- 会社の住宅手当、今の相場はいくら?
- 厚生労働省の最新調査(2025年)によると、会社から支給される住宅手当の平均額は月1万8,700円で、5年前の調査より900円ほど上がっています。ただし支給額や支給の有無は、企業規模や業種によって差が大きいのが実情です。まずは自分の地域の家賃相場感をつかみたい方は、▶ LIFULL HOME'Sで家賃相場を見てみるのもおすすめです。
- 会社に住宅手当がなくても、公的な支援がある
- 「うちの会社には住宅手当がない」という方でも、あきらめるのはまだ早いかもしれません。収入が減った方向けの「住居確保給付金」や、新婚世帯向けの「結婚新生活支援事業」など、国や自治体が用意している家賃サポート制度は複数あります。それぞれ対象者や条件が異なるため、本文の比較表で自分に当てはまるものがないか確認してみましょう。
- 自分に合う制度を、判断軸で見極める
- 住宅手当や家賃補助には、それぞれ申請条件や支給の上限額があり、「知らずに機会を逃していた」というケースも少なくありません。本文では、見落とされがちな制度の変化や、自分に合った制度を見極めるためのチェックリストを紹介しています。あわせて、家賃そのものが抑えられた住宅というもうひとつの選択肢にも触れています。
毎月の家賃を払うたびに、どこかもやもやした気持ちが残る、そんな感覚、ありませんか。
給料は少しずつ増えているはずなのに、手取りで見ると住居費の重さはあまり変わらない。「なにか使える制度はないのだろうか」とふと検索してみたものの、出てくるのは自分の会社には関係のない話ばかりそんな経験をした方も、きっと多いはずです。
実は、家賃の負担を軽くする方法は、会社の「住宅手当」だけではありません。収入が一時的に減ってしまった人のための公的な給付金や、結婚したばかりの世帯を後押しする補助、地域によっては家賃そのものが抑えられた住宅まで、選択肢は思っている以上に広がっています。
会社の住宅手当の最新相場から、意外と知られていない公的な家賃サポート制度まで、ひとつずつ確認していきましょう。今の家賃のままでいいのか、他に使える制度がないか、読み終える頃には、次に何を調べればいいかが見えているはずです。
家賃補助のある物件(特定優良賃貸住宅)を探すおすすめ特集から賃貸を探す物件を探す
家賃の負担を軽くする方法は、大きく分けて4つある

家賃の手当や補助と聞くと、多くの人がまず思い浮かべるのは、会社から支給される「住宅手当」ではないでしょうか。実際、これまでの関連記事の多くも、住宅手当を中心に紹介してきました。
けれども、家賃の負担を軽くする仕組みを「誰が、どんな理由で用意しているか」という軸で整理してみると、実は住宅手当以外にも、大きく分けて4つの入り口があることが見えてきます。
「手当」と「補助」は誰が出すかで分かれる
ひとつ目は、勤務先の企業が福利厚生として支給する「住宅手当」。ふたつ目は、離職や収入減少で生活が苦しくなったときに使える、国の制度に基づく「住居確保給付金」。みっつ目は、結婚したばかりの世帯を対象にした「結婚新生活支援事業」のような、ライフイベントに連動する補助。そして4つ目が、家賃そのものがあらかじめ抑えられた「地域優良賃貸住宅」のような住まい選びの選択肢です。
前者2つは「お金を受け取る」タイプの支援、後者2つは「条件に合う住まいを選ぶ」タイプの支援、と言い換えることもできます。どちらが自分に合っているかは、今の状況によって変わってきます。
まずは自分がどの入り口に当てはまるか確認しよう
たとえば、正社員として働いていて会社に制度があるなら住宅手当が第一候補になりますし、直近で離職や収入減少を経験しているなら住居確保給付金の対象になる可能性があります。婚姻を控えている、あるいは婚姻して間もない世帯なら、結婚新生活支援事業を実施している自治体かどうかを確認する価値があるでしょう。以下では、それぞれの制度についてもう少し詳しく見ていきます。
会社からもらえる「住宅手当」2025年の最新相場は?
