女性の一人暮らしの家賃はどのくらいが目安？

無理のない家賃の目安は手取りの3分の1以下

 

一般的に、無理のない家賃の目安は、毎月かかる管理費や共益費などを含めて手取りの3分の1以下とされています。手取りとは、収入から各種保険料や税金を差し引いた金額のことであり、実際に手元に入ってくるお金です。

 

ここでは「20歳以上34歳以下の女性の平均賃金」から、無理のない家賃設定の目安を詳しく見ていきましょう。

〈20～34歳の女性の平均賃金〉手取りは18万3,840円程度

 

厚生労働省の2020年の調査データ（※）によれば、1ヶ月当たりにおける女性の平均賃金は、年齢別に次のようになっています。

この3タイプの年齢別データを単純に平均値にすると、20～34歳までの女性の月収目安は22万9,800円と計算できます。さらに、手取りを月収の8割と想定すると、手取りは18万3,840円程度となります。

 

※ 厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査の概況」

平均賃金から計算すると、家賃の目安は6万1,280円

 

家賃の目安を手取りの3分の1以下とすると、結果は6万1,280円となります。つまり、女性の同世代の平均収入から考えれば、管理費・共益費などの住居関連費を含めて、6万1,280円内に収めるのがひとつの基準といえそうです。

 

ただし、手取りの3分の1以下という基準はあくまでも目安であり、実際にはライフスタイルや貯金の目標、住みたいエリアなどによっても金額が異なります。そのため、生活費を細かく計算したうえで、実際の手取りと比較しながら検討することが大切です。

 

女性の一人暮らしの生活費については、後ほど詳しく解説をするので、そちらを参考にしてください。

 

家賃・賃料6万円以下の快適物件

女性の一人暮らしにかかる初期費用はどのくらい？

続いて、賃貸物件を借りるうえで必要な初期費用の目安についても見ていきましょう。

初期費用の目安と内訳

 

初期費用とは、賃貸物件を借りる際に必要となる費用の総称を指します。主な内訳としては、以下のような項目があります。

費用項目	費用の目安	内容
敷金	家賃0～2ヶ月分	家賃の滞納や部屋の損傷などに備えて預けておく保証金。退去時には原状回復費用を差し引いた金額が返金される。
礼金	家賃0～2ヶ月分	大家さんへの謝礼金。
前家賃	家賃1ヶ月分	契約月の翌月分の家賃。入居日や契約方法によっては発生しないこともある。
日割り家賃	家賃の日割り計算金額	入居月分の家賃。入居日に応じて1ヶ月分の家賃から計算される。
仲介手数料	家賃0.5～1ヶ月分＋消費税	不動産会社に対して支払う報酬。法律によって上限が決められている。
火災保険料	1万5,000～2万円	家財や建物を守るための保険であり、ほとんどのケースで加入は必須。
鍵の交換代	1万～2万円	鍵のタイプによって費用は異なる。
保証会社利用料	家賃の約30～70％（必要な場合のみ）	保証会社を利用する場合にかかる費用。

初期費用は家賃4～6ヶ月分

 

物件や契約のタイミングによって、必要となる項目には違いがありますが、合計で家賃の4～6ヶ月分が目安です。

 

たとえば、家賃を6万円と設定した場合、初期費用の目安は24万～36万円となります。

 

また、新生活を始めるにあたっては、住宅関連の初期費用だけでなく、生活必需品代や引越し代などの費用も発生します。

 

敷金礼金0（ゼロ・なし）物件

女性の一人暮らしでは1ヶ月当たり生活費にどのくらいかかる？

 

続いて、女性の一人暮らしに必要な生活費の目安についても見ていきましょう。

 

総務省統計局の2021年「家計調査」（※）によれば、34歳以下の女性単身世帯における1ヶ月当たりの生活費（住居費を除く）は以下のとおりです。

費用項目	金額
食費	2万9,405円
水道・光熱費	8,530円
家具・家事用品費	7,440円
被服費	1万314円
保健医療費	6,251円
交通・通信費	2万846円
教養・娯楽費	1万7,964円
その他	2万4,617円
合計	12万5,367円

34歳以下の女性の一人暮らし…1ヶ月の生活費は約12万5,000円

 

上記のデータはあくまで平均額ではありますが、34歳以下の女性の一人暮らしにおいては、生活費として1ヶ月当たり約12万5,000円がかかると考えられます。

 

まずはこのデータを基に、自身のライフスタイルを踏まえながら生活費のモデルケースをつくってみましょう。そのうえで、手取りから生活費や貯金の目標額を差し引くと、無理のない家賃上限を決めやすくなります。

家賃込みの生活費目安は18万6,647円

 

なお、上記の生活費に前述した家賃の目安（6万1,280円）を加えると、合計額は18万6,647円です。

 

この結果から考えると、合計額は同じく冒頭で述べた34歳以下の女性における平均的な手取り月額（18万3,840円）を少し上回ってしまうため、多少の節約が必要であると判断できます。

 

ここからは、生活費を上手に節約するコツについて見ていきましょう。

 

※ 総務省統計局「2021年 家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表＜用途分類＞1世帯当たり1か月間の収入と支出／男女、年齢階級別」

生活費を賢く節約するためのコツ

 

