木造の賃貸住宅は物件数が多く、家賃が安い傾向にあることから、選択肢の1つに入れている人は多いでしょう。しかし、木造の物件には、他の構造に比べて防音性や気密性が低いといったデメリットも存在します。木造の賃貸物件を選ぶ際は、こうしたデメリットを抑えられる物件を選ぶことが大切です。
今回は、木造の賃貸物件の魅力やデメリット、選ぶ際のポイントについて解説します。木造の賃貸物件を検討している人はぜひ参考にしてください。
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木造の賃貸住宅の魅力

木造の賃貸住宅は、鉄骨造やRC造に比べて建築コストが安いため、家賃も安くなりやすいという魅力があります。また、工法によっては広い間取りを実現しやすく、大きな家電や家具を配置しても動線のよい空間を作りやすい点も魅力です。
つまり、木造の賃貸住宅は「安い家賃」と「広い部屋」を両立できる住宅といえるでしょう。
さらに、木造は通気性に優れ、木材による調湿効果も期待できるため、物件の性能や地域によってはエアコンを使わなくても快適に過ごせることもあるでしょう。このように、木造の賃貸住宅には鉄骨造やRC造にはない魅力があります。
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木造の賃貸住宅のデメリット

物件探しの際は、その物件のデメリットも理解したうえで選ばなければ、住んだ後に不便に感じたり後悔したりすることがあります。
木造の賃貸住宅に住むデメリットについて解説します。
防音性が低い
通気性が高い木造は音も通しやすいため、外の音が聞こえやすいというデメリットがあります。隣人の生活音や屋外の車の走行音が、ストレスの原因になってしまうことがあるかもしれません。
また、自分の生活音も外に聞こえてしまう可能性があるため、騒音トラブルが発生するケースもあります。このように、通気性の高さは防音性の低さと表裏一体となっているため注意が必要です。
夏は暑く冬は寒い
通気性の高い木造の賃貸住宅は、防音性だけでなく気密性も低い傾向があるため、部屋を冷やしたり暖めたりするのに時間がかかってしまう点がデメリットです。
気密性が高い住宅は、室内の空気が外に漏れにくいことからエアコンの効きがよくなり、エアコンを切ってもしばらくは快適な温度を維持できます。
一方、木造の場合は、鉄骨造やRC造よりも気密性が低いため、夏は暑く冬は寒い住環境になってしまうこともあります。家賃は安くても、光熱費が高くなってしまう点に注意しましょう。
地震の影響を受けやすい
地震が多い日本において、耐震性と耐久性の高さは賃貸物件選びでも重要なポイントです。木造住宅が鉄骨造やRC造と比べて一概に耐震性が劣るとはいえませんが、木材は横からの力に対し、しなることで力を逃がすため、鉄骨造などよりも揺れを感じやすくなるでしょう。
また、火災保険料も鉄骨造などより高くなりがちなので、自然災害に強い物件を探している人には不向きである可能性もあるでしょう。
ただし、近年では耐震基準が厳しくなっており、2000年の建築基準法改正では、建物全体の耐震性を向上させることを目的に、次のポイントが強化されました。
- 地盤に応じた基礎設計
- 基礎と柱の接合部に金具の取つけ
- 耐力壁のバランスと配置
2000年以降に建築された木造家屋であれば、新耐震基準よりもさらに耐震性と耐久性が強化されているため、より安心して住むことができるでしょう。
木材を好む害虫が発生する可能性がある
シロアリやキクイムシなど木材を好む害虫が発生する可能性があるのも、木造のデメリットといえます。こうした害虫が発生すると、床鳴りがしたり室内に死骸やフンが発生したりと、不快な現象に悩まされる可能性があります。
さらに、害虫によって家の躯体が破損することもあり、耐震性や耐久性が低下する原因にもなり得ます。オーナーが防蟻処理をしていれば問題ありませんが、築年数が古いアパートは対策が不十分なこともあるでしょう。
木造でも防音性の高い建物はある?

木造は鉄骨造やRC造よりも防音性が低いといわれていますが、住宅の省エネ化に伴い木造の気密性も向上し、近年では防音性の高い木造の賃貸住宅が増えてきています。そのため、物件によっては騒音を気にせず生活することができるでしょう。
鉄骨造には2種類あり、鉄骨の厚みが6mm以上であれば重量鉄骨造、6mm未満が軽量鉄骨造となり、重量鉄骨造はホテルやビジネスビルなどで採用されることの多い構造です。
防音性の高い木造の物件の防音性能は、軽量鉄骨造と同レベルとされています。一般的な鉄骨造の賃貸物件は軽量鉄骨造が多いことから、防音性を高めた木造の住宅であれば、鉄骨造の住宅と変わらない安心感を得られるでしょう。
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木造の賃貸住宅を選ぶポイント

先述したとおり、一般的な木造の賃貸物件は防音性が低かったり、害虫が発生したりするなどのデメリットがあります。こうしたデメリットを解消できる物件を選ぶときのポイントについて解説します。
築年数が浅い物件を選ぶ
築年数が浅い木造の賃貸物件は、耐震性や耐久性に優れるだけでなく、防音性も高いことが多いので、木造のデメリットを解消することができるでしょう。
また、建築されて間もない賃貸物件は、定期的なメンテナンスや突発的な破損に対応してくれるなど、管理やサービスが充実している物件が多いです。そのため、木造の賃貸物件を選ぶ際は築年数に注目してみるとよいでしょう。
周辺に樹木が多い物件を避ける
木造住宅を選ぶ際は、周辺環境にも気を配りましょう。樹木が多い場所は自然豊かですが、シロアリや害虫の発生リスクが高くなります。シロアリは木材を食害し、建物の構造にダメージを与えてしまうことがあります。
また、樹木が日光を遮ることで室内の湿度が上がり、カビの発生リスクも高まります。特に風通しの悪い場所では湿気がこもりやすく、室内環境が悪化する恐れがあるため、周辺に樹木が多い賃貸物件は避けた方がよいでしょう。
まとめ

木造の賃貸物件は、鉄骨造やRC造より家賃が安価で、間取りも広い傾向にあるなど、賃貸物件として魅力的な部分が多々あります。その一方で、防音性が低い、夏は暑く冬は寒い、害虫の発生リスクがあるといったデメリットがあるのも確かです。
ただし、築年数の浅い木造の賃貸物件であれば、軽量鉄骨造と同程度の防音性を持つ物件が増えてきているうえ、耐震性や耐久性、気密性も向上しています。周辺に樹木が少ない賃貸物件を選べば、害虫被害のリスクも抑えられるでしょう。
木造の賃貸物件に住むことを検討している人は、メリット・デメリットを把握したうえで住まいを選ぶとよいでしょう。
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更新日: / 公開日:2025.02.26










