- 率直な事情説明で値上げ幅を減額
- 生活が苦しくなるという事情や値上げ幅の見直しの希望をメールで伝えた結果、当初の提示額からの減額に成功。何も考えずに同意するのではなく、自身の状況を率直に伝えて交渉することが重要です。
詳しくは、「3日後に届いた最終回答」をご覧ください。 - 更新料と引越し費用を総額で比較
- 周辺相場や敷金などの初期費用を試算し、引越しにかかる総額と家賃値上げによる年間負担増を比較。その結果、更新したほうが経済的なダメージが少ないと判断しました。一時的な感情で判断せず、コストを比較検討しましょう。
詳しくは、「交渉の結末と見えた『判断基準』」をご覧ください。 - 根拠の提示や設備交渉も有効な手段
- 値上げの根拠となるデータの提示を求めたり、エアコンなどの設備グレードアップを条件に交渉したりするのもひとつの手です。また、相手への配慮を示すクッション言葉を使うことで、交渉を円滑に進められる可能性があります。
詳しくは、「『LIFULL HOME’S 住まいの窓口』ハウジングアドバイザーによる解説」をご覧ください。
この記事では、都内の賃貸マンションに住む20代会社員Aさん(※プライバシー保護のため仮名)が「1万5,000円の家賃値上げ通知」をきっかけに、実際に行った交渉の中身、管理会社のリアルな反応、そして最終的な結論までを包み隠さずお伝えします。
Aさんの居住・契約状況
・ 入居者:20代・会社員(都内勤務)
・ 物件:東京都中央区のマンション(1K)
・ 値上げのタイミング:更新時期ではない「契約期間中の改定」
・ 現在の家賃:12万円(賃料10万8,000円+共益費1万2,000円)
・ 通知された新家賃:13万5,000円(賃料12万3,000円+共益費1万2,000円)
・ 値上げ幅:+1万5,000円(月額)
突然の「+1万5,000円」の家賃値上げ通知
年末も近づき、仕事や用事に追われていたある日のこと。いつものように帰宅してポストを開けると、管理会社からの「重要なお知らせ」が入っていました。
封筒を開くと、そこに書かれていたのは、想定外の家賃値上げの通知でした。

Aさんの元に実際に届いた「賃料及び共益費改定のご案内」とともに同封されていた覚書。改定後の賃料が明記され、署名を求める内容(画像提供:Aさん、以下同)
しかも内容を見て、思わず言葉を失います。まさかの+1万5,000円。年間にすると18万円の負担増加です。
入居してから、まだたったの1年。 一般的な2年ごとの更新時期ならまだタイミングとして理解できたかもしれませんが、今回は契約期間中の突然の改定でした。
「え、そんなに…?」正直、昨今の物価高や都心という立地を考えれば、3,000~5,000円程度なら覚悟していました。ですが、1万5,000円となると話は別。生活への影響は決して小さくありません。
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検索で希望は見えたが、管理会社の反応は事務的
最初にしたのは、インターネット検索です。「家賃 値上げ 拒否」「家賃 交渉」など調べていくうちに、話し合いができる可能性があることを知りました。
そこで管理会社に電話をかけましたがつながらず、翌日かけ直してつながったものの、「担当者がいない」と言われるだけでした。

Aさんが管理会社へ実際に送った交渉メールの文面。「1万5,000円も増額されると生活が苦しくなる」という切実な事情と、契約更新月までの据え置きや値上げ幅の配慮を求めた
不安になり、自身の状況と気持ちを率直にメールで送りましたが、連絡がついたのは、それから2日後。

管理会社からの返信メール
返ってきたのは「貸主へと共有し、回答次第ご返信いたします」というものでした。
「このまま待っていていいのか」「しつこいと思われないか」といった迷いもあり、なかなか次の行動に踏み切れませんでした。
この間に、上司にも相談したところ、「更新月でもないのに1万5,000円はおかしい。きちんと話した方がいい」と言われ、気持ちの整理ができました。
3日後に届いた最終回答
管理会社から「貸主へと共有します」と連絡があってから、最終的な返答が来るまでにかかったのは3日でした。

