物件探しにおいて重視すべき条件のひとつに「部屋の広さ」があります。快適な生活を送るためには、居住人数やライフスタイルに合わせた広さを基に、適した物件を探すことが大切です。

今回は「8畳」の広さをテーマに、具体的なスペースのイメージや一人暮らしでおすすめのレイアウトを紹介します。

一人暮らしにぴったりな物件

一人暮らし

 

8畳を平米数に換算すると「約13~15平米」になります。借りたい部屋に8畳の居室があるとすると、玄関や廊下、キッチンやバス・トイレといった水回りなどを含めて全体で「25平米」程度になると考えられます。

 

これは、国土交通省が提示している「住生活基本計画における居住面積水準」で、一人暮らしに最低限必要とされている広さに該当します。

 

たとえば「7~8畳の居室」「幅1m程度のクローゼット」「廊下に面したミニキッチン」「バス」「トイレ」を合計すると、基本的な設計であれば25平米程度となります。

 

間取りや形状によっても状況は異なりますが、一人暮らしなら問題なく生活できる広さといえるでしょう。

居室

 

同じ8畳の居室を持つ物件であっても、間取りによって実際の広さに違いが生まれることもあります。ここでは、広さを左右するポイントを3つに分けて紹介します。

 

一人暮らしに向いている代表的な間取りタイプには「ワンルーム(1R)」と「1K」があります。両者の違いは部屋とキッチンが扉で仕切られているかどうかにあり、ワンルームは以下のように居室内にキッチンが設けられています。

 

間取り図

 

一方、1Kは居室とキッチンが区切られており、以下のように「8畳の部屋とは別にキッチンがある」といったイメージです。

 

間取り図

 

そのため、同じ8畳の居室を持つ物件なら、ワンルームよりも1Kのほうが広くなるケースが多いといえます。

 

ただ、つくりによっては、ワンルームでも単に仕切りがないだけで、以下のようにキッチンスペースが居室に含まれていないものもあります。

 

間取り図

 

そのため、間取り図によく目を通して、居室をどのように使えるのかを確認することが大切です。

 

柱の位置や太さによっても、部屋の使い勝手には大きな違いが生まれます。

 

特にベッドなどの大型の家具を設置する際には、柱によって思っていた位置に置けないといったこともあるので、内見のタイミングで家具の設置位置を確認しておきましょう。

 

以下のようなスペースは専有面積に含まれないので、あるかどうかで実際の広さに差が生まれることもあります。

専有面積に含まれないスペース

  • 床下収納
  • ロフト
  • 玄関ポーチ
  • バルコニー

これらは、部屋の使い方に大きな違いを生み出すポイントでもあるので、間取り図や物件情報を細かくチェックすることが大切です。

 

また、バルコニーやベランダがない物件では、洗濯物を室内に干すなどの工夫が必要となります。室外スペースも専有面積には含まれないので、事前にチェックしておきましょう。

 

一人暮らしにぴったりな物件

 

8畳は一人暮らしに適した広さではありますが、快適に使うためにはレイアウトのコツを押さえておくことも重要です。ここでは、実際のレイアウトを通して、具体的なコツを見ていきましょう。

部屋のレイアウト

 

8畳の広さがあれば「シングルベッド」「デスク」「ソファ」「1人用のテーブル」「テレビ台」といった一通りの家具を設置できるでしょう。

 

部屋を広く使うためには、部屋の入り口を除く四隅に家具を配置するのがコツです。

 

部屋の中心にスペースのゆとりが生まれるので、動線を確保しやすくなり、友人を招待したときなどにもゆったりとくつろいでもらうことができます。

部屋のレイアウト

 

8畳にはさまざまな家具を置くことができますが、あまり背の高いものが増えると、部屋全体に圧迫感が生まれてしまいます。

 

部屋をすっきり見せるためには、できるだけ家具を背の低いものでそろえ、棚などの高さがある家具は一部にまとめるといいでしょう。

広さ8畳のマンションを借りるときの家賃の目安

 

賃貸物件の家賃は部屋の広さによっても変化します。8畳は一人暮らし用として適した広さではあるものの、5畳や6畳と比べると、家賃の基準は高くなりやすいので注意が必要です。

 

ここでは、8畳のマンションの家賃目安について見ていきましょう。

 

