二人暮らしでプロパンガスつきの住宅に住んだ場合、気になるのが毎月のガス代です。ガス料金は国際情勢の影響を受けて高騰傾向にあります。これに加え、プロパンガスは都市ガスよりも使用料金が高いため、毎月支払うガス代を少しでも抑えたいという人は多いでしょう。

本記事では、二人暮らしのプロパンガス代の平均料金や、市況以外の理由でガス代が高くなる原因などについて解説します。ガス代の節約方法についてもご紹介しますので、ガス代を削減したい方はぜひ参考にしてください。
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プロパンガスとは、プロパン・ブタンが主成分である液体石油ガスのことです。プロパンガスの利用率は、東京よりも地方の方が高いのが特徴です。

 

まずは東京都における、二人暮らしでのプロパンガス代の平均を見ていきましょう。以下の条件で試算します。

  • 基本料金: 1,897円(東京都の場合)
  • 月平均使用量: 6.5m3(二人暮らしのプロパンガス月平均使用量 )
  • 従量単価: 632.9円/m3(東京都の場合)

石油情報センターが実施したプロパンガスの消費実態調査(2006年度)によれば、二人暮らしでのプロパンガスの平均使用量は6.5m3です。

 

ガス代は以下の計算式を使用して算出します。

ガス代(月額)=基本料金+(使用量×従量単価)

上記の計算式に当てはめてみると、月々・年間のガス代はそれぞれ以下の金額になります。

ガス代(月々)=1,897+(6.5×632.9)=1,897+4,113.85=約6,011円

ガス代(年間)=6,010.85×12=約72,130円

したがって、二人暮らしでのプロパンガス代の目安金額は、毎月約6,011円、年間で約72,130円が見込まれます。

冬季は暖房や給湯の使用頻度が増えるため、ガスの使用量が必然的に多くなります。特にガスファンヒーターやガスストーブなど、ガスを燃料とする暖房器具を使用する場合、冬場のガス代はさらに高い傾向です。

 

参考までに、総務省が実施した家計調査によると、二人以上の世帯における月別の平均水道光熱費は下図のとおりです。

 

【2023年度の平均水道光熱費(二人以上の世帯)】

水道光熱費(円)

1月

33,465

2月

35,275

3月

32,022

4月

26,419

5月

22,820

6月

19,505

7月

17,911

8月

18,624 

9月

18,860

10月

19,668

11月

19,576

12月

22,119

参考:総務省「家計調査報告」

 

上記を見ると、水道光熱費は7月がもっとも安く、2月が高くなることが分かります。冬季になると水道光熱費が上がるのは、暖房や湯船の追い焚きなどでエネルギーを多く消費するためと考えられます。

家庭で用いられているガスには、プロパンガスの他に都市ガスがあります。都市ガスとは、メタンを主成分とする天然ガスのことです。

 

プロパンガスと都市ガスの料金を比較すると、単位あたりの価格は都市ガスの方が安いとされています。プロパンガスの料金は都市ガスの1.5~2倍ほど高いのが相場です。

 

プロパンガスの料金が高いのは、供給コストが関係しています。プロパンガス会社は小規模事業者が多く、運搬費用や人件費など供給にかかるコストがかさむため、全体の料金が高くなる傾向です。

一方、都市ガスは地域や供給会社によって価格が設定されているため、大きな変動はなく比較的安定しています。

 

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プロパンガスは使用料金が高いため、都市ガスへの変更を検討している人もいるでしょう。プロパンガスから都市ガスへの切り替えは可能ですが、ガス管の配管工事やガス機器の交換が必要です。

 

また賃貸の場合は、どのガス会社と契約するかは大家さんや管理会社に決定権があるため、そもそも入居者の判断で都市ガスに変更することはできません。事前に大家さんや管理会社に相談し、同意を得る必要があります。

その際、一戸建ての場合はガス機器を交換するだけなので認められる可能性があります。一方、アパートといった集合住宅の場合は全室一括で取り替えねばならないため、許可を得るのは難しいでしょう。