住宅手当の平均支給額は月1万8,700円
住宅手当とは、企業が福利厚生の一環として、従業員の住居費の一部を補助する制度です。給与に上乗せして支給されるのが一般的な形で、法律で義務付けられたものではないため、支給するかどうか、いくら支給するかは会社ごとの判断に委ねられています。
厚生労働省が実施した「令和7(2025)年就労条件総合調査」によると、住宅手当を支給している企業の割合は45.7%で、支給された労働者1人あたりの平均額は月1万8,700円でした。5年前の令和2年調査(1万7,800円)と比べると、900円ほど上昇しています(出典:厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査 結果の概況」)。
なお、この調査で住宅手当を含む「諸手当」が調べられたのは5年ぶりとのことで、令和3〜6年の調査では公表されていませんでした。次に更新されるまでにも、しばらく時間が空く可能性があります。
企業規模によって、支給額にも差がある
同調査を企業規模別に見ると、従業員1,000人以上の企業では平均2万1,100円である一方、300〜999人規模では1万8,500円、100〜299人規模では1万6,400円という結果でした。
ここまでは企業規模が大きいほど支給額も高くなる傾向が見られますが、興味深いことに30〜99人規模の企業では1万7,500円と、ひとつ上の100〜299人規模を上回っています(出典:同上)。
「企業規模が大きいほど手当も手厚い」と単純に考えるのではなく、業種や地域による違いも含めて確認しておくと安心です。
支給条件と、引っ越し後に確認しておきたいこと
住宅手当の支給条件は企業によってさまざまですが、多くの場合「賃貸または持ち家であること(実家暮らしは対象外)」「世帯主または契約者本人であること」「勤務地から一定の距離内に住んでいること」といった基準が設けられています。
とくに注意したいのが、引っ越し後の取り扱いです。申請時点では住宅手当の対象だった住まいでも、転居先が会社の定める条件から外れると、手当が減額されたり、支給自体がなくなったりすることがあります。引っ越しを検討している方は、新居を決める前に一度、社内規定を確認しておくと安心です。
また、住宅手当は給与の一部として扱われるため、所得税・住民税や社会保険料の算定に影響する点も覚えておきましょう。
支給方法も一様ではありません。「家賃の半分まで」「上限〇万円まで」といった定額・上限型のほか、「〇〇歳まで、かつ独身の場合は月〇万円」のように年齢や家族構成で金額を分ける企業、「勤務先から〇km以内」と居住エリアを条件にする企業もあります。転職活動中の方は、求人票の「住宅手当あり」という表記だけで判断せず、面接や内定後の条件確認の段階で、具体的な支給額や条件まで聞いておくと、入社後のミスマッチを防げます。
会社に住宅手当がない人こそ知ってほしい、公的な家賃サポート

会社に住宅手当の制度がない、あるいは条件に当てはまらない。そんな方に知っておいてほしいのが、国や自治体が用意している公的な家賃サポート制度です。誰でも使えるわけではありませんが、状況によっては会社の住宅手当よりも心強い支えになることがあります。
収入が減ったときの「住居確保給付金」
離職や、やむを得ない事情による収入減少で家賃の支払いが難しくなった方を対象にした制度が「住居確保給付金」です。生活困窮者自立支援法に基づく制度で、離職・廃業後2年以内の方や、責任のない事情で収入が離職と同程度まで減った方などが対象になります。
支給されるのは家賃相当額そのもので、市区町村ごとに定められた上限額を超えない範囲で、原則3か月間(延長により最長9か月間)、自治体から住宅の貸主へ直接支払われる仕組みです(出典:厚生労働省「住居確保給付金相談コールセンターを設置します」)。
上限額は、生活保護制度の住宅扶助基準額をもとに市区町村ごとに設定されているため、住んでいる地域によって金額が異なります。2025年4月には、より家賃の安い住まいへ転居する費用を補助する「転居費用補助」も新たに設けられ、こちらは求職活動が要件にならないため、高齢の方や病気で働くことが難しい方でも利用しやすくなっています。窓口は、お住まいの市区町村の自立相談支援機関です。「自分が対象になるかわからない」という段階でも、まずは相談してみることをおすすめします。
新婚世帯を後押しする「結婚新生活支援事業」
結婚を機に新生活を始める世帯を対象にした「結婚新生活支援事業」も、意外と知られていない制度のひとつです。こども家庭庁の交付金を活用し、市区町村が主体となって実施しているもので、実施の有無や条件は自治体によって異なります。
一般的な基準では、婚姻日における夫婦の年齢がともに39歳以下で、世帯所得が500万円未満であることなどが対象要件とされ、住居の賃借費用や引っ越し費用などが補助の対象になります。補助上限額は、夫婦がともに29歳以下の世帯で60万円、それ以外の世帯で30万円とする自治体が多く見られます(出典:新潟県「結婚新生活支援連携推進補助金について」)。
ただし、この事業を実施していない市区町村もあるため、婚姻を控えている方は、住民票を置く予定の自治体のホームページで実施状況を確認してみてください。
意外と知られていない落とし穴—「特定優良賃貸住宅」は今どうなっている?
