そもそもプロパンガスとは？

プロパンガスとは液化石油ガスを原料としたガスであり、プロパンガスには以下の特徴があります。

• 販売店を自由に選べる
• 自宅に届けられたガスボンベからガスが供給される
• 災害が起きても復旧までの期間が短い
• 販売店によって料金差が大きい

一方、都市ガスは天然ガスを原料としたガスです。都市ガスには以下の特徴があります。

• ガス会社ごとの料金差が少ない（プロパンガスより料金は安めに設定されている）
• 地下に埋められたガス管を伝い、各家庭にガスが供給される
• 災害が起きると復旧までに時間がかかる
• 電力会社とセット割引が組める場合がある

プロパンガスも都市ガスも使用感に違いはありませんが、両者は原料・供給方法・熱量などがまったく違います。

 

なかでも、ガスコンロや給湯器などはプロパンガス用と都市ガス用で製品が変わってくるので、購入時は要注意です。たとえば、自宅がプロパンガスなのに都市ガス用のガスコンロを買ってきてしまうと設置することができず、買い直しとなってしまうので、機器購入時には対応しているガスの種類をしっかり確認するようにしてください。

賃貸住宅から引越すときはプロパンガスの解約が必要

供給方法がプロパンガスとなっている賃貸住宅から引越す場合は、ご自身でプロパンガスを解約しなければなりません。万が一、解約を忘れてしまうと、使っていないのに基本料金がいつまでも請求され続けてしまうので、注意をしてください。

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賃貸住宅のプロパンガスを解約する4手順

賃貸住宅のプロパンガスを解約する手順は以下のとおりです。

1. 解約に必要な情報を整理する
2. ガス会社に連絡して、閉栓作業日を決める
3. ガス会社が閉栓作業を行う
4. 解約月のガス代を精算する

ひとつずつ、手続きの方法を詳しく確認していきましょう。

解約に必要な情報を整理する

プロパンガスを解約する際は、以下の情報が必要となります。

• 現住所
• 契約者名
• お客様番号（ガスの検針票に記載）
• 保証金の預かり証（開栓時に保証金を支払っている場合のみ）
• 電話番号(日中に連絡が取れる電話番号)
• 利用停止希望日
• 引越し日
• 引越し先の住所と連絡先

事前にすべての情報をメモにまとめておくと、解約手続きがスムーズに進みます。

ガス会社に連絡して、閉栓作業日を決める

ガスの解約申し込みは、各ガス会社のホームページから申請できます。ただし、ガス会社によってはホームページがない場合もあるので、その場合はガスボンベや検針票などに記入されている電話番号に連絡をしましょう。

 

解約の申し込みは、引越しの2週間～10日前まで、遅くても1週間前までの連絡が必要です。なぜなら、ガスを解約する際、必ず作業員がガス栓を閉めに来なければならないからです。早めに連絡をして閉栓作業日を予約しておかないと、引越しまでに閉栓作業が完了しないこともあるので注意をしてください。

ガス会社が閉栓作業を行う

閉栓作業日を予約した日時になると、ガス会社の作業員がプロパンガスメーターの栓を閉めに来ます。基本的に閉栓作業時の立ち会いは不要ですが、ガスメーターが室内にある場合や、警報器やガスコンロなどの設備を撤去してほしい場合は立ち会いが必要です。

解約月のガス代を精算する

解約月のガス代は、閉栓を行ったタイミングで確定します。料金を支払うタイミングは閉栓作業日に立ち会えたらその場で、立ち会えなかった場合や立ち会い当日にお金が用意できなかった場合には、口座振り込みやカードで支払うことも可能です。

 

ちなみにガスボンベやガスメーターはガス会社の所有物なので、解約をすると基本的に無料で引き取ってくれます。ただし、契約時に交わした契約書に「撤去費用が生じる」と明記されている場合は1～2万円程度の撤去費用を請求されることがあるので、契約内容を事前に確認しておきましょう。

 

また、賃貸住宅の場合、解約と同時に引越しをする場合や解約と同時に都市ガスへ変更となると、現在使用しているガスコンロを処分しなければなりません。ガスコンロの処分費用は実費となるので、自治体の処分方法にしたがい、適切に処分をしましょう。

〈注意〉都市ガスに変更したい場合は、大家さんへの相談が必須

プロパンガスは都市ガスより料金が高くなりがちなので、都市ガスに変更したいと考える人もいるでしょう。しかし賃貸住宅の場合、プロパンガスから都市ガスへ勝手に変えることはできません。なぜなら、どこのガス会社と契約をするかは大家さんや管理会社に決定権があるからです。

 

