進学や就職で親元を離れ、一人暮らしをする人が春には多くなります。また、転勤や転職によって、初めて一人暮らしをする人は、季節に関係なくいらっしゃるでしょう。
今回は、これから一人暮らしをする人に向けて、一人暮らしの始め方をステップに分けて解説します。
初めての一人暮らしで必要となるものや、一人暮らしを成功させるポイントについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
一人暮らしにぴったりな物件家賃・賃料7万円以下の物件家賃相場を調べる引越しまでにやること・スケジュール
STEP1:一人暮らしにかかる費用を知る

まずは一番気になる費用について、どのくらいかかるのか知っておきましょう。
一人暮らしを始めるときにかかる費用は、大きく分けて「最初にかかる費用」と「毎月かかる費用」の2つです。
最初にかかる費用
賃貸物件に住む場合、物件の契約費用や引越し代などの初期費用がかかります。また、初めての一人暮らしでは、生活に必要な家具・家電などを購入(またはレンタル)する必要があります。
物件の契約にかかる初期費用
賃貸物件の契約時に必要となる費用の内訳(相場)はこちらです。
- 敷金(家賃1ヶ月~2ヶ月分、0もあり)
- 礼金(家賃1ヶ月~2ヶ月、0もあり)
- 日割り家賃(管理費・共益費含む)
- 翌月分の家賃となる前家賃(家賃1ヶ月分、0もあり)
- 不動産会社に支払う仲介手数料(家賃0.5ヶ月~1ヶ月分+消費税)
- 火災保険料(1万5,000円~2万円)
- 任意で鍵の交換費用(1万円~2万円)
連帯保証人を依頼する人がいない場合、家賃保証会社に依頼するための保証料も必要になります。
保証料の相場は、保証会社やプラン内容、物件によって異なりますが、初回に1万円~3万円の固定の場合、あるいは家賃に加えて管理費や共益費、駐車場代など月額賃料総額の30%~100%の金額となるのが一般的です。
引越し費用
一人暮らしの荷物であれば、単身者パックなどを利用して4万円~8万円ほどで済ませられます。
ただし、荷物の量や引越しをするシーズン、移動距離によって料金は変動しますので、複数社に見積もりを取りましょう。
家具・家電の購入費
初めての一人暮らしでは、家具や家電一式をそろえる必要があります。
具体的にはどのようなものが必要となるのか、後ほど詳しく解説をしますが、家具・家電の購入費としては15万円~23万円くらいを目安に考えておくといいでしょう。
毎月かかる費用
毎月かかる費用とは、いわゆる暮らしのランニングコストのことです。
総務省統計局の「家計調査2022年4~6月期(家計収支編/単身世帯)」によると、1ヶ月間の支出の相場は以下のとおりです。
家賃(相場:物件によって大きく異なる)
毎月かかる家賃の相場は、物件によって大きく異なります。家賃の目安は、一般的に手取り収入の3分の1を上限に考えるといいといわれています。
例
手取り収入 | 家賃の上限目安 |
|---|---|
15万円 | 5万円 |
17万円 | 5万6,000円 |
18万円 | 6万円 |
20万円 | 6万6,000円 |
25万円 | 8万3,000円 |
ただし、人によってライフスタイルは異なるので、家賃以外の生活費にも違いがあります。
毎月の生活費がそれほどかからないのであれば、その分だけ家賃を上げたり、下げて貯金に回したりもできるでしょう。
長く快適に住める物件を見つけるためには、自分のライフスタイルを考慮したうえで、毎月の生活費とのバランスを考える必要があります。
食費(相場:3万8,442円/月)
自炊か外食かによって、食費は大きく変わります。
週末におかずを作り置きして冷凍しておく以外にも、仕事帰りにスーパーの特売時間を狙うなど、それほど無理をしなくてもできる節約方法はあります。
水道光熱費(相場:1万2,346円/月)
水道光熱費の相場をさらに分類すると、電気代6,333円、ガス代3,387円、上下水道代2,106円などとなっています。
一年を通して暮らしに水道は必須ですが、電気代やガス代などは季節によって変動します。使い過ぎていないか、水道光熱費の相場を知っておくことは大切です。
通信費(相場:7,212円/月)
ネット社会となった現在、自宅に固定電話を引かずにスマホやタブレットで用事をこなす人も少なくありません。
パソコンを使う人は、プロバイダー契約が必要です。通信費を節約するには、大手キャリアではなく格安SIM会社を利用することも検討しましょう。
雑費(相場:1万4,605円/月)
美容室に行ったり、日常的に必要なトイレットペーパーや洗剤、シャンプーなどの消耗品を購入したりする費用です。ドラッグストアやネット通販の特売を狙うと節約できます。
STEP2:住む部屋を決める