住宅手当以外の公的支援というと、「特定優良賃貸住宅」を思い浮かべる方もいるかもしれません。中堅所得者向けに、家賃の一部が補助される良質な賃貸住宅として知られてきた制度ですが、実はここに、見落とされがちな落とし穴があります。
制度は「地域優良賃貸住宅」に姿を変えつつある
特定優良賃貸住宅は平成5年制定の法律に基づく制度ですが、平成19年(2007年)に国土交通省が「地域優良賃貸住宅制度」を創設して以降、多くの自治体で新規の補助対象がこちらに切り替わっています。たとえば島根県では、従来の特定優良賃貸住宅制度を通じた建設費補助について「現在は、新規の補助申請を受け付けていません」としており、地域優良賃貸住宅制度への移行が明記されています(出典:島根県「特定優良賃貸住宅」)。
つまり、「特定優良賃貸住宅」という名前だけで検索すると、お住まいの地域によっては新しい物件が見つかりにくくなっている可能性があるのです。一方で、地域優良賃貸住宅制度は子育て世帯・高齢者世帯・障害者世帯などを対象に、現在も全国で供給が続けられています。
地域優良賃貸住宅で物件を探すときのポイント
地域優良賃貸住宅は、入居者の所得に応じて家賃が減額される仕組みが基本で、対象となる世帯像は自治体ごとの供給計画によって異なります。子育て世帯向け、高齢者向けなど、住宅によってタイプが分かれていることも多いため、まずは都道府県や市区町村の住宅担当窓口、または住宅供給公社のページで、近隣にどんな住宅があるかを確認してみるとよいでしょう。
「特優賃」という名前にこだわらず、「地域優良賃貸住宅」もあわせて検索してみることが、選択肢を狭めないコツです。気になる方向けに、▶ LIFULL HOME’Sで家賃補助のある物件を眺めてみるのも一案です。
後悔しないための判断軸—自分に合った制度の選び方

ここまで紹介してきた制度は、対象者も申請先もそれぞれ異なります。最後に、自分がどれに当てはまりそうかを判断するための材料として、比較表とチェックリストを用意しました。
制度早見表で全体像をつかむ
| 制度名 | 主な対象者 | もらえるもの | 目安となる金額 | 主な相談・申請先 |
|---|---|---|---|---|
| 住宅手当(企業) | 制度のある会社の従業員 | 給与に上乗せされる手当 | 平均月1万8,700円(企業規模で変動) | 勤務先の人事・総務担当 |
| 住居確保給付金 | 離職・収入減少で家賃の支払いが困難な人 | 家賃相当額(原則3か月、最長9か月) | 家賃額と自治体の上限額の低い方 | 市区町村の自立相談支援機関 |
| 結婚新生活支援事業 | 婚姻日に夫婦とも39歳以下など(実施自治体のみ) | 住居費・引っ越し費用等の補助 | 上限30万〜60万円(自治体・年齢で変動) | 居住予定の市区町村窓口 |
| 地域優良賃貸住宅 | 子育て・高齢者・障害者世帯等 | 家賃が抑えられた住宅そのもの | 所得に応じて家賃を減額 | 都道府県・市区町村の住宅担当課 |
チェックリストで自分に当てはまるか確認する
- 今の会社に住宅手当や社宅制度があるか、就業規則できちんと確認したことがない
- ここ2年以内に離職・転職、または収入が大きく減った経験がある
- 婚姻日から2年以内、かつ夫婦とも39歳以下である
- 子育て中、あるいは高齢の家族・障害のある家族と暮らしている
- 今の家賃が、周辺の相場と比べて明らかに高いと感じている
ひとつでも当てはまるものがあれば、それに対応する制度の窓口に、一度問い合わせてみる価値があります。
複数の制度は併用できる?