したがって、プロパンガスから都市ガスに変更したい場合は、まず大家さんや管理会社への相談が必要となります。一戸建ての賃貸住宅に住んでいる場合は大家さんと合意が取れればよいだけなので、許可が得られやすい傾向にあります。ですが賃貸マンションやアパートの場合、プロパンガスから都市ガスに変えるとなると、全室一括で変えなければならないので、許可は下りにくいでしょう。

 

もし都市ガスへの変更を許可された場合は、大家さんや管理会社が手続きなどを行ってくれます。こちら側は基本的にプロパンガスから都市ガスへ変更されるのを待つだけであり、特にすることはありません。

 

ただし、都市ガスを通すためにはガス管を建物まで伸ばす工事が必要となります。ガスの本管が敷地の近くまで伸びている場合は敷地まで誘導管を伸ばすだけなので、1～2日の工事で完了します。

 

しかし、本管が敷地の近くにない場合は本管を設置する工事から始めなければなりません。本管設置工事を行うためには道路管理者へ申請し、工事の許可を得なければならないので、工事がスタートするまでに1～2ヶ月ほどかかってしまうケースもあるのです。

 

よって、大家さんや管理会社から都市ガスへの変更許可が下りたとしても、賃貸住宅の敷地付近に伸びているガス管の状態によってはすぐに開通しないケースもあることを覚えておきましょう。

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大家さんの許可を得やすくする2つの方法

前項でも説明をしたとおり、プロパンガスでガスが供給されている賃貸住宅で都市ガスに変更したい場合は、大家さんから許可を得なければなりません。しかし、都市ガスへの変更は費用も手間もかかるので、ハードルが高いものです。

 

ですが、以下2つの方法を試してみると、大家さんから都市ガスへの変更許可を得やすくなるかもしれません。

• 現在の料金がいかに高いかを伝える
• ほかの入居者と一緒にお願いする

賃貸のプロパンガス物件に住んでおり、ガスの契約形態を都市ガスに変更したいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

現在の料金が、いかに高いかを伝える

まずは、プロパンガスの領収書をもとに、プロパンガスだと毎月のガス代が高いことを大家さんに証明しましょう。

 

ただし、都市ガスとプロパンガスは熱エネルギー（カロリー）が違うので、そのまま比較をしただけでは正確な料金差を出せません。都市ガスとプロパンガスの料金を比較する場合は、都市ガスの利用量に熱エネルギーの差となる「2.18」を掛けると正しい値が出せます。

 

具体的にイメージしやすいよう、東京都の相場を例に、10m3ほどガスを利用した場合の料金差を求めてみましょう。

 

【プロパンガス】
基本料金：1,737円
1m3あたりのガス代：523円

 

【都市ガス（東京ガス）】
基本料金：759円
1m3あたりのガス代：141円

 

【ガス使用量10m3の場合のガス代】

プロパンガス：1,737円+523円×10m3＝6,967円
都市ガス（東京ガス）：759円+10m3×2.18×141円＝3,833円

 

このようにそろえて計算すると、ガス代を安くできることを数字で証明できます。ただ単に「都市ガスに変えてください」といった説明では大家さんも納得できないと思いますが、具体的に数字で差額を見せると考えてくれる可能性もあるので、ぜひ差額を出して説明をしてみてください。

ほかの入居者と一緒にお願いする

アパートやマンションなどの集合住宅に住んでいる場合、1人で変更のお願いに行くのではなく、ほかの入居者と一緒に大家さんへお願いをしてみると変更の許可が下りる可能性が高くなります。

 

集合住宅では外壁塗装や改築などで建物に手を加えたり、インターネットや電気会社などの契約先を変更したりといった大がかりなことをする場合、すべての住民に許可を得なければなりません。そのため、1人で大家さんに都市ガスへの変更をお願いしても、「ほかの入居者さんは何も言っていないのでダメです」と取り合ってもらえないことになってしまうのです。

 

しかし、ほかの入居者からも要望があれば、大家さんも見過ごすことはできなくなります。入居者同士の交流があれば直接相談できますが、あまり交流がない場合には入居者から署名を集めるなどして意見を集約することになります。

まとめ

プロパンガスの賃貸住宅に住んでいる方がプロパンガスを解約するには、以下の手順に沿った手続きが必要です。

1. 大家さんや管理会社に解約の許可をもらう
2. 解約に必要な情報を整理する
3. ガス会社に解約の連絡をし、閉栓作業日を決める
4. 解約月のガス代を精算する

プロパンガスの解約は、解約希望日の2週間～10日前に連絡を入れると、希望日に解約しやすくなります。特に引越しによる解約の場合は、当日までに閉栓作業をしてもらわなければガスを使っていなくても基本料金を閉栓完了まで請求されるので、注意をしてください。

 

ただし、変更の許可が下りた後の作業はすべて大家さんや管理会社が行ってくれるため、こちら側で手続きをする必要はありません。プロパンガスの解約を検討している人は、この記事を参考に手続きを進めてください。

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