内側を覆う
一戸建てなどで窓の外側に木の板を打ち付けている光景を見たことがあるかもしれませんが、賃貸マンションで釘を打つことはできません。そこで役立つのが「段ボール」です。
風がまだ弱いうちであれば、窓の外側から段ボールを窓ガラス全面に当てて、その上から防水性のあるテープなどでしっかりとサッシ枠に固定することで、小さなゴミや小石が当たって窓が割れるのを物理的に防いでくれます。ただし、高層階で外側への作業が危険な場合や、雨で段ボールが濡れてちぎれる恐れがある場合は、無理をせず「窓の内側」に段ボールを敷き詰めてガムテープなどでサッシに固定してください。万が一ガラスが割れた際の、室内への風雨の吹き込みと破片の飛散を最小限に抑えることができます。家にある大きめの段ボールを保管しておき、台風の予報が出たらすぐに動けるよう準備しておくと安心です。
台風対策をきっかけに、より防犯性や防災性能が高い頑丈なマンションへの住み替えを検討される方もいらっしゃいます。建物の構造やサッシの仕様など、安心して暮らせる住まいをお探しの方は、条件を絞って物件を検索してみてはいかがでしょうか。
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ベランダ・バルコニーの台風対策も忘れずに
雨戸がついていないマンションにおいて、窓ガラスが割れる最大の原因は「風圧」そのものよりも、「風で飛ばされてきた私物が窓ガラスにぶつかること」です。そのため、ご自身のベランダやバルコニーにあるものが凶器にならないよう、事前の片付けが極めて重要になります。
物干し竿や植木鉢は室内に避難させる
ベランダにある物干し竿は、風でカタカタと動くだけでも危険ですので、必ず物干し台から取り外してベランダの床に直接寝かせておくか、室内に取り込んでおきましょう。ハンガーや洗濯バサミ、サンダル、植木鉢、ゴミ箱など、ベランダから飛んだり倒れたりする可能性のある私物は、台風が接近する前にすべて室内の玄関や浴室などに避難させておくのが鉄則です。
また、エアコンの室外機が架台の上に置かれているだけで倒れる心配がある場合は、あらかじめロープ等で固定しておくとよいでしょう。
ベランダの排水溝を掃除して漏水を防ぐ
台風が来る前のタイミングで、ベランダの排水溝(ドレン)の掃除も必ず行っておきましょう。ベランダに落ちている枯葉やゴミ、泥などが台風の大雨で流され、排水溝に詰まってしまうと、ベランダにプールのように水が溜まってしまいます。
サッシの隙間から室内に水が溢れ出てくるだけでなく、最悪の場合は防水層を超えて階下の住居に雨漏り(漏水)させてしまい、重大な損害賠償トラブルに発展することも考えられます。お隣のベランダと排水溝を共有している間取りの場合も、自室側の溝にゴミが溜まっていないかチェックしてください。
また、もしベランダの手すり壁の一部がガラス製やアクリル製になっている場合、そこが割れると外からの飛来物が遮られなくなるため、不安な場合は窓ガラスと同様に段ボールなどで補強しておくとより安全です。
万が一に備えて普段から防災対策をしておきましょう
雨戸のないマンションやアパートでできる台風対策をまとめてきました。台風が直撃する直前にできるガラスやベランダの養生も大切ですが、実際に大型の台風が到来すると、猛烈な風雨によって電柱が倒れたり変電設備がトラブルを起こしたりして、広範囲で「停電」や「断水」などの混乱が起こる可能性も十分にあります。
高層マンションの場合、停電が起きるとエレベーターが完全に停止し、給水ポンプが止まって水が出なくなるなど、一戸建てとは異なるリスクが生じます。普段から防災意識を高め、懐中電灯やランタン、スマートフォンのモバイルバッテリー、数日分の予備の食料・飲料水、乾電池などを非常用持ち出し袋に用意しておくなど、万が一のインフラ停止に備えておくことが大切です。
「今の住まいは台風や災害に対して十分な強さがあるのだろうか」と不安に思われたら、住まいの専門家に中立的な視点から相談してみるのも一つの方法です。構造やエリアの安全性などを考慮した、災害に強い家づくりのポイントを知ることができます。
【よくある質問(FAQ)】
Q.1 マンションに雨戸やシャッターがないのはなぜですか?
A.1 一番の理由は、強風によって雨戸が外れ、高層階から下へ落下するのを防ぐためです。
周辺の建物に損害を与えたり、歩行者に直撃したりするリスクを排除するために設置されていません。
また、マンションの窓ガラスやサッシは、雨戸がなくても耐えられるよう、元から頑丈に設計されています。
Q.2 台風対策で窓ガラスにテープを貼る場合、ガムテープでもいいですか?
A.2 ガムテープ(クラフトテープ)は粘着力が強すぎて、剥がした後に糊の跡がガラス面に残りやすく、掃除が非常に大変になるためおすすめできません。
手で簡単に切れ、剥がし跡が残りにくい「養生テープ」や「窓ガラス保護用テープ」を使用してください。
Q.3 窓ガラスに養生テープを貼るだけで、割れるのを完全に防げますか?
A.3 養生テープを貼ることで、ガラス自体の強度が大幅に上がるわけではありません。
テープ対策の主な目的は、万が一飛来物が当たってガラスが割れてしまったときに、大きな破片が室内に飛び散ったり脱落したりする二次被害を最小限に抑えることです。
Q.4 台風のとき、ベランダの物干し竿はどうすればいいですか?
A.4 物干し竿は風で飛ばされたり、物干し台ごと倒れたりする危険性が高いため、必ず物干し台から取り外してください。
ベランダの床に直接寝かせておくか、台風が接近する前に室内に取り込んでおくのが最も安全です。
Q.5 ベランダの排水溝掃除が台風対策になるのはなぜですか?
A.5 台風の豪雨によってベランダの排水溝に木の葉やゴミが詰まると、行き場を失った雨水がベランダに溜まってプール状態になります。
そのまま水位が上がると、窓サッシの隙間から室内に浸水したり、階下の住居へ雨漏り(漏水)を発生させたりする重大なトラブルに繋がるためです。
更新日: / 公開日:2018.12.27