次は部屋決めですが、物件探しから引越しまでは短くても約1ヶ月程度かかります。
住む部屋を決める流れとポイントを知っておき、時間や手間をできるだけ省いて進めていきましょう。
予算を決める
「毎月かかる費用」でも説明したとおり、生活を維持していくために適切な家賃相場は、収入の3割以下が目安だといわれています。
自身の収入に合わせて、出せる家賃の予算と上限を設定しましょう。
エリアを選ぶ
住むエリアの候補としては、まずは通学・通勤や買い物環境などの立地、治安の良さなどをベースにするとよいでしょう。
最寄り駅からどのくらいの距離なのか、物件の広さや築年数、これだけは欲しいという設備など優先順位を決めておくことも大切です。
LIFULL HOME’Sの家賃相場では、希望のエリアや最寄り駅などの基本情報に、物件の面積や築年数、その他の優先したい条件を組み合わせ、家賃相場を調べることが可能です。
エリアと予算の兼ね合いを決める参考になる検索ツールですので、うまく活用してください。
ネットや不動産会社で部屋を探す
家賃の予算とエリアがおおよそ決まったら、実際に物件探しをしていきます。インターネットの賃貸情報サイトや不動産会社が運営する物件サイトなどを利用しましょう。
一人暮らし向けの物件では、ワンルームや1Kが主流となっています。部屋の広さに加え、特に女性の場合はセキュリティの高さも重視するといいでしょう。
気になる物件が見つかったら、不動産会社へ問合せを行い、アポイントをとります。人気のある物件ほどすぐに入居者が決まってしまいますので、このあたりからスピード感をもって行動するのがおすすめです。
内見をする
不動産会社を訪問し、物件の内見をさせてもらいます。
室内だけでなく、集合ポストが荒れた状態ではないか、遅い時間帯での周辺の明るさや買い物環境などもチェックできると、なお安心です。
契約をする
賃貸借契約までに入居日を決めておき、契約書をよく読んで必要事項を記入し、押印します。
契約書には敷金・礼金などの金額や設備の修繕に関わる事項なども記載されていますので、しっかりと読むようにしましょう。
その後、初期費用を不動産会社の指定する方法で支払います。
一人暮らしにぴったりな物件 家賃・賃料7万円以下の物件 家賃相場を調べる 引越しまでにやること・スケジュールSTEP3:必要なものをそろえる

新居が決まり、賃貸借契約も滞りなく完了したら、一人暮らしに必要となるものの購入や、必要であればインターネットの契約を行いましょう。
一人暮らしに必要なものの相場は、合計で13万円~23万円程度で、内訳は以下のとおりです。
家具(相場:4万5,000円~7万円)
必要な家具は人それぞれですが、一般的に一人暮らしで必要となる家具(相場)としては、以下のようなものが挙げられます。
- ベッドと布団(3万円~4万円)
- テーブル・イス(1万円~2万円)
- 収納ケース(5,000円~1万円)
また、テーブルと兼用できる家具調コタツ(5,000円~1万円)を購入するという手もあります。
家電(相場:7万円~14万5,000円)
一人暮らしで最低限必要だといわれる家電(相場)は、次のとおりです。
- 冷蔵庫(2万円~3万円)
- 洗濯機(2万円~3万円)
- テレビ(2万円~3万円)
- 掃除機(1万円~2万円)
さらに、調理家電として炊飯器(1万円~1万5,000円)や電子レンジ(1万円)も購入しておくとよいでしょう。部屋の照明(5,000円~1万円)も必要です。
引越し当日以降に荷物が到着するように、購入時に搬送の依頼をしましょう。
ただし、物件によっては小さな冷蔵庫や部屋の照明が最初から設置されている場合もありますので、確認してから家電を買うようにすると、無駄な出費を抑えられます。
雑貨類(相場:1万5,000円前後)
その他、生活に必要なのものには、以下のようなものがあります。
- カーテン(5,000円)
- 片手鍋、フライパン、包丁、まな板などの調理器具一式(5,000円)
- 食器類(2,000円)
- 掃除用品(1,000円)
- 浴室や洗濯用品(1,000円~2,000円)
100円ショップで買えるものはそちらでそろえるなどすれば、大きく節約することも可能です。
インターネット環境
自宅のインターネット環境を整えたい人は、申し込みを行う必要があります。
光回線を契約したい場合は工事が必要ですが、賃貸物件では回線を引くことができない場合もありますので、不動産会社に確認してから申し込んでください。
光回線の工事が不可能な物件の場合は、ホームルーターやポケットWi-Fiを検討しましょう。
STEP4:引越しをする