「住宅手当と住居確保給付金は同時にもらえるの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。基本的に、企業の住宅手当と公的な家賃補助は、目的も財源も異なるため、条件さえ満たせば併用できるケースが多いのが実情です。ただし、住居確保給付金のように収入要件がある制度では、住宅手当を含めた世帯収入で判定されるため、結果的に対象外になることもあります。正確な判定は制度ごとの窓口でしか分からないため、「もしかしたら使えるかも」と思った段階で、早めに確認しておくことをおすすめします。
また、結婚新生活支援事業と地域優良賃貸住宅のように、片方が「引っ越し前の一時金」、もう片方が「入居後も続く家賃の減額」という性質の違いから、そもそも比較対象にならない組み合わせもあります。「制度Aがダメだったから終わり」ではなく、性質の異なる制度を組み合わせて検討する視点を持っておくと、見落としを減らせます。
まとめと次のステップ
家賃の負担を軽くする方法は、会社の住宅手当だけではありません。収入が変わったとき、結婚を機に新生活を始めるとき、あるいは家族の状況が変わったとき、それぞれの場面に合わせて、使える公的制度が用意されています。
一方で、こうした制度の多くは「申請しなければもらえない」ものばかりです。今の家賃を払い続けることに、とくに不満がないとしても、知らないまま数年を過ごすのと、制度を確認したうえで今の住まいを選び続けるのとでは、家計への影響が変わってくるかもしれません。
まずは気負わず、今の家賃と同じくらいの価格帯で、他にどんな物件があるのか眺めてみることから始めてみませんか。
よくある質問
Q1. 住宅手当と家賃補助は、同じものですか?
A. 会社によって呼び方が異なり、同じ意味で使われることも多い言葉です。ただし細かく見ると、「住宅手当」は給与に上乗せして現金で支給され課税対象になるのに対し、「家賃補助」という言葉は、会社が契約した物件を安く貸し出す「借り上げ社宅」のような形態を含んで使われることもあります。求人票や社内規定を確認する際は、支給方法まで見ておくと安心です。
Q2. 一人暮らしでも住宅手当はもらえますか?
A. 制度がある会社であれば、一人暮らしでも対象になるのが一般的です。ただし「実家暮らしは対象外」「世帯主または契約者本人であること」といった条件が設けられている企業が多いため、一人暮らしであること自体が不利になることは基本的にありません。まずは社内規定で対象要件を確認してみましょう。
Q3. 住居確保給付金は、正社員でなくても使えますか?
A. 雇用形態そのものより、離職や収入減少の状況が要件になる制度です。正社員・非正規を問わず、対象要件を満たせば申請できます。2025年に新設された転居費用補助については、求職活動が要件になっていないため、高齢の方や病気で働くことが難しい方でも利用しやすくなっています。
Q4. 会社に住宅手当がない場合、まず何をすればいいですか?
A. 離職や収入減少の心当たりがあるなら、お住まいの市区町村の自立相談支援機関に相談してみましょう。結婚を控えている、あるいは子育て・介護中であれば、自治体の窓口で結婚新生活支援事業や地域優良賃貸住宅の実施状況を確認するのもおすすめです。あわせて、今の家賃が適正かどうか、周辺の相場を確認しておくと判断材料が増えます。
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更新日: / 公開日:2019.12.20










