賃貸物件を契約したものの、転職や転勤などによって契約期間中の引越しを余儀なくされることがあります。その場合、違約金の支払いを求められるケースがありますが、引越しでは新たな賃貸物件の初期費用などが発生し、違約金が負担となることもあるでしょう。

今回は、賃貸物件を途中解約する際の違約金の相場について解説します。違約金が払えないときの対処法も紹介するため、現在契約している賃貸物件を途中解約する可能性がある人は、ぜひ参考にしてください。

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国土交通省が公開している「賃貸住宅標準契約書」では、違約金の相場は家賃の約1ヶ月分とされています。

 

ただし、契約で定められた内容に対し複数の違反行為をしている場合は、規定以上の違約金を請求されることもあります。

 

賃貸借契約の内容によって禁止事項は異なりますが、賃貸物件における一般的な違反行為には次のようなものがあります。

  • 家賃の滞納
  • 許可された範疇以上のリフォームを勝手に行う
  • ペット禁止にもかかわらずペットを飼う
  • 賃貸物件の価値を落とすような行為をする
  • 無断で第三者に又貸しする
  • 事前に報告していた人数よりも多い居住者がいる
  • 騒音トラブルを起こす

大家さんは賃貸物件という資産を入居者に貸し出すことで家賃収入を得ています。家賃を滞納されると家賃収入が途絶えてしまうため禁止事項とされているとともに、滞納が長期にわたると強制退去の可能性も出てきます。

 

許可なく部屋を改装することも原則として禁止です。契約で定められた範疇を超えてリフォームをした場合、必ずしも大家さんにとって喜ばしい改修になるとは限らず、資産価値を落とす要因になるためです。

 

同様に、資産価値の低下や近隣への迷惑につながる恐れがある、ペットの飼育が禁止されている賃貸物件におけるペットの飼育、廊下にゴミや私物を放置するなどの行為も禁止です。

 

賃貸人のこのような行為は大家さんの賃貸経営において大きなリスクとなってしまうため、中途解約による違約金が相場以上の金額で提示されるケースがあります。

 

これ以外にも、勝手に又貸しをしたり同居人数を増やしたりする行為も、契約違反に該当する可能性があるため注意しましょう。

 

引用:国土交通省「賃貸住宅標準契約書

契約条項が記載されている賃貸借契約書には、賃貸借契約の解除についても明記されています。違約金が発生するケースや金額についての記載もあるため、よく確認しましょう。

 

なお、途中解約されると大家さんは家賃収入が途絶えてしまうばかりか、新しい借り手を探す費用や時間が必要になってしまいます。そのため、期間満了までに支払うはずだった家賃を違約金に上乗せして請求されるケースもあります。

 

違約金の目安は家賃1ヶ月分であるものの、契約内容によっては想定以上の請求額になることもあるため注意しましょう。

 

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一般的な賃貸借契約書では、退去する日の30日前までに退去の申し入れが必要と記載されていますが、人気のある物件だと60日前までの申し入れが必要となるケースもあります。

 

ただし、急に引越しが決まった場合は、60日前までの申し入れが難しいケースもあるでしょう。このような場合は大家さんや管理会社に事情を相談し、退去日の調整ができないか協議することも大切です。

賃貸物件を途中解約する際は違約金が発生するケースが多いため、期間満了より前に退去することになった場合は、違約金を支払う前提で準備を進めることが大事です。

 

違約金を払うまでの流れは、大きく分けて3つのステップを踏む必要があります。この章では各ステップの特徴について詳しく見ていきましょう。

途中解約することを決めた場合、まずはなるべく早く管理会社もしくは大家さんに連絡しましょう。急な引越しは誰にでも起こり得るため、柔軟に対応してくれるケースもあります。

 

伝達方法は電話やメールで問題ありませんが、「解約通知書」と呼ばれる書面に署名押印することを求められる場合もあります。こうした書面には違約金の内容について明記されているため、簡単に署名押印せずに、内容を細かく確認することが大切です。

退去日が決まれば不動産管理会社もしくは大家さんと日程調整し、部屋の状態を確認する立会日を決めます。日常生活で生じ得る一般的な摩耗やキズであれば問題ありませんが、部屋を激しく損傷させるような使用をしていた場合は、原状回復費用を請求されることもあるでしょう。

 

特にペットの飼育や勝手なリフォームによる違反行為は、原状回復費用を増額させてしまいます。原状回復にかかる費用と違約金の内容についてもこのタイミングで協議し、まとまれば支払い方法と時期を決めます。

合意した期日までに指定された方法で支払いを行えば、違約金の授受は完了です。支払い方法は、家賃を振込んでいた口座への振込送金が一般的ですが、現金での支払いを求められることもあり、その場合は必ず領収書や受取確認書を準備してもらいましょう。

 

金銭の受け渡しはトラブルになりやすく、確実に支払ったという明細を残しておくことが重要です。振込であれば履歴が残りますが、現金の受け渡しは行き違いや勘違いが起きやすいため、領収書などの必要書類を用意しておくことがポイントです。

 

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突発的な引越しは、新居の準備や引越し費用など多くの支出を伴うため、違約金を用意できないというケースもあるでしょう。その場合は支払いが困難な理由を正直に管理会社・大家さんに伝え、分割払いや支払い期日の延期を申し出てみましょう。

 

賃貸借契約は借主保護の性質が強いため、契約書に定められた違約金よりも緩和された内容が認められた判例もあります。無料の弁護士相談を利用し、交渉のポイントを押さえたうえで打診することで、違約金の支払いについて有利に進められることもあります。

 

ただし、こうした交渉やお願いはあくまでも管理会社や大家さんとの関係が良好であることが前提です。複数の契約違反をしている場合は、最初から取り合ってもらえないことも多いでしょう。このことからも、中途解約にかかわらず、管理会社や大家さんとは普段からよい関係を築いておくことをおすすめします。

急な引越しが決まり、契約期間が満了する前に賃貸物件を退去する場合、まずは管理会社や大家さんに退去する旨を伝えることが大切です。一般的な賃貸借契約では中途解約における違約金の発生が定められており、家賃1ヶ月分が相場となります。

 

ただし、契約違反をしていた場合は増額される可能性もあるため、退去の伝達と同時に賃貸借契約書を細かくチェックしましょう。

 

管理会社や大家さんとの関係が良好であれば、支払い期日を延ばしてもらったり、分割払いにしてもらったりするなどの交渉も可能です。支払いが難しい場合はまず相談してみるのがよいでしょう。

 

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