賃貸マンションで犬や猫などのペットを飼いたい場合、「ペット可」という条件で部屋を探し、大家さんに飼育許可を得なければなりません。

そこで今回は、「ペット可」の条件付きマンションを探している人へ、その条件の詳しい内容とともに、ペットと暮らせる賃貸物件を探すコツも紹介します。

自分のペットが問題なく、条件に反していないかを確認するための参考にしてください。

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入居者募集

 

近隣の住人とのトラブルを回避するためにも、ペットと賃貸物件に暮らす場合には「ペット相談可」または「ペット可」という条件が付いた物件や、「ペット同居型マンション」を探す必要があります。

 

これら3つの物件には以下のような違いがあり、それらの違いについて事前に知っておくことで、自分の状況に合った物件を探しやすくなります。

 

「ペット相談可」物件とは、基本的にはペットの飼育を想定されていないものの、相談すれば大家さんがペットとの入居を許可するかどうかを都度判断する物件になります。

 

空室対策として「ペット相談可」という条件を後付けした物件の場合もあり、建物のつくりや材質などは通常の物件と同じというケースも。爪とぎやにおいの心配から「小型犬はOK、猫はNG」というケースが多いです。

 

「ペット可」物件とは、大家さんがペット飼育を認めている賃貸物件です。小型犬だけでなく猫の入居も許可されているところが多いですが、大きさや頭数制限があるケースもあります。

 

「ペット同居型マンション」とは「ペット共生型マンション」とも呼ばれており、ペットとの暮らしを前提に設計・建築されたマンションです。

 

ペットの飼育を前提につくられているため、ペットが苦手な入居者はいないことが多く、住人間で理解を得られやすい点がメリットです。

 

専有スペース・共有スペースともにペット専用の設備が備わっているため、賃料は割高な傾向にあります。

飼育可能なペットの種類

 

「ペット可」の賃貸物件で飼育が許可されるペットの種類は、大家さんごとに線引きが異なります。

 

騒音がそれほどないと予想される亀やカメレオンなどの小さな爬虫(はちゅう)類、ハムスター、熱帯魚は基本的にOKというところもあれば、大きさによっては水槽の重量により部屋の床が劣化すると考える大家さんもいます。

 

また、犬は小型犬のみ、猫は1匹までというところもあれば、おとなしければ大型犬もOKという物件もあります。物件情報に「ペット可」と明記されていても、自分のペットが飼育可能なのかどうか、大家さんへ事前に確認することが必要です。

 

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マンションで犬の飼育

 

同じ広さの部屋であっても、ペットがいない場合に比べて、ペットと暮らす部屋では騒音やにおい、壁や床の傷み、ペットの毛による排水口のつまりなどが発生する可能性が高くなります。

 

そのため、家賃や敷金が少々高めに設定されていることが多いでしょう。

 

賃貸物件を退去する際には原状回復の義務があるので、敷金はその費用に充てられます。ハムスターやウサギ、亀、熱帯魚といった小動物の場合は敷金が増額されるケースは少ないでしょう。

 

「ペット同居型マンション」ではなく、「ペット相談可」や「ペット可」の賃貸物件にペットと暮らす場合、他の入居者は必ずしも全員が動物好きというわけではありません。

 

そこで気をつけたいのは、「近隣住人にペットに関する迷惑をかけないこと」です。

 

犬や猫では無駄ぼえや鳴き声、かみ癖、トイレのしつけなどが挙げられます。足音防止にはカーペットやじゅうたんを敷くことで対策できます。

 

さらに犬の場合は、部屋の中の動きのみならず、エレベーターやエントランスなど共用スペースでは抱いて運ぶことも大切です。

 

ペットの騒音による住民トラブルが心配な場合は、初めから「ペット同居型マンション」を選ぶのがベストでしょう。

 

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ペットと暮らす賃貸物件選びのポイント

 

ここでは、ペットと暮らす部屋を選ぶ際の10のポイントを紹介します。

 

飼育可能なペットの種類、サイズ、頭数などが自分の状況と合致しているかどうか、退去時の修繕費用の範囲などについて、契約を完了させる前にしっかり確認しましょう。

 

契約が完了した後に契約書を確認して、希望する内容と異なり「こんなはずではなかった」と後悔しないように注意してください。

 

