賃貸物件を探すとき「治安のよさ」を優先条件としている人も多いでしょう。しかし、治安は時間帯によっても変わるため、明確に判断するのが難しいこともあります。
そこで、この記事では治安のよさを確認・判断するときに参考にしてほしいポイントを解説します。自身が住みたいエリアの治安について気になる人は、ぜひ参考にしてみてください。
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治安がよいとされるエリアの特徴とは

一般的に治安がよいとされるエリアには、下記のような特徴があります。
- 繁華街から離れている
- 外灯の数が多い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
繁華街から離れている
多くの人でにぎわう繁華街の近くは、住宅街に比べて治安がよくない傾向にあります。これは、 夜中まで営業する店舗が多く存在していることが影響しています。
たとえば、帰宅時間が遅い場合、お酒に酔った人に絡まれたり、入店の勧誘を受けたりする可能性があります。
また、繁華街にはパチンコやゲームセンター、カラオケ店なども存在するため、騒音が気になることがあるかもしれません。
このような理由から、治安を優先するのであれば繁華街から離れたエリアを選んだ方が安心して暮らすことができるでしょう。
街灯の数が多い
街灯の数が少ないエリアは、夜間の人通りが少ないことが予想されます。暗く人通りの少ない道は、犯罪が発生しやすい場所の一つです。そのため、帰宅時に不安を感じることがないように、街灯が途絶えないルートがあるのが望ましいです。
詳しくは後述しますが、住みたい物件が決まったら、自宅から駅までの道に街灯が途絶える暗い場所がないか、事前に確認することをおすすめします。
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治安のよいエリアか確認・判断する方法

治安のよいエリアを確認・判断するにはどうしたらよいか、分からない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、エリアの治安を確認・判断する方法について解説します。
犯罪情報マップを確認する
各都道府県の警察本部は「犯罪情報マップ」を作成しています。これを見ると、過去に起こった犯罪の発生状況を地図上で確認でき、住みたいエリアではどんな犯罪が多いかを調べられます。
なお、同マップでは、住所を入力すれば地域を特定して検索したり、犯罪のタイプを絞り込んで表示したりすることも可能です。
周辺エリアを散策する
住みたいエリアが絞れたら、実際に周辺エリアを散策してみましょう。散策するときは、以下のポイントを確認しながら歩いてみると、治安のよいエリアかを判断しやすくなります。
落書きやゴミのポイ捨てはないか
落書きや路上のゴミが放置されていると、防犯にも悪影響を及ぼすことが懸念されます。これは環境犯罪学の「割れ窓理論」という考え方に該当するためです。
この理論は、割れた窓が放置されていると、周囲の住民が注意を払っていないということの目印となり、ほかの窓も間もなく割られてしまう傾向が高いというものです。
そのため、落書きや路上のゴミを放置している地域では、さらに落書きやゴミのポイ捨てが増え「ルールを破っても誰も気にしない」という心理から、犯罪が起こりやすくなるといえます。
街灯や設備が壊れたまま放置されていないか
外灯や設備などが壊れたまま放置されているエリアは、周辺住民の防犯に対する意識の低さがうかがえます。特に、街灯が壊れていると夜間の犯罪発生リスクが高いといえるでしょう。
日中は治安がよいと判断したとしても、夜になると違った印象を受けることがあります。たとえば、昼間は明るく見通しがよい場所でも、夜になると街灯の少なさや死角に気づくことがあります。
そのため、時間帯を変えて街灯の数や配置に問題がないか確認するのがおすすめです。
交通状況を調べる
住みたいエリアの交通状況も調べておきましょう。特に、大通り沿いにある物件では交通量の多さから、交通事故にあうリスクが高いといえます。高齢者や子どもがいる世帯では、念入りに確認したいところです。
国土交通省では、全国の道路を対象に、12時間および24時間の自動車台数を示した交通量のデータ「一般交通量調査」を公開しています。
また、自治体と警察が連携して交通安全対策を講じていることもあります。公的なデータを参照したり実際に地域を訪れたりして、交通状況を確認しましょう。
キッズゾーン、歩車分離
交通安全に対する自治体の取り組みとして「キッズゾーン」を設けている地域もあります。
「キッズゾーン」とは、保育所等の園外活動の安全確保を目的として、国がスクールゾーンに準じて設けた区域です。キッズゾーン内では、路面標示などの交通安全対策を実施し、自動車運転者に注意喚起を行っています。
さらに、新しく開発されたエリアでは、歩行者の安全を確保することを目的に、車が通る道と歩行者が通る道を計画的に分離した「歩車分離」が進んでいる地域もあります。
ゾーン30、ゾーン30プラス
道幅が狭い住宅街などを対象に、「ゾーン30」という取り組みが行われているところもあります。
ゾーン30とは、生活道路における歩行者や自転車の安全な通行を確保することを目的とした交通安全対策です。区域を定めて時速30kmの速度規制を実施するとともに、その他の安全対策を必要に応じて組み合わせています。
加えて、ゾーン30の内容に、狭さく(車道の幅を狭くして通行車両に減速を促す対策)やハンプ(車両の速度抑制のために設置される路面の盛り上がり)などの物理的な対策を組み合わせた「ゾーン30プラス」の整備が進んでいるエリアもあります。
具体的な取り組み内容は自治体ごとに異なるので、あらかじめ情報収集をしておきましょう。
入居者のマナーをチェックすることも大切

