アパートやマンションなどの賃貸物件でペットを飼育する際には、飼い主が責任を持ってトラブルの予防に努める必要があります。

特に「音のトラブル」については、気づかないうちに周囲へ迷惑をかけてしまう可能性があるので細かな配慮が大切です。

今回は「防音対策」に焦点を当てて、賃貸物件でペットを飼うときに注意したいポイントを解説します。

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ペットの足音

 

一口に騒音トラブルといっても、ペットが原因のものには、さまざまな種類があります。ここではまず、具体的にどのようなトラブルが起こりやすいのか見ていきましょう。

 

アパートやマンションなどの集合住宅では、ペットの足音が階下へ響いてしまうことがあります。特に、猫はソファなどの高いところからジャンプすることも多いので、たとえ体が小さくても、意外と大きな音が発生してしまいます。

 

犬や猫を飼育する際には、鳴き声が隣室にまで伝わってしまい、トラブルにつながることがあります。特に深夜帯に鳴き声が発生した場合には、普段よりも音が目立ってしまう分、騒音トラブルになりやすいので注意が必要です。

 

足音や鳴き声のほかには、ケージの金属音や爪とぎの音が騒音につながってしまうケースもあります。

 

普段は気をつかっているつもりでも、飼い主が不在のときに発生している可能性もあるので、日常的に使用するケージや爪とぎ用の木材などはきちんと防音対策を行うとともに、設置場所を工夫することも大切です。

床の防音対策

 

ペットを飼育するうえでは、具体的にどのような点に気をつければいいのでしょうか。ここでは、普段の生活で意識したい防音対策のポイントについて解説します。

 

壁の防音対策は、主に鳴き声によるトラブルを予防するうえで重要となります。いくらきちんとしつけを行っていても、完璧に鳴き声を抑えることは難しいため、壁は優先的に対策しておきたいところです。

 

具体的な方法としては、市販されている「吸音材のパネル」や「遮音材のシート」などで防音性を高めるといったものがあります。また、背の高い家具を隣室に接した壁に配置するなど、レイアウトの工夫で防音性を向上させることも可能です。

 

床はフローリングのままでいるよりも、カーペットを敷いたほうが音は階下へ伝わりにくくなります。また、特に足音が気になるようであれば、市販の防音シートやコルクマットをカーペットの下に使用すると効果が高まります。

 

意外と見落としてしまいがちな音漏れの原因として、窓の防音対策が不十分であることが挙げられます。鳴き声が窓から漏れてしまうのを防ぐために、厚手の防音カーテンや遮音カーテンを使用して、音の通り道をふさいでおきましょう。

 

室内の防音対策を行ったうえで、それでも音漏れが気になってしまうという場合には、ドアや窓サッシの隙間から音が抜けている可能性があります。隙間が見つかったときには、市販の防音テープを使ってふさいでおくといいでしょう。

 

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内見をする

 

これから部屋探しをする場合には「ペット可」や「ペット相談可」の物件を選ぶことを前提にしたうえで、防音性にも目を向けておくことが大切です。ここでは、防音性の高い部屋を見極めるための具体的なポイントを解説します。

 

建物の構造は、防音性を左右する大きなポイントです。細かなつくりによっても異なりますが、一般的には「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」の順に防音性が向上していきます。

 

ただ、木造であっても防音性を高める工夫が導入されていたり、隣室との間に十分な距離が設けられていたりすれば、騒音が気にならないケースもあります。

 

ペット可物件のなかには、防音性を高めている部屋も多いので、気になる場合は不動産会社を通して確認してもらうといいでしょう。

 

部屋の防音性は細かなつくりによっても変わってくるので、実際に内見をしてチェックすることも大切です。防音性を確かめるには、部屋の真ん中で手をたたいてみると効果的です。

 

拍手の音がきちんと返ってくる場合には、室内の壁できちんと遮断されていると判断できます。一方、音が返ってこない場合は音が外部へ抜けてしまっており、防音性が低い可能性があると考えられるのです。

 

また、四方の壁を軽くコンコンとたたいて防音性を確かめる方法もあります。固く詰まったような音がすれば防音性が高く、高く響くような音がすれば防音性が低いと判断できます。

物件選びのコツ

 

賃貸物件でペットと暮らすうえでは、防音性以外にもさまざまなポイントに目を向けることが大切です。ここでは、ペットと快適に暮らすために押さえておきたい項目を見ていきましょう。

 

一口に「ペット可」といっても、実際に飼育できる種類は物件によってさまざまです。

 

飼育が許されているのは小動物のみ、あるいは犬はOKでも猫はNGといったパターンもあるため、必ず事前に飼育できるペットの種類を確認しておきましょう。

 

また、飼育できる頭数に制限があることも多いので、併せてチェックしておく必要があります。

 

新築の物件は、床や壁のキズが目立ちやすくなるため、ペットが原因のキズや汚れによって、原状回復費用が通常以上にかさんでしまうケースがあります。

 

また、高層階は窓からの転落事故のリスクがあるため、動きが活発な猫の飼育などにはあまり適していません。

 

新築や高層階は一般的に人気が集まりやすく、人間が居住する分には快適であることが多い一方、ペット飼育には適していないこともあるので注意しましょう。

 

快適な住環境を手に入れるためには、物件だけでなく周辺環境にも気を配りたいところです。

 

動物病院やペット用品を取り扱っているお店が近くにあれば、万が一のときでも安心なので、気になる物件があれば地図で周辺情報もチェックしましょう。

 

ペット可物件は通常よりも家賃が高くなりやすいので、予算の範囲内で部屋を見つけるためには、ほかの条件を緩めなければならないケースも多いです。

 

そのため、あらかじめ設備や条件の優先順位を明確にして、妥協できる項目をいくつか見つけておくのがコツです。

 

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ペットのしつけ

 

最後に、ペット関連のトラブルを予防するために意識したい基本的なポイントを確認しておきましょう。

 

賃貸物件でペットを飼育するなら、近隣への迷惑を予防するためにも、鳴き声やトイレなどのしつけをきちんと行っておくことが大切です。

 

物件によっては、入居審査の段階でペットの面接を行っているところもあるので、しつけが行き届いているとそうした点でも安心です。

 

ペット関連のトラブルには、ニオイや汚れに関するものもあります。排せつ物の処理が不十分であったり、抜け毛によって配管が詰まってしまったりして、ニオイが部屋にこもってしまうこともあるのです。

 

排せつ物や抜け毛の処理方法については、トイレに流しても問題がないのか、生ごみとして捨てるべきかなど、具体的な方法を確認しておくことが大切です。住まいの自治体ホームページに掲載されているので、あらかじめ調べておきましょう。

  • ペットの騒音トラブルの主な原因には「足音」や「鳴き声」がある
  • 必要に応じて壁や床、窓の防音対策を行い、隙間があればふさいでおく
  • 建物の構造やつくりによる防音性の違いを理解して、内見時にも自分で確かめてみる
  • 防音性以外に意識すべき部屋探しのポイントも押さえておく
  • きちんとしつけを行い、入居マナーを守ってトラブル予防に努めることが重要
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更新日: / 公開日:2022.05.13