ペットとの生活を実現するためにも、契約書のペット項目をくまなくチェックすることは重要なポイントです。

 

ペットと一緒に暮らしていると、避けられないのが壁や床へのキズです。特に猫の場合は爪とぎをするので、新築の物件ではキズが目立ちやすくなります。

 

高めに設定された敷金でも不足するような事態にならないためにも、新築の物件は避けたほうがリスクを減らせるでしょう。

 

どんなペットであっても、高層階で窓を開け放し、放置するのは危険です。また、猫であれば自分の身長の5倍ほどの高さまでジャンプすることが可能です。

 

そのため、高層階の開け放たれた窓やベランダから手すりなどを飛び越えて落下してしまうという事故につながる恐れがあります。ペットが猫であれば、できれば1階~3階くらいの部屋を選ぶと安心です。

 

小さい子どもがいる世帯でも同じことがいえますが、浴槽に水がたまっていると、事故につながる可能性が高くなります。ペットと暮らす際にも、このような事故を予防するために、浴室の扉はいつも閉めておくことが重要です。

 

カビ予防の換気は、お風呂の小窓を開けておくか、換気機能をONにすることで対策しましょう。

 

ベランダは、室内に置きたくない生ゴミやペットの汚物ボックスなどを置くことができる、とても便利な屋外スペースです。

 

しかしベランダは、通常は個人使用ができますが、いざというときに避難経路として他の住人にも使用される共用スペースでもあります。

 

そのためベランダを不衛生な状態にしていたり、物であふれさせていたりする入居者がいると、その物件全体のルールが守られていないことが予想されます。

 

ペットと安心・安全に暮らすことができる物件かどうかを確認するためには、ベランダの使用状況をチェックすることも大切です。

 

床の素材を確認

 

犬や猫などのペットと賃貸物件に暮らす場合、足腰への負担や足音対策として、フローリングよりもカーペット敷きやフロアマットなどの床素材のほうがいいでしょう。

 

気に入った物件の床がフローリングの場合は、マットを敷くとペットの爪によるキズ防止にもなります。

 

また、原状回復の際に張り替えが必要となることを考えると、コストは畳のほうがフローリングよりも安く済みます。

 

通常の賃貸の部屋は、壁にクロスが貼られていることが多いです。このクロスと呼ばれる壁紙は、猫の爪とぎ場となる可能性が高く、新築の場合キズが目立ちやすい場所です。

 

ホームセンターなどで売っている「キズ防止シート」を貼れる壁かどうかを確認し、利用してみましょう。和室に多い砂壁は、誤飲が怖い素材でもあり、キズ防止シートを上から貼ることは難しいのであまりおすすめできません。

 

キッチンの火元管理をしっかり行うことは、事故を防止するための重要なポイントです。

 

こちらもペットとの共生だけでなく、小さな子どもがいる世帯にもいえることですが、できるだけコンロにロック機能が付いている物件を選びましょう。

 

ロック機能がない場合は、キッチンスペースに猫が入れないようにする工夫や、猫の嫌がるかんきつ系の香りを置くなどの対策が有効です。

 

ペットの快適な環境を保つために、餌やトイレ砂、トイレシートなどを買える店舗が近くにあるかどうかもチェックしておきましょう。

 

ネットショッピングでも気軽に手に入れることができる世の中ではありますが、「今すぐ必要!」というときにはネットショッピングでは間に合わないこともあります。物件の周辺にドラッグストアやホームセンターがあればベストです。

 

ペットは人間よりも体が小さく、寿命も短いので、できる限り快適な生活を送らせてあげたいものです。

 

元気なときには病院の存在を忘れがちですが、ペットの体調不良は思わぬときにやってきます。そのようなときに慌てないよう、動物病院について調べておきましょう。

 

診療時間や休診日、病院との相性などもあるので、2軒以上は近所で知っておくと安心です。

 

「ペット可」の物件だとしても、近隣への迷惑を予防することは、飼い主としての大切な役割です。近年のペットブームにより、ペットと暮らせる賃貸物件は増えつつありますが、数自体はまだ少ないのが実情です。

 

条件の合う物件に出合えたら、そこからさらに一歩踏み込んで、今回紹介した10のポイントをチェックし、自分のペットが問題なく住めるかどうか判断しましょう。

 

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更新日: / 公開日:2020.06.18