3日後に届いた最終回答のメール。「情勢に応じて家賃を適正化したい」という貸主の意向は変わらないものの、交渉の結果、値上げ幅が縮小されたことが分かる
内容は「情勢に応じて、家賃を適正化させていきたい」として、最終的に提示されたのは家賃5,000円の値上げでした。当初の+1万5,000円から、金額は引き下げられた形です。
こちらの事情に対する具体的な配慮や、金額について踏み込んだ話はなく、判断はすべて貸主側次第という立場に置かれたままです。この対応に、交渉の難しさと、事務的な壁を強く感じました。
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交渉の結末と見えた「判断基準」
正直に生活が苦しくなることや値上げ幅の見直しの希望を伝えたことが、減額につながった要因だったと感じています。設備交換などの条件提示はなく、話し合いの結果として金額のみが調整されました。
最終的に、私はこの「家賃+5,000円(総額12万5,000円)」という条件で合意し、契約を継続することに決めました。
実は、今回の通知を受けて引越しも検討しました。 しかし、周辺相場や、引越しにかかる初期費用(敷金・礼金・仲介手数料・引越し代など)を試算してみると、数十万円単位の出費となります。
年間6万円(月5,000円×12ヶ月)の負担増と、引越し費用をてんびんにかけた結果、今回は「更新した方が経済的ダメージは少ない」と判断しました。
振り返ってみてよかったのは、何も考えずに同意しなかったことです。自分で検索・相談してから判断したため、この物件に住み続けるべきかどうかの基準が明確になりました。
「LIFULL HOME’S 住まいの窓口」ハウジングアドバイザーによる解説
ハウジングアドバイザー藤田愛季子

大手アパレルでのスタイリング提案、人材紹介での両手営業を経て、2017年にLIFULLへ入社。不動産広告営業で業界知見を深めた後、2020年より「LIFULL HOME’S 住まいの窓口」へ。アパレル・人材・不動産と一貫して「介在価値」を重視するキャリアを歩む。2025年よりグループマネージャーに就任。toB・toC両面の経験を活かし、ユーザー一人ひとりに寄り添った最適な住まい選びを推進している。
まず、家賃の大幅な値上げに対して即座に応じるのではなく、市場相場の検索や周囲への相談など、冷静に行動された点は非常に賢明でした。
さらに、貸主から値上げ幅縮小の回答があった後もそのまま受け取るのではなく、引越し相場と比較検討された判断は素晴らしく、読者の皆さまもぜひまねしていただきたい重要なポイントです。
よりスムーズな交渉を目指すなら、メールの表現にひと工夫加えてもよいでしょう。
Aさんは「生活が苦しくなる」と心情を素直に伝えていますが、まずは値上げの根拠となる客観的なデータの提示を求めることで、貸主側の意図をくみ取る姿勢を見せるのもひとつの手です。
一方的な拒否ではなく「対話」の姿勢を示すことで、その後のやり取りを円滑にする効果が見込めます。
また、要望を伝える前に「昨今の情勢では致し方ない面もあるかと存じますが」といったクッション言葉を添えるだけでも、貸主への配慮が伝わり、相手の態度を軟化させることにつながります。
今回は減額に成功しましたが、もし金額交渉が難しい場合には、エアコン交換や温水洗浄便座、モニター付きインターホンの設置など、設備のグレードアップを条件に「家賃に見合った住環境」を目指すのも有効な戦略です。
それでもダメなら引越しも選択肢のひとつ
実は法律上、入居者の合意なく家賃を一方的に上げることはできません。拒否して住み続けることも可能ですが、貸主との関係悪化は将来的なリスクにもなり得ます。
納得がいかない場合は、引越しを前向きな選択肢として検討することもおすすめです。
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