新居での生活環境が整ったら、引越し準備を開始しましょう。ここでは引越し前後でやることをまとめて紹介します。
引越し前にやること
新居への入居日が決まり次第、引越し会社に予約を入れましょう。引越しの2~3週間前には荷物の整理、電気・ガス・水道などライフラインの手続きを始めておくと、時間的に余裕が持てます。
役所への転居届(同市町村内)、転出届(異なる市町村への引越し)などの提出、国民健康保険の資格喪失手続きなども必要です。
郵便局への転居届(自分の分のみ)も提出しておくと、自分宛ての郵便物を新居へ1年間転送してくれるので便利です。
また、引越し先が遠方の場合、新居の鍵の受け渡しは入居日よりも前に、郵送や手渡しで行われることもあるので覚えておきましょう。
引越し後にやること
基本的に、引越し当日は搬出・搬入、鍵の受け渡し、ガス開栓の立ち合いなどがあります。
これらの作業がひととおり済んだら、任意にはなりますが、できれば上下階、左右隣の部屋へ引越しのあいさつをしに行きましょう。
その際は、遅くなりすぎないよう時間帯に気をつけて、化粧箱入りのせっけんなどを持参するとスムーズです。
荷ほどきや片付けがある程度終わったら、役所へ転入届を提出し、携帯電話やクレジットカード、運転免許証、銀行口座などの住所変更をしましょう。
一人暮らしにぴったりな物件 家賃・賃料7万円以下の物件 家賃相場を調べる 引越しまでにやること・スケジュール一人暮らしを成功させる3つのポイント

初めての一人暮らしは楽しみな半面、実際には一人で生活していく責任も伴うことを忘れてはいけません。
ここでは、一人暮らしで困らないようにするためのポイントを3つ紹介します。
家事をできるようにしておく
料理が得意でなくても最近では便利な調理家電もありますし、お弁当やお総菜を購入するという手もあるので心配はいりません。
ただし、卵焼きやカレーなど簡単なものをつくれると、食費の節約になります。
また、一人暮らしなので掃除や洗濯なども自分でやる必要があります。実家にいる間に、少しでも簡単な家事はできるようにしておくと安心です。
貯金をしておく
一人暮らしは何かとお金がかかるものです。初期費用だけでなく、毎月のランニングコストも侮れません。
一人暮らしであれば電気やガスなどの契約容量は少額で済みますが、基本料金は発生します。
食費についても、一人暮らしでは外食やお総菜の購入などが増えがちで、自由な時間が増えるため交際費が増える人も多いかもしれません。
このようなことを見据えて、一人暮らしを始めるからある程度貯金する習慣を身につけておくといいでしょう。
引越し後、部屋の防虫・カビ対策をする
引越し後、できれば当日中には部屋に防虫・カビ対策を行っておくと、生活が始まってからの手入れが楽になります。
浴室には、くん煙タイプのカビ予防剤、玄関ドア・窓には虫が嫌がる忌避剤、畳には突き刺すタイプの忌避剤を施しましょう。
押し入れは湿気がこもりやすく、結露が発生してカビの原因となりますので、常に少し開けておくといいです。
特にカビは、退去時の原状回復で壁紙の総張り替えが発生するなど、敷金が返金されなくなる原因になりやすいので、最初にできるだけ対策を行っておくのがおすすめです。
まとめ

初めての一人暮らしではこんな部屋に住みたい、インテリアはこうしたい、といった希望に満ちあふれるものですが、現実的にはお金もかかりますし、暮らしに責任も出てきます。
まずは出費の予算立て、物件探し、引越し、入居後という流れをつかみ、効率よく一人暮らしが始められるようにシミュレーションしてみましょう。
一人暮らしにぴったりな物件 家賃・賃料7万円以下の物件 家賃相場を調べる 引越しまでにやること・スケジュール更新日: / 公開日:2020.12.17










