マンションは駅の近くに立っていることが多く、利便性を求める人に向いているといえます。
しかし、これからマンションに住む予定の人は、どんな間取りのマンションを選ぶべきか、種類の多さに頭を悩ませることもあるでしょう。
そこで今回はマンション選びで失敗しないために、マンションの住みやすい間取りや人気の間取り、物件選びの際のチェックポイントについて解説します。
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マンションの間取りの主な種類

マンションの間取りといっても、1Kや1DK、1LDKなど、さまざまな間取りがあります。
“○DK”のDKとは、ダイニング・キッチンのことで、 “○LDK”のLDKとはリビング・ダイニング・キッチンのことを表しています。
DKとLDKの違いは広さで、居室が1部屋の場合は8畳以上、2部屋の場合は10畳以上がLDK、それよりも狭い場合はDKになります。
居室(寝室)数 | DK | LDK |
|---|---|---|
1部屋 | 4.5畳以上 | 8畳以上 |
2部屋以上 | 6畳以上 | 10畳以上 |
首都圏不動産公正取引協議会「DK及びLDKの最低必要な広さの目安となる基準」
シングルやDINKS向けの物件であれば1LDKや2LDKが主流ですが、ファミリータイプのマンションであれば2LDK~4LDKが多く、都市部などのタワーマンションであれば1LDK~4LDKまで幅広いタイプの物件があります。
ファミリータイプで3LDK以上の広さの間取りになると、上下左右に部屋が割り振られる「田の字型」、バルコニー側の間口が広い横長タイプの「ワイドスパン」、角部屋で居室の独立性が高い「センターイン」などがあります。
部屋数や部屋の配置によって住み心地が異なるため、居住人数やライフスタイルに合わせて間取りを選ぶことがポイントです。
特に人気なマンションの間取りは?

賃貸マンションを探すときにネットなどで“検索条件”を指定しますが、特に人気なのが以下の条件です。
人気条件
- 南向き、角部屋、最上階の部屋
- バスとトイレ別
- ウォークインクローゼット付き
- システムキッチン付き
- 2階以上
- オートロック付き
- モニター付きインターホン、テレビドアホン付き など
一人暮らしの場合は1Rや1K、1DKを検討することがあるかと思いますが、水回りが独立したつくりがいいという人は1Rではなく1K、一人暮らしでも十分なスペースを確保したい人は1DK以上がおすすめです。
また、子どもがいる世帯では、広い玄関や余裕のある収納スペース付きの物件、そのほかにもリビングに和室が隣接したタイプ、料理中でも子どもを見ることができるシステムキッチン付き物件などが人気です。
マンションを探すマンションの住みやすい間取りを選ぶためのチェックポイントとは?

マンションの住みやすい間取りを選ぶためには、以下のポイントについて意識してみましょう。
世帯人数ごとに必要な広さや間取りを確保する
世帯人数 | 単身 | 2人 | 3人 | 4人 | |
|---|---|---|---|---|---|
最低居住面積水準 | 25 | 30 (30) | 40 (35) | 50 (45) | |
誘導居住面積水準 | 都市居住型 | 40 | 55 (55) | 75 (65) | 95 (85) |
一般型 | 55 | 75 (75) | 100 (87.5) | 125 (112.5) | |
( )は3~5歳児が1人いる場合
国土交通省が発表している「住生活基本計画における居住面積水準」によると、一人暮らしであれば最低25平米以上、ゆとりのあるスペースを確保する場合は40~50平米以上が必要とされています。
また、3人家族であれば最低40平米以上、4人家族は50平米以上が必要な広さとなります。25平米というと1Rや1Kに該当し、40平米は1LDKや2DKとなるケースが多いです。
部屋の面積が広くなるとその分家賃も上がりますが、間取りを決める際は世帯人数ごとに必要な広さと部屋数を確保することを意識してみましょう。
階数・住戸の位置
マンションは上下左右に別の世帯が住んでいるため、階数や住戸の位置によって住み心地が異なります。
階数
たとえば、階数であれば1階は外出がしやすく、足音を気にせず暮らせるというメリットがあります。ただし、防犯対策が必要になることや、近隣の建物によっては日が差し込みづらいといったデメリットもあります。
2階以上であれば1階よりも通風や日当たり条件が良くなりますが、騒音などの問題が発生しやすくなります。子どもがいる世帯やペットなどがいる家庭は、防音対策をする必要があるでしょう。
また、最上階は外部からの視線を気にせずに眺望を楽しむことができますが、タワーマンションではエレベーターの待ち時間が気になることがあります。
住戸の位置
階数以外にも、角部屋と中部屋などの住戸の位置によって住みやすさが異なります。
角部屋はプライバシーを保ちやすく、2方面や3方面から通風や採光をとることができますが、外気の影響を受けやすいという特徴があります。そのため、冷暖房効率を考えて外部に接する壁や窓が少ない中部屋を選ぶという人もいます。
日当たり
マンションは住戸の方角によって日当たり条件が変わります。どの方角を選ぶかは、以下の特徴を参考にしてみましょう。
南向き…日照時間が長いため、家で過ごす時間が多い人におすすめ。ただし、夏は日差しが強く、冷房代がかさむケースがある。
東向き…午前中に日が差し込み、午後になると日が入りづらくなる。朝日を浴びて一日をスタートしたい人や、朝方の人におすすめ。
西向き…朝日は差し込まないが、午後になると日当たりが良くなる。夏は西日で室内が暑くなることがあるが、冬は室内が暖かい。夜型の人におすすめ。
北向き…日差しが入りづらいため、洗濯物が乾きにくく、湿気やカビに注意が必要。ただし、フローリングや家具の日焼けが少ない。日中家にいることが少ない人におすすめ。
こだわり条件が反映されている間取りを選ぶ
住みやすい間取りかどうかは、住む人のライフスタイルや居住人数によって異なります。そのため、間取りを考える際は欲しい設備や機能、部屋数は足りるかなど、こだわりたい条件を明確にしておきましょう。
また、物件選びの際は必ず複数の部屋を見て、比較するようにしましょう。マンションによって管理体制や建物の条件が異なりますので、部屋の間取りだけでなく共有スペースも確認することが大切です。
居住スタイル別…マンションの住みやすい間取りを紹介

