賃貸物件に住むときに初期費用として支払うのが敷金や礼金です。最近では、敷金礼金ゼロで契約できる賃貸物件もありますが、契約する前に知っておきたいポイントがいくつかあります。今回は、賃貸一戸建てに住むケースを例に、敷金礼金なしの場合のメリットと注意点について解説します。
賃貸一戸建てを探す敷金礼金0(ゼロ・なし)物件
敷金礼金なしの物件とは?

賃貸物件に住む際にかかる初期費用は、一般的に家賃の5~6倍程度といわれています。その中でも多くの割合を占めるのが、敷金礼金です。部屋探しをしていると、「敷金礼金なし」の物件も見られますが、まずは敷金と礼金のそれぞれの役割について見ていきましょう。
敷金礼金とは?
敷金は、家賃の滞納に対する担保と、退去時に発生する原状回復のために徴収される費用です。そのため、家賃を滞納せず、借主の責任で原状回復をする必要がない場合には、基本的に退去時に返してもらえます。
一方、礼金とはその名のとおり、大家さんに対して支払うお礼のお金です。こちらは敷金と違って返金されることはありません。
敷金と礼金の相場は地域によって違いがありますが、それぞれ家賃1~2ヶ月分程度が相場です。
なぜ敷金礼金がない物件があるのか
敷金には家賃の滞納に対する担保という意味がありますが、最近は滞納リスクへの対応として保証会社を利用するケースが増えています。賃貸借契約時に保証会社に加入することを条件に、敷金なしとする物件もあります。
礼金については、大家さんが「お礼は結構です」という場合に礼金なしとするケースがあるほか、早めに入居者を決めたい場合にも、礼金をゼロに設定して募集することがあります。
賃貸一戸建てを探す 敷金礼金0(ゼロ・なし)物件
敷金礼金なしの賃貸一戸建てに住む場合の注意点

敷金礼金なしの物件は、初期費用を大きく抑えられるというメリットがあります。しかし、敷金礼金を払わない場合には注意すべきこともあります。
退去時の清掃やクリーニング代は自己負担になるケースがある
敷金がゼロの場合は、退去時の掃除費やクリーニング代が自己負担になることが多いです。特に、一戸建てはアパートやマンションよりも面積が広いため、ハウスクリーニング費用も高くなりがちです。
小さな子どもがいたり、ペットがいたりする場合などは、汚れがつかないように気をつけて生活する必要があるでしょう。
初期費用が安くても維持費がかかる可能性がある
賃貸一戸建ての中には、庭がついている物件もあります。この場合は建物だけでなく、庭も含めて借りている状態になるため、基本的には入居者が庭の手入れを行います。
雑草を定期的に刈ったり、害虫駆除なども行ったりする必要があるかもしれません。庭の手入れを怠って雑草を放置したり、植樹を枯らしたりすると、退去時に原状回復費用を請求される可能性があります。庭の手入れにかかる手間や維持費がかかることを覚えておきましょう。
一戸建ての場合は築古物件が多い
賃貸一戸建ては、築古物件が多いという特徴があります。水回りの修繕がきちんと行われているか、必要に応じてリフォームされているかなど、契約前に確認する必要があるでしょう。
また、物件の中には、契約更新ができない「定期借家」のケースもあります。敷金礼金がないからといって早急に契約を決めず、物件の状態や契約条件を確認したうえで検討することが大切です。
賃貸一戸建ての敷金礼金なし物件の探し方

敷金礼金なしの物件は少なくありませんが、一戸建ては物件数そのものがアパート・マンションに比べて多くありません。そのため、不動産ポータルサイトで条件を絞って探すのが効率的です。
LIFULL HOME’Sでは、「敷金礼金0(ゼロ・なし)の物件」で住みたいエリアを選択し、物件種別を「戸建て」に絞れば簡単に探すことが可能です。
たとえば、東京都では敷金礼金なしの物件数は6万件以上でしたが、そこから「一戸建て」に絞って検索すると、該当物件は約200件でした(2023年10月時点)。
さらに、ファミリーで暮らすことを想定し、間取りを2LDK以上、築年数を30年以内に設定してみると、家賃相場は5万~30万円程度と、エリアや間取りによって差がありました。
下記は、東京と千葉エリアの賃貸一戸建て(敷金礼金なし)の物件例です。

エリア:東京都練馬区
家賃:12.3万円
築年数:22年
間取り:2LDK
面積:約68平米
採光面:南
駅からの距離:徒歩19分

エリア:千葉県千葉市
家賃:7.3万円
築年数:29年
間取り:3LDK
面積:約73平米
採光面:東
駅からの距離:徒歩11分
家賃はエリアによって差がありますが、築年数は20~30年前後の物件が多い印象でした。2階建て以外にも、平屋などの物件もあります。また、テラスハウス(連棟式住宅)の物件は独立した一戸建てよりも物件数が多く、家賃も比較的安いという特徴があります。
賃貸一戸建てを探す 敷金礼金0(ゼロ・なし)物件
賃貸一戸建てを借りる際に「敷金礼金なし」に交渉することはできる?

敷金礼金なしの賃貸一戸建ては物件数が限られることから、気に入った物件が見つかっても初期費用がネックになることもあるかと思います。敷金礼金は貸主の判断で設定されているため、状況によっては交渉次第で免除してもらえる可能性があります。
たとえば、長い間空室になっていたり、同じエリアの似た物件よりも初期費用が高かったりする場合は、交渉に応じてくれる可能性は高いでしょう。交渉する際は誠実な対応を心がけることがポイントです。無理な交渉をしてしまうと契約自体ができなくなる可能性もあります。不動産担当者にも相談しながら進めていきましょう。
記事のおさらい
なぜ敷金礼金なしの物件があるの?
賃貸借契約時に保証会社に加入することを条件に敷金をなしにしたり、入居者を早く決めたかったりする場合に礼金をなしにするケースがあります。詳しくは、「敷金礼金なしの物件とは?」をご覧ください。
敷金礼金なしの賃貸一戸建ての注意点は?
敷金礼金なしの賃貸一戸建てに住む場合、退去時などに原状回復費用を自己負担するケースがあります。詳しくは、「敷金礼金なしの賃貸一戸建てに住む場合の注意点」をご覧ください。
敷金礼金なしの賃貸一戸建てはどうやって探す?
不動産ポータルサイトで条件を絞り込みながら探すと、敷金礼金なしの賃貸一戸建て物件を効率的に探せます。詳しくは、「賃貸一戸建ての敷金礼金なしの物件の探し方」をご覧ください。
賃貸一戸建てで敷金と礼金の交渉はできる?
敷金礼金は貸主の判断で設定されているため、状況次第では交渉に応じてくれるケースがあります。詳しくは、「賃貸一戸建てを借りる際に「敷金礼金なし」に交渉することはできる?」をご覧ください。
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