国土交通省の2020年度「住宅市場動向調査」によれば、三大都市圏(首都圏、中京圏、近畿圏)における賃貸住宅の平均家賃は「7万6,059円」とされています。

 

価格帯ごとの内訳は以下のようになっています。

家賃の価格帯

借りている人の割合

2.5万円未満

1.7%

2.5万円以上5万円未満

17.5%

5万円以上7.5万円未満

41.4%

7.5万円以上10万円未満

20.3%

10万円以上

19.1%

家賃は所在エリアによっても異なるので、あくまでも参考値としてとらえる必要がありますが、8万円以上であれば平均よりも高いと判断することができます。

 

上記のデータを踏まえたうえで、東京都の主要エリアにおける8畳のマンションの家賃相場を見てみましょう。

 

なお、今回はLIFULL HOME’Sの「家賃相場」で、8畳相当の広さである専有面積20~25平米のマンションの家賃相場(※)を紹介します。

エリア

家賃相場

千代田区

10.54万円

中央区

10.04万円

港区

11.30万円

新宿区

9.93万円

文京区

9.19万円

台東区

9.14万円

墨田区

8.79万円

江東区

8.97万円

品川区

8.60万円

目黒区

9.94万円

大田区

7.91万円

世田谷区

8.80万円

渋谷区

10.52万円

中野区

8.86万円

杉並区

8.07万円

豊島区

8.93万円

北区

7.92万円

荒川区

7.75万円

板橋区

7.33万円

練馬区

7.12万円

足立区

7.05万円

葛飾区

6.94万円

江戸川区

6.82万円

八王子市

5.28万円

立川市

5.83万円

武蔵野市

7.85万円

三鷹市

7.37万円

青梅市

4.39万円

府中市

6.15万円

昭島市

5.09万円

調布市

7.24万円

町田市

7.32万円

小金井市

6.36万円

小平市

5.35万円

日野市

5.35万円

東村山市

6.08万円

国分寺市

6.33万円

国立市

6.12万円

福生市

4.37万円

狛江市

6.74万円

東大和市

5.09万円

清瀬市

5.42万円

東久留米市

5.08万円

多摩市

5.60万円

稲城市

5.19万円

羽村市

6.46万円

あきる野市

3.82万円

西東京市

6.41万円

※2022年6月時点、ワンルーム・1K・1DK/マンションの相場表。駅徒歩10分以内賃貸物件の平均賃料(管理費・駐車場代などを除く)を軸に算出

 

東京都では、港区や渋谷区といった都心部で8畳のマンションを借りようとすると、家賃の全国平均である7万6,059円より高くなってしまうことが分かります。

 

ただ、23区内でも練馬区や足立区などの地域では、全国平均の家賃に近い価格帯で借りられると判断できます。

 

また、市部のほうへ目を向けると、23区に近い武蔵野市や三鷹市では全国平均よりも高い、もしくは同程度になってしまいますが、立川市や八王子市などではより安い価格帯で借りることが可能です。

 

このように、エリアによっても価格には大きな差が生まれるので、住みたい地域が決まったら「家賃相場」でチェックしてみるのがおすすめです。

 

一人暮らしにぴったりな物件 家賃相場を調べる

物件を探す

 

住まいの快適さは広さだけでなく、立地や設備などのさまざまな要素によって決まります。そのため、広さの目安が決まったら、実際に部屋探しをしながら自分に合った物件をいくつか見比べてみましょう。

 

LIFULL HOME’Sでは、住みたいエリアや広さを設定し、細かな条件を調整しながらまとめて物件情報を検索することができます。

 

また賃料や広さ、間取り、設備、その他のこだわりなど、さまざまなジャンルにわたるテーマから物件を絞って検索することも可能です。

 

気になる物件が見つかったら、そのページから空室状況の問合せや内見予約もできるので、部屋探しにぜひご活用ください。

  • 8畳の居室は13~15平米程度であり、玄関や水回りを含めると25平米程度になる
  • 25平米は一人暮らしに最低限必要とされる広さの目安に該当する
  • 同じ8畳でも間取りタイプや部屋のつくりによって実際の広さは異なる
  • 部屋のレイアウトや使い方でも広さのイメージは変わってくる

 

一人暮らしにぴったりな物件

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