4人家族で住まい探しをするときには、必要な部屋数から条件を絞り込んでいくのが基本です。ファミリータイプの集合住宅では、分譲・賃貸を問わず3LDKのものが多く扱われているので、メインの選択肢となることが多いでしょう。
今回は、4人家族で3LDKに住むケースを想定して、快適さや部屋割りの考え方を詳しくご紹介します。
ファミリー向け物件3LDKの物件
4人家族で3LDKなら快適に暮らせる? 広さと世帯人数の目安

3LDKは、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)と3つの居室を組み合わせた間取りです。ここではまず、3LDKの広さや4人家族との相性について見ていきましょう。
3LDKの広さ
3LDKの間取りといっても、実際の面積は物件ごとに大きく異なります。しかし、「不動産公正取引協議会連合会」の基準によれば、2つ以上の居室がある住宅のLDKの広さは10畳以上と定められています。
そのため、基本的には「10畳以上のLDKと3つの居室」がある間取りといえるでしょう。また、3LDKの物件には「60~80平米」のものが多いのが特徴です。
参考までに、LIFULL HOME’Sで東京23区内にある3LDKの賃貸物件を検索したところ、専有面積ごとの物件数は次のようになりました。
専有面積 | 物件数 |
|---|---|
60m2以下 | 314件 |
60~70m2 | 1,119件 |
70~80m2 | 1,381件 |
80~90m2 | 558件 |
90m2以上 | 673件 |
※2025年3月時点のデータ
やはり60~80平米以上が多いものの、一戸建ての物件を中心に、90平米を超えるものも見つかります。
3LDKは4人家族にはちょうどいい間取り
国土交通省が公表している「住生活基本計画」の居住面積水準では、住むのに適した広さが世帯人数別に示されています。
必要な面積(m2) | ||||
|---|---|---|---|---|
1人世帯 | 2人世帯 | 3人世帯 | 4人世帯 | |
最低居住面積水準 | 25 | 30(30) | 40(35) | 50(45) |
誘導居住面積水準(都市型) | 40 | 55(55) | 75(65) | 95(85) |
誘導居住面積水準(一般型) | 55 | 75(65) | 100(87.5) | 125(112.5) |
※()は3~5歳児が1名いる場合
- 最低居住面積水準:健康で文化的な住生活の基礎として必要不可欠な広さ
- 誘導居住面積水準:多様なライフスタイルを想定したゆとりのある広さ(都市型:都市部の集合住宅/一般型:郊外の一戸建て住宅)
(出典:国土交通省『住生活基本計画における「水準」について』)
上記のように、4人世帯では少なくとも50平米以上の広さが必要であると考えられ、95平米(郊外の一戸建てなら125平米)以上あればゆとりのある暮らしができるとされています。3LDKでは60~80平米の物件が多いことを踏まえると、4人家族が生活するうえでは、特に不便のない広さといえるでしょう。
ファミリー向け物件 3LDKの物件
4人家族で3LDKの間取りに暮らす4つのメリット

3LDKに4人家族で暮らす場合のメリットを見ていきましょう。
子ども部屋を1人ずつ持たせられる
3LDKには3つの居室があるため、夫婦と子ども2人の4人家族であれば、夫婦で1部屋を使ったとしても、子ども1人に対して1部屋ずつ確保できます。子どもの年齢が近い場合や、受験期が重なる場合でも、独立したスペースを持たせられるので不便に感じることはありません。
また、夫婦の部屋も確保できるので、テレワークなどをするときにも便利です。
柔軟な部屋割りが可能
部屋数が多いため、用途に応じた柔軟な部屋割りが行えるのも魅力です。子ども部屋以外の部屋は、仕事部屋や趣味のスペースとして利用したり、客間として備えたりすることもできます。
収納スペースに困りにくい
各部屋に収納スペースを設ければ、それぞれの荷物をプライベートスペース内にしまっておけるため、リビングなどのパブリックスペースに物があふれることがありません。廊下や洗面所などの収納場所には、掃除用具などの全員が使うもののみを置くようにすれば、家族の荷物が混在するのも避けられます。
老後も暮らしやすい
3LDKは4LDK以上の間取りと比べると、管理がしやすいのが特徴です。子どもが巣立った後も、比較的掃除や管理の手間が少ないため、老後を迎えてからも安心感があります。
使わなくなった子ども部屋は、客間や書斎、コレクションスペースなどにも活用できるので、多様なライフスタイルに対応できるのがメリットです。
4人家族向きの3LDKの間取り例