それでは、マンションの住みやすい間取りを居住スタイルごとに紹介します。
LIFULL HOME’Sに掲載されている物件のなかから、人気条件や部屋の広さ、方角など、おすすめの条件を満たした間取りを中心に紹介します。
一人暮らし

(専有面積:25.83平米、主要採光面:南東、1K)
上記は、関東圏のJR主要駅に隣接したマンションの間取り図です。
一人暮らしの人気条件である、バス・トイレ別、エアコン、オートロック、2階以上の条件を満たしており、水回りと居室が独立した1Kのマンションです。
窓は南東に位置しているため日当たりが良く、一人暮らしに必要な広さ、25平米以上という条件を満たしています。
比較的シンプルな間取りでありながら、独立洗面台やオートロックなどの設備が備わっているため、特に女性の一人暮らしにおすすめの間取りといえるでしょう。
子育て世代

(専有面積:64.97平米、主要採光面:南、2LDK)
上記は“安心して子育てができる住まい”として建てた賃貸マンションの間取り図です。玄関のシューズクローゼットをはじめとし、スペースを有効に使って収納スペースを確保しています。
LDKに隣接した和室は、子ども部屋として活用できる人気の配置です。子どもの様子を見ながら料理をすることができ、各部屋のドアを開け放すことで使いやすい丸い動線になっています。
南向きなので洗濯物が乾きやすく、コンロが3口なのも子育て世帯にはうれしいポイントです。子どもがまだ小さい世帯におすすめの間取りといえるでしょう。
4人家族
4人家族で住むマンションを探す場合は、間取りに迷うかもしれません。4人家族が生活に最低限必要な居住面積は50平米で、間取りでいえば2LDKもしくは3LDKになります。
2LDKであればリビングが広くなりますが、部屋割りは検討しなければいけません。一方、3LDKであれば2LDKよりもリビングは少し狭くなるものの、主寝室+2つの居室を確保できるため、プライバシーも保ちやすくなります。
ここでは夫婦+小学生と中学生の4人家族におすすめの3LDKの間取りを紹介します。

(専有面積:72平米、主要採光面:東、3LDK)
玄関から直接居室へ移動できる部屋は、中学生以上の子ども部屋や夫婦の主寝室など、プライベートスペースを望む人の部屋として活用できます。
他の2つの居室はリビングを介して移動する間取りになっているため、家族が顔を合わせやすいのも魅力です。
また、主要採光面は東向きなので、リビングに朝日が差し込みやすく、通勤・通学などで朝が早い人にはぴったりの間取りです。
玄関からは浴室に直行できるので、帰ってきてすぐ手を洗ったり、お風呂に入ったりすることができます。
ペットと暮らす場合
引越しを機にペットと一緒に暮らしたいという人は、ペット可の物件を探すことになります。
ペットを飼育するうえでは、傷が目立ちやすく原状回復費用がかかりがちな新築や、転落事故の可能性がある高層マンションなどは注意が必要です。また、近所に動物病院があるかどうかもチェックしておくと安心でしょう。
ペットの種類にもよりますが、縄張り意識が高く、温かい場所を好む猫であれば、日当たりが良く、居住空間を分けられる間取りがおすすめです。
また、運動量が豊富な犬であれば、じゅうたんが敷かれた物件を選ぶと関節や骨への負担が軽減できます。フローリングの床は滑りやすいため、コルクマットやカーペットを敷くことを想定して物件をチェックしましょう。

(専有面積:41.7平米、主要採光面:南西、1LDK)
上記の間取りは、ペット可のメゾネットタイプのものです。上下階へ移動できるので、ペット(犬・猫)が室内を自由に動き回ることができ、適度に体を動かすことができます。
専有面積も40平米以上あるため、2人暮らしでも十分快適に暮らすことができます。
マンションを探すまとめ

マンションの住みやすい間取りは、居住人数や住まいに求める条件などによって変わってきます。
これから賃貸マンションを探すという人は、実際に暮らすイメージをしながら間取り図をチェックし、内見時は実際の広さや日当たり条件、必要な設備などの有無をしっかりと確認するようにしましょう。
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