同棲のための部屋探しでは、一人暮らしのときと比べて目を向けるべきポイントが多くなります。お互いにとって納得できる物件を見つけるには、内見時のチェックポイントを押さえておくことが大切です。
今回は同棲の部屋探しで意識すべき内見のポイントと、事前に準備すべきことについて解説します。
新婚・同棲にぴったりな物件
同棲の部屋探しで最初に意識すべきポイント

同棲の部屋探しでは、一人暮らしと大きく異なるポイントがあります。ここではまず、同棲の部屋探しにおいて、前提として意識すべき3つのポイントを見ていきましょう。
それぞれの勤務先に合った立地を選ぶ
同棲の住まい選びで、最初に目を向けておきたいのは「立地」です。特に、お互い仕事をしている場合には、それぞれの勤務先までのアクセスを十分に考慮して、どちらにとっても最適なエリアを見つける必要があります。
そのため、まずは立地についてある程度の見当をつけてから、部屋探しを進めるとスムーズです。
同棲可能な物件か確かめる
賃貸物件のなかには、2人での入居が禁止されているところもあります。また「2人入居可」となっていても、親子や兄弟といった家族同士での入居が想定されているケースも少なくありません。
カップルや友人同士の場合、関係の解消によって家賃の支払いなどで、もめてしまうリスクもあるので、2人入居可の物件であっても認められない場合があります。
気になる物件が見つかったら、内見の予約をとる段階で、恋人や友人同士でも住めるのか確認しておきましょう。
部屋探しは必ず二人で進める
同棲の部屋探しはどちらか一方に任せるのではなく、必ず二人で進めましょう。特に、内見は予定を合わせて、一緒に参加することが大切です。
内見は部屋の細かな状況を実際に確かめられる重要な機会であり、お互いが納得できるかどうかを見極めるうえで大切なステップでもあります。ここからは、内見時のチェックポイントを詳しく見ていきましょう。
同棲の部屋探しの内見チェックポイント

内見時のチェックポイントについて、ここでは「全体を通して意識すべき項目」と「箇所ごとに意識すべき項目」に分けて紹介します。
内見全体を通して意識しておくべきポイント
ポイント
- 正確な大きさや広さを測る
- 設備やコンセントの配置を確認
- 動線を意識する
内見時には部屋の状況を見るだけでなく、室内の細かなサイズを採寸することが大切です。
「洗濯機のサイズが合わない」「冷蔵庫や食器棚がキッチンに入りきらない」といったトラブルを避けるためにも、細かく部屋のスペースを測っておきましょう。
また、設備の配置やコンセントの位置も、家具・家電のレイアウトに大きな影響を与えます。特に、キッチンやリビングは家電を数多く設置するスペースなので、コンセントの配置も間取り図に書き込んでおくことが大切です。
内見時には「生活動線」や「家事動線」にも目を向けておく必要があります。特に、水回りの使い勝手は、効率の良い動線を確保できるかによっても異なるので、実際に生活するイメージを膨らませながらチェックしておくといいでしょう。
玄関まわりのチェックポイント
玄関まわりで押さえておきたいのは次のポイントです。
ポイント
- 通路、入り口の広さ
- ドアの間口、立て付け
- シューズボックスの有無・収納量
通路や入り口の広さは「二人で使うのに問題がないか」を確認するとともに、ライフスタイルからも検討しておく必要があります。
たとえば、「趣味で使うアウトドア用品を玄関に置いておきたい」といった場合には、通常よりも広いスペースを確保する必要があります。
ドアの間口・立て付けについては、「使う予定の家具を搬入できるか」を確認することが大切です。
大型のダブルベッドなど、一定以上の大きさの家具を使用する場合には、玄関から使いたいエリア(寝室など)までのルートを正確に採寸しておきましょう。
シューズボックスは、一人暮らしでは必要なかったという人でも、パートナーと相談をしながら、お互いの靴の量に合わせたサイズを検討しましょう。
リビングのチェックポイント
リビングでチェックしたいポイントは以下のとおりです。
ポイント
- 二人でリラックスして過ごせる広さがあるか
- 日当たりや風通しは確保しやすいか
- 収納の数やスペースは十分か
リビングは二人で過ごせるメインのスペースであり、ある程度の広さが必要となります。たとえば「2人用のソファを置けるか」といった観点から、具体的に必要な広さを検討してみるといいでしょう。
日当たりや風通しは、住まいの快適さを左右するポイントです。都心などの住宅密集地では、周囲の建物によって日当たりや風通しが遮られてしまう物件も多いので、内見時に必ず確かめておきましょう。
収納の数やスペースについては、荷物が多いほうの意見を採用するのもひとつの方法です。収納スペースに入りきらなければ、どうしても部屋全体が散らかった印象になってしまうので、なるべく必要十分な量を確保しましょう。
寝室・居室のチェックポイント
寝室や居室については、どのように部屋を使うかによって見るべきポイントが異なります。以下の項目を参考にしながら、目的に応じたポイントを押さえておきましょう。
ポイント
- ダブルベッドが入るか
- 収納タンスを設置できるか
- 周囲の騒音が気にならないか
1つの寝室を二人で使うか、それぞれの寝室を用意するかによって、必要なサイズは異なります。二人で使用するなら、少なくとも「ダブルベッド+収納スペース」は必要となるので、具体的なサイズを測っておきましょう。
水回りのチェックポイント
水回りについては、実際によく使う人の意見を採用するのがコツです。
ポイント
キッチン
- 作業台の高さはちょうどいいか
- 奥まで手が届くか
- 収納量は十分か
- 吊り戸棚などの高い収納場所にも手が届くか
- 冷蔵庫、食器棚、食器洗浄機などをキッチンに設置できるか
- コンロの数は十分か
バス・トイレ
- 必要な設備が整っているか
- 換気性能は十分か
- お手入れはしやすそうか
- 関連用品や掃除用具をしまえるスペースはあるか
水回りで重視すべきポイントは、人によって特に意見が分かれやすいです。内見を行う前にパートナーと相談をして、大切にしたい項目を明確にしておくといいでしょう。
新婚・同棲にぴったりな物件内見時に持っていくと便利なもの

