分譲マンションでも、賃貸物件として貸し出されるケースがあります。一般的にグレードが高いとされる分譲マンションを借りることで、生活の質を高めることができるでしょう。一方でトラブルもあり、適切な対応が必要となる場合もあります。
トラブルを未然に防ぐためには、どのようなケースで問題が起こりやすいのかをチェックしておく必要があるでしょう。この記事では、分譲マンションにおける賃貸トラブルとその対処法を解説します。
分譲賃貸物件
賃貸の分譲マンションとは?

分譲マンションの分譲とは、分割譲渡を意味しており、通常は土地や建物を区分して販売することをいいます。従って、本来であれば賃貸借するのではなく、売買するマンションを指します。
そのような分譲マンションを賃貸として借りられる背景には、物件の所有者が転勤などの理由により一時的に住めなくなり、その期間だけ貸し出すというパターンがあるためです。こうした分譲マンションの賃貸物件を「分譲賃貸物件」といいます。
分譲賃貸物件のよさは、分譲マンションのグレードの高い設備や利便性のよい立地を、購入することなく利用できる点にあります。分譲賃貸物件はニーズに比べて数はそれほど出回らないため、普段からこまめに情報収集を行うことが大切です。
分譲賃貸マンションで起こりやすい賃貸トラブル

分譲マンションは一般的な賃貸マンションと比べてグレードが高いのが特徴ですが、一方で注意すべきポイントもあります。どのような点に気をつけるべきか見ていきましょう。
騒音トラブル
防音性に優れた分譲マンションであっても、集合住宅である以上は完璧に防音できるわけではありません。子どもが走り回る音や夜中の洗濯機の音など、生活音にまつわるトラブルは付きものです。
階下に住む入居者との間で音のトラブルが発生していないか、入居前に確認しておきましょう。
駐車場・駐輪場のトラブル
分譲マンションは戸数が多い物件が多いです。世帯数が多いほど車や自転車の出し入れは頻繁になり、駐車スペースが少なければ、他の入居者のスペースに無断駐車が行われるなどのトラブルも起こりやすくなります。
十分な駐車スペースを確保するのは、マンションの管理を行う側の責任ですが、日頃の利用に関しては入居者のマナーが原因となっている部分もあるので注意が必要です。
ゴミ出しのトラブル
ゴミの出し方が悪く異臭を放っていたり、粗大ゴミとして回収が必要なものがそのまま放置されていたりと、ゴミが原因でトラブルとなる場合があります。
世帯数が多いほど誰が出したゴミか分からない場合が多いため、ストレスに感じてしまうこともあるでしょう。
他の入居者とのトラブル
分譲マンションに限らず集合住宅全般にいえることですが、他の入居者とのトラブルにも注意しましょう。たとえば、ベランダで喫煙をする入居者がいれば、煙や灰が近隣に拡散してしまい、トラブルの原因になることがあります。
大規模修繕工事にまつわるトラブル
入居をしてからそれほどたたないうちに、マンションの大規模修繕工事が行われれば、生活環境に悪影響が出る場合があります。外に足場が組まれ、建物全体がネットで覆われてしまえば、景観が損なわれるだけでなく窓を開くだけでもストレスを感じるでしょう。
設備や残存物に関するトラブル
物件の所有者が好意で置いていったものが、かえってトラブルの原因になることがあります。たとえば、照明器具やカーテンなどをそのまま使えるのはありがたい面もありますが、交換や修理は行ってくれないため、トラブルになる恐れがあるでしょう。
ペットの飼育でのトラブル
分譲マンションの所有者がペットを飼っていたからといって、必ずしもそのまま飼えるとは限りません。管理規約ではペットの飼育が禁止されているにもかかわらず、こっそり飼っていたということもあり得ます。ペットを飼育するときは、あらためて管理規約をチェックしないとトラブルになることがあります。
定期借家契約に関するトラブル
賃貸借契約の形態には、普通借家契約と定期借家契約があります。普通借家契約は、契約期間や解約について当事者で自由に取り決められるのが特徴で、借主が希望する限り更新することが原則です。
しかし、分譲賃貸物件の場合では定期借家契約となることがあります。契約期間が決まっており、期限が到来すれば退去しなければならないので注意が必要です。
貸主が再契約を認めれば引き続き住むことは可能ですが、そもそも借主の希望で更新をするものではありません。定期借家契約の場合は、貸主が転勤などの理由により、再びそこに住むことを前提としていると捉えておく必要があります。
分譲賃貸物件各トラブルの対処法

分譲マンションを賃貸物件として借りる場合には、前述のようにさまざまなトラブルが起こる可能性を視野に入れておくことが大事です。
騒音やゴミ出し、駐車場・駐輪場の利用や、他の入居者との間で起こるトラブルについては、マンションの住民自身のマナーの問題でもあるので、事前にどのような住み心地であるかを貸主に確認しておきましょう。
大規模修繕工事やペットの飼育、設備・残存物の取扱い、定期借家契約に関するトラブルは、懸念事項を契約前に確認しておきましょう。事前に書面で重要事項説明書や管理規約などをもらい、チェックしておくと安心です。借主自身が気になることを契約前によく確認することがポイントとなるため、しっかりとコミュニケーションをとって進めていきましょう。
分譲賃貸マンションのメリット・デメリット

分譲賃貸マンションの一般的なメリットは、建物の性能が高く防音性や耐震性に優れていることです。築年数が浅い建物であれば、最新のグレードの高い設備が備わっていることもあります。また、防犯面などでも期待が持てます。
一方で、デメリットとしては、一般的な賃貸マンションと比べて賃料が高めに設定されていることです。物件数そのものが少ないため、見つけるまでに苦労することもあります。分譲賃貸マンションを借りようとするときは、不動産情報ポータルサイトなどを利用してこまめに情報収集を行うといいでしょう。
将来的に分譲マンションの購入を考えている人であれば、まずは分譲賃貸マンションで住み心地を確かめてみるのもおすすめです。実際に住んでみることで暮らしやすさを具体的に把握できるので、自分に合った住まいであるかを判断しやすくなります。
分譲賃貸物件自分に合った住まいを見つけてみよう

分譲賃貸マンションと一口にいっても、物件のあるエリアや仕様によって住み心地は異なります。賃料などを比較しながら、自分のライフスタイルに合った住まいを見つけていくことが大切です。
LIFULL HOME’Sでは、さまざまな条件から絞り込みが行えるので、効率良く物件を探すことができるでしょう。希望に沿った暮らしを手に入れるために、ぜひ活用してみてください。
まとめ
- 分譲マンションは購入だけでなく、賃貸で借りるという方法もある
- 分譲賃貸マンションで起こりやすいトラブルとしては、騒音や他の入居者との関係、大規模修繕工事などが挙げられる
- 各トラブルを適切に対処するには、気になる点をあらかじめ貸主によく確認しておくことが重要
- 分譲賃貸マンションは設備がハイグレードで、防音性・防犯性・耐震性に優れている
- 一方、賃料が比較的高かったり、物件数が少なかったりする傾向がある
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