二人暮らしになると一人暮らしのときよりガス消費量が増えるため、ガス代が高くなってしまいます。特にプロパンガスを利用している場合は、都市ガスより使用料金が高いのがデメリットです。

ここでは光熱費を見直すために、二人暮らしでガス代が高くなる原因について見ていきましょう。

ガス代が高くなる原因の一つが、お風呂でのお湯の使用量が多いことです。二人が異なる時間帯に入浴することが多いと、お湯の追い焚きによってガスの消費量がかさみます。

 

またシャワーの時間が長いことも、ガス消費量が増える原因として挙げられます。経済産業省の省エネポータルサイトによれば、シャワーを1分間使用するには12Lのお湯が必要となり、家族4人が4分ずつシャワーを使うと、お湯の使用量は浴槽1杯分程度になるとされています。

 

参考:経済産業省「無理のない省エネ節約​」

料理やお皿洗いなどでお湯を頻繁に使うとガス代が高くなります。食器や食材を洗う際に、長時間お湯を出しっぱなしにしていないか注意するようにしましょう。

特に冬場は水温が低いため、食器洗いでお湯を利用する機会が増え、ガス代がかさみがちです。食器を洗う際は給湯器の温度を少し下げるとガス代を抑えられます。

また、お湯を沸かすときは水から沸かすのではなく、給湯器のお湯を利用した方が効率的にエネルギーを消費できます。

部屋の暖房器具として、ガスファンヒーターを利用している場合もガス代が増えます。ガスファンヒーターは短時間で効率的に部屋を暖められ、給油の手間がなく、空気が汚れにくいのがメリットですが、ガスの消費量が多くなる点がデメリットです。

冬場の朝晩の冷え込みで長時間使用する場合や、リビングや寝室で複数台を使っている場合はさらにガス代が上がるでしょう。

ガスファンヒーターのガス代を節約するには、暖房器具に搭載されているエコ機能やタイマーを活用するのがおすすめです。こうした機能を使えば必要以上に部屋を暖めることがなくなり、つけっぱなしも防げます。

 

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冬場になるとガス代が高くなるため、家計が厳しくなるのが悩ましい点です。しかし、ガスの消費を抑えることにも限界があり、無理な方法では日常生活を快適に過ごせません。

 

ここでは、日常生活に支障のない範囲で行えるガス代の節約方法について解説します。

手軽に行えるガス代節約方法の一つが、節水効果のあるシャワーヘッドへの交換です。シャ
ワーの水量が少なくなり、給湯器のガス使用量を抑えられます。

昨今の節水シャワーヘッドは、水圧を保ちながら節水できるものが多いため、入浴時にそれほどストレスを感じないでしょう。

賃貸物件でも基本的にシャワーヘッドの交換はできますが、念のため大家さんや管理会社に許可を得てから行うようにしましょう。費用負担についても確認しておく方が、退去時の原状回復でトラブルになりません。

なお、シャワーヘッドのみを取り外せるタイプなら認めてくれる可能性があります。

調理をする際に、野菜を電子レンジで下ごしらえするのも有効な方法です。レンジで加熱することにより、茹でる・煮るといったガスコンロを使う時間を減らせます。

煮崩れも少なくなり栄養も逃がさないため、電子レンジも活用した方が見栄えがよく体にもよい食事をつくれるでしょう。時短にもつながるため、忙しい二人暮らしの強い味方となるはずです。

プロパンガスは都市ガスより使用料金が高いのが特徴です。住んでいる物件や地域でプロパンガスしか使えないとなると、冬場のガス料金が高額になる可能性もあります。

ただ、効率よく使用すればガス代を抑えることは可能です。二人で続けて入浴したり、電子レンジを活用して調理したりするなど、日頃から無駄のない使い方を心がけましょう。

また、賃貸物件に住んでいる場合は、次の更新で都市ガスが導入されている住宅に移ることも一つの方法です。ガスは毎日使用するため、長く住むほど経済的な影響が大きくなります。物件を選ぶときは、ガスの種類も確認してから契約するのをおすすめします。

 

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