住みたいエリアの治安を確認したあとは、実際に物件に住む入居者のマナーをチェックすることも大切です。
具体的には、共有スペースの使われ方を確認したり、掲示板の内容を確認したりする方法があります。
共用スペースを確認する
廊下やゴミ置き場などの共用スペースでは、物件の管理状態とともに入居者のマナーを確認できます。
たとえば、廊下に所有物が放置されている場合には、管理規約を守らない入居者がいると判断できます。
また「ゴミ置き場が散らかっていないか」「収集日以外にゴミが置かれていないか」「駐輪場はきちんと整備されているか」といったことも入居者のマナーを確認するうえで重要な観点です。
チラシが散乱してないか
物件の集合ポスト周辺などに、チラシが散乱している場合も気をつけた方がいいでしょう。これは、ポストからチラシや郵便物があふれていると、個人情報が記載された郵便物を盗まれる危険性があるためです。
また、チラシがそのまま放置されていることから、留守が続いていると推測され、空き巣に狙われるリスクも高まるでしょう。加えて、散らかった状態のまま放置されていることから、物件の管理状態もよくないと推察できます。
入居者向けの掲示板を確認する
物件内で騒音トラブルやクレームが発生している場合、入居者向けの掲示板やエレベーター内に、管理会社からの警告や注意が書かれていることがあります。
特に、総戸数の少ない物件では、特定の入居者が問題になっているケースも考えられるでしょう。
騒音対策として建物の構造もチェック
入居者同士のトラブルでもっとも多いのが騒音問題です。そのため、物件の騒音対策についても確認するようにしましょう。
具体的な確認方法として、まず建物の構造が「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」「鉄骨鉄筋コンクリート造」のどれにあたるのかを確認しましょう。
防音性が高い構造は、コンクリートを流し込むことで壁の密度が高まる、鉄筋コンクリート造と鉄骨鉄筋コンクリート造です。鉄骨造は木造よりやや防音性が高めです。
一般的に、建物は構造躯体が頑丈であるほど音が反響しにくいとされています。建物の構造については、間取り図を記した「物件概要書」に記載されていますので、事前に確認しておきましょう。
鉄筋コンクリート造の物件
まとめ

住みたい地域の治安は、犯罪情報マップを活用したり、実際に歩いてみたりすれば確認できます。
また、物件の共有スペースや掲示板を確認すれば、入居者のマナーを把握できるでしょう。入居後にトラブルに巻き込まれて後悔しないように、事前に周辺地域の治安について確認することをおすすめします。
特に、家族に小さい子どもや高齢者がいる場合は、治安について慎重に調べた方がいいでしょう。治安のよいエリアの物件を選んで、すてきな生活を送ってください。
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