ひとりだからこそ、生活を大切にする住まい
今や大阪市の世帯は約半数が単身世帯。
「衣」も「食」も社会にあわせて変化してきたけれど、でも何故か「住」だけが取り残されてしまっている気がする。
「ひとりだから、なんでもいいや」そうやってないがしろにされている住まいが多すぎるのではないか。小さなギャラリーや個性的なショップが点在する大阪市西区・新町エリア。
大きな通りに面さない、都会のエアポケットのような場所に経つマンションの一室をアートアンドクラフトが考えるオトナのひとり住まいとしてリノベーションしました。

元は何の変哲もない2LDKを、これまで蓄積してきたオトナの事例を振り返りながらカタチにしました
素材と高さで視覚的に分けた一室空間
床、壁、天井の素材や高さを変化させることで視覚的に空間を分けつつ、体感的には23.7畳の一室空間に。
ベッドルームは床面を少し下げ、カーペット仕上げとすることで落ち着いた雰囲気に仕上げました。窓際に設けたモルタル仕上げのDenはワークスペースのように使う他にも、テーブルを置いて外を眺めながら食事をする空間としても。
3方向に開口部があり心地いい風が抜け、北向きからの柔らかく安定した光が入ります。

ナラの無垢フローリング、カーペット、モルタル仕上げ。素材を変えることで空間を特徴付けました
ひとり住まいならではのレイアウト
木製パーテションで隔てたパウダースペースはひとり住まいならではのプランニング。
ランドリールームをあえて独立させ、洗濯物はホールを介して続くマッドルームへ。
トイレを含めたゆったりとしたバスルームは足場板の棚や木製の便座、柄クロスを用い、洗濯機置場をもうけないことでひとつの部屋のような空間に仕上げました。ひとり住まいでないがしろにされがちなキッチンは、すっきりと収めながらも本格的に使えるように計画しました。

『オトナのひとり住まい』にひとつのコタエ
今はひとりだからといって住まいをないがしろにしないでほしい。
ひとりだからこそ生活を大事にしてほしい。
今だからこそできる住まい方をしてほしい。
そんな思いで作ったオトナのひとり暮らしを楽しむ住まいです。