生活費の節約を考えるうえでは、支出の項目ごとに具体的な節約ポイントを押さえつつ、無理なく取り組めそうなものから試してみることが大切です。ここでは、出費の項目別に節約のコツを紹介します。

食費を抑えるコツ

 

食費を節約するうえでは、できるだけ外食の機会を減らし、自炊を続けることが基本となります。そこで、まずは自炊を無理なく継続するために、実践できそうな方法を探ってみましょう。

 

具体的な方法としては、「作り置きおかずを活用する」「ご飯はまとめて炊き、冷凍保存しておく」「まとめ買いで買い物の回数を減らす」といったものが挙げられます。

 

毎日の献立を考えるのが負担に感じられてしまう場合は、曜日でローテーションを組んでしまうのもひとつの方法です。

水道・光熱費を抑えるコツ

 

水道・光熱費については、毎日の小さな積み重ねによる部分も大きいですが、まずは特に意識しなくても費用を抑えられる仕組みをつくることが大切です。

 

たとえば、「より安い電力会社を見つける」「生活サイクルに合った電力・ガスプランを選ぶ」などを意識するだけで、自然と電気代を抑えられる可能性があります。

 

電力会社によっては、平日や日中の電気代を安く設定しているプランなどもあるため、自分に合った契約を見つけるのがコツです。

 

また、水道代については、「節水コマ」や「節水シャワーヘッド」などを取り入れて、無意識のうちに節水できるような仕組みをつくってみるといいでしょう。

通信費を抑えるコツ

 

通信費の節約については、料金プランを見直してみることが重要な一歩となります。料金プランの見直しや不要なオプションの解約を行うことで、料金をより低く抑えられるケースがあります。

 

また、現在の通信費が気になる人は、ネット回線に目を向けてみるのもひとつの手です。

 

固定回線を引いているにもかかわらず、あまり自宅でネット環境を使用しないといった場合には、月額料金の安いモバイルタイプのルーターに切り替えることで料金を安く抑えらることがあります。

 

一人暮らしにぴったりな物件 女性限定（専用）の物件

女性の一人暮らしで物件を探すなら何を意識すべき？

 

安定した生活を送るためには、無理のない家賃設定が重要です。とはいえ、女性の一人暮らしでは防犯面などにも目を向ける必要があり、単に「安ければいい」といった観点で物件を選ぶのはあまりおすすめできません。

 

そのため、優先すべき条件を明確にしてから物件探しをスタートすることが大切です。ここでは、女性の一人暮らしで大切にしたいポイントについて解説します。

立地に関するポイント

 

立地については、まず「治安の良いエリアを見極める」ことが大切となります。おおまかなエリアごとの治安情報は、警視庁や自治体が公表している犯罪情報マップで調べることができます。

 

過去に起こった事件の発生場所や不審者情報などを地図上で確かめられるので、知らないエリアに引越す際には事前に調べておきましょう。

エリアについての情報をチェックし、借りたい部屋の候補が見つかったときには、物件の周辺環境にも目を向けておくことが大切です。

駅まで徒歩5分の便利な物件

セキュリティ・建物の防犯性に関するポイント

 

女性の一人暮らしでは、セキュリティや防犯性も大事な項目です。オートロックや防犯カメラ、モニター付きインターホンなど、セキュリティ設備にはさまざまな種類があるので、予算とのバランスを考慮しながら条件設定を行いましょう。

 

また、建物のつくりによっても部屋の防犯性には違いが生まれます。

 

「バルコニーに死角がある」「フェンスなどがなく、外から中の様子がうかがえる」「ベランダ側に簡単に登れそうな物置や木がある」といった場合には、2階以上の部屋であっても防犯面に注意が必要となります。

 

セキュリティ・防犯対策が充実した物件

水回りの設備に関するポイント

 

女性の一人暮らしにおいて重視されやすいポイントのひとつに、使用頻度の高い水回りの設備が挙げられます。中でもバス・トイレ別や独立洗面台は、特に人気の集まりやすい条件です。

 

また、男性と比較すると衣服や下着の取扱いから、浴室乾燥機や室内洗濯機置き場の重要性も高まります。

 

バス・トイレ別の物件 独立洗面台付き物件 浴室乾燥機・浴室暖房機付き物件

自炊のしやすさに関するポイント

 

食費を節約するためには、自炊中心の生活を心がけることが大切です。そのため、自炊のしやすさにも目を向けて物件探しを進めましょう。

 

たとえば、「2口コンロを選ぶ」「キッチンスペースにゆとりがあるか確認する」といったポイントが挙げられます。

 

また、部屋に仕切りがないワンルームより、キッチンと居室が分かれている1Kタイプの方が、料理のニオイが居住スペースに移らないという点で自炊しやすいと感じる場合が多いでしょう。

 

1Kの物件

まとめ

 

• 20～34歳までの女性の平均賃金から計算すると、無理のない家賃目安は6万1,280円
• 初期費用は家賃の4～6ヶ月分が目安
• 34歳以下の女性単身世帯における平均生活費は約12万5,000円
• 生活費を抑えるコツは支出の項目ごとに確認しておく
• 女性の一人暮らしでは重要度の高い条件が多くなるため、優先順位を決めておく

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