内見は手ぶらで参加することもできますが、用意しておくと便利な持ち物を紹介します。
持ち物 | 使い道 |
|---|---|
図面・間取り図 | ・物件の全体的な状況を把握する ・必要な情報を書き込む |
スマホ | ・動画や写真で記録する ・コンパスで日当たりを確かめる |
メジャー | ・部屋や設備のサイズ、高さを採寸する |
家具寸法メモ | ・持っている家具や家電を設置できるか確認する |
筆記用具 | ・担当者に教えてもらった情報や気づいたことをメモする |
懐中電灯 | ・電気が通っていない物件を内見するときに必要 ・夕方以降に内見をするときにはあると安心 |
ビー玉 | ・築古物件などで部屋の傾きを調べるときに使う ・リップクリームなどの筒状のものでも代用可 |
間取り図や筆記用具は、不動産会社の担当者が用意してくれるのが一般的ですが、現地集合で内見を行う場合には念のため用意しておきましょう。
また、スマホは「記録」「メモ」「懐中電灯」「コンパス」とさまざまな用途で活躍する万能グッズです。持っていくのを忘れるというケースはほとんどありませんが、十分に充電をしておくことを心がけておきましょう。
内見後も二人で情報共有できるようにしておこう

納得のいく部屋探しをするためには、内見後にお互いの考えや意思を確認し合うことが大切です。ここでは、内見後の話し合いをスムーズに進めるうえで意識すべきポイントを見ていきましょう。
内見では動画も撮影しておく
どれだけ事前に準備をしていても、内見で完璧に情報を把握するのは難しいものです。お互いの意見をきちんとすり合わせるためにも、動画を撮影して後から見返せるように準備しましょう。
どちらの家具・家電を使うか決めておく
お互いがもともと一人暮らしをしていた場合、どちらの家具・家電を使うかでもめてしまうケースも少なくありません。部屋の採寸や配置決めなどに影響を与えるので、なるべく内見をする前には決めておきましょう。
なお、家具・家電を処分するのに費用や手間がかかってしまうので、二人で負担を等分できるような配慮も必要です。
点数シートなどを活用するのもひとつ
内見を行う前に重視した項目が明確になっていれば、メモ帳などにまとめて、各項目に点数をつけてみると後から情報を共有しやすくなります。
内見はどうしても個人の印象や感覚に頼りがちになり、いくつか物件を比較したいときには、正しく比べるのが難しい面もあります。
内見を行うタイミングで数値化しておけば、後から話し合いをするときに冷静な振り返りがしやすくなります。
新婚・同棲にぴったりな物件内見後の流れも押さえておこう! 引越し前に準備すべきこと

最後に、内見が終わってから引越しを行うまでにすべきことを簡単に紹介します。
内見から物件契約までの流れ
内見をしたうえでその部屋を気に入れば、「入居申し込み」を行うと「入居審査」に進みます。審査に通れば、初期費用を支払って、引き渡しに向けた準備を進めることとなります。
引越し前に準備すべきこと
引越し前にすべきことには、主に以下の5つの項目があります。
引越し前にすべきこと
- 現在住んでいる物件への退去予告
- 引越し会社の見積もりや選定
- 不用品の処分
- ライフラインの手配
- 転居届の提出
基本的に一人暮らしをする場合と大きく変わりませんが、もともとお互いが一人暮らしをしていたなら「不用品の処分」や「退去手続き」が必要となります。
退去の手続きは「退去予定日の1ヶ月前まで」に行うこととされているのが一般的ですが、物件によって期間が異なるので、必ず賃貸借契約書を確認しましょう。
まとめ
- 同棲の部屋探しは必ず二人で行い、内見前に大家さんに同棲が認められている部屋か確認しておく
- 内見前にどちらの家具や家電を使うか決めて、採寸まで済ませておくとスムーズ
- 内見では部屋や設備の細かな採寸、動線を意識したチェックが大切
- 内見後に二人の意見をすり合わせるために動画を撮影しておくと安心
- 引越しまでに準備すべきことを把握してスケジュールを逆算しよう
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