一口に3LDKといっても、形状や広さにはさまざまなパターンがあります。ここでは、LIFULL HOME’Sで実際に3LDKの物件検索を行い、4人家族に適した間取りの事例をパターン別にご紹介します。
スタンダードな田の字型
マンションなどの集合住宅では、専有面積を効率的に活用できる「田の字型」の3LDKが主流です。田の字型の特徴は、移動スペースを削減することで、居住スペースや収納スペースを効率よく確保できる点にあります。

田の字型の間取りでは、日当たりのよい南側にLDKを配置し、リビングの採光性を高めていることが多いです。
日当たりに優れた南面3部屋型
3LDKでは、各部屋の日当たりを重視した南面3部屋型のものも多いです。

この事例のように、日当たりのよい方角にLDKを含めた3部屋が面していれば、採光性に優れた快適な居室を多く確保できます。また、LDKを通らなければ各居室にアクセスできないつくりとなっているため、「家族間のコミュニケーションが生まれやすい」のも魅力です。
広々LDKが魅力の一戸建てタイプ
一戸建ての場合、3LDKのバリエーションはさらに広がります。さまざまなパターンが考えられますが、敷地を有効に活用する方法としては、以下の事例のようなケースが挙げられます。

居室を2階部分に集約させ、1階をLDKと水回りのみにすることで、LDKの面積を広くとれます。また、生活に必要なスペースが1階に集約されるので、家事効率も高まるのがメリットです。
ファミリー向け物件 3LDKの物件
4人家族で間取りを考えるときの3つのポイント

住むのに適した間取り・広さは、家族構成やライフスタイルによって異なります。ここでは、4人家族で間取りを考えるときに、意識したい3つのポイントをご紹介します。
夫婦の部屋の用途
3LDKの場合、子どもそれぞれに個室を持たせたうえで、夫婦の部屋を持つことも可能です。夫婦の部屋を確保する場合は、寝室として使うのか、仕事部屋として使うのかによって、必要な広さや条件が変わってきます。
たとえば、寝室ならそれほど広い部屋は必要ないため、3つの個室のうち、もっとも狭い部屋を夫婦の部屋にするという考え方ができます。反対に、書斎などの機能も備えた部屋にするのであれば、2人で使うことを想定して、もっとも広い個室を夫婦用にするとよいでしょう。
子どもの年齢や性別
子どもの年齢や性別によって、必要な部屋数は変わります。たとえば、子ども同士の性別が異なる場合、女の子が小学校高学年を迎えるころには個室の必要性が高まります。
また、子どもの年齢差が離れている場合は、子ども部屋が必要なタイミングが重ならないため、2LDKでも十分というケースもあるでしょう。ただし、受験期が重なる場合は、それぞれに独立した勉強部屋を持たせてあげられるのが理想です。
このように、4人家族といっても世帯ごとに条件が異なるので、自身の状況を踏まえた間取りと部屋割りを考える必要があります。
来客の頻度と収納スペースの充実度
頻繁に両親が訪ねてくるなど、泊まりの来客が多い方は客間があると便利です。この場合、3つの個室のうち1つは、客間として使えるように柔軟性を持たせるとよいでしょう。
また、同じ3LDKでも収納スペースの大きさや数によって、使い勝手は変わります。収納スペースについては、具体的な用途をきちんとイメージして、必要な大きさや設置場所を考えましょう。
LIFULL HOME’Sで物件を探してみよう
不動産情報ポータルサイト「LIFULL HOME’S」では、一戸建てからマンションまで、幅広いジャンルの物件情報が掲載されています。3LDKにもいろいろな形状や広さが存在するので、まずは実際の物件例を調べてみると、暮らし方のイメージも膨らませやすいでしょう。
また、家づくりをご検討中の方には、「住まいの窓口」が便利です。住まいの窓口では、専任のハウジングアドバイザーが、住まいに関する相談を無料で受け付けています。
広さ・間取りなどの条件整理から、資金計画、建築会社選びまで幅広い相談が可能なので、ぜひご活用ください。
住まいの窓口に相談する
記事のおさらい
最後に、今回の内容をQ&Aで確認しておきましょう。
Q:4人家族に3LDKは狭い?
A:結論から言えば、3LDKは4人家族にとってちょうどいい間取りといえます。具体的な広さは物件ごとに異なりますが、都市部でも60~80平米のものが多く、4人家族で十分快適に暮らせる広さと考えられます。
Q:4人家族が3LDKで暮らすメリットは?
A:子どもそれぞれに個室を持たせたうえで、夫婦の寝室を確保できるのがメリットです。子どもが巣立った後も、比較的管理がしやすく、空いた部屋は書斎や趣味の部屋といったさまざまな用途に活用できます。
ファミリー向け物件 3LDKの物件
公開日:










