保証人は契約者本人への請求を求めることができる
賃貸契約の保証人は、催告の抗弁権と検索の抗弁権を行使することで、まずは契約者本人への請求や財産からの回収を求めることができます。
詳しくは、「主債務者が家賃滞納をした場合、保証人は請求を断れる?」をご覧ください。
連帯保証人は主債務者と同等の責任を負う
連帯保証人には一切の抗弁権がないため、契約者本人にどれほど支払い能力や財産が残されていても、オーナーから届いた家賃の請求を一切拒否できません。
詳しくは、「“連帯保証人”と“保証人”の違いとは?知っておくべき重い責任」をご覧ください。
契約時にはどちらの保証契約か必ず確認する
現在は家賃保証会社を利用する物件が増えていますが、連帯保証人を求められるケースもあります。署名前に保証契約の内容を必ず確認しましょう。
詳しくは、「保証契約時は必ず“保証人”か“連帯保証人”かの確認を」をご覧ください。

家族や友人が賃貸物件の契約をする際に、“保証人としてサインをしてほしい”と求められることがあります。書面にサインをするだけで簡単に保証人になれますが、契約者が家賃を滞納した場合には、保証人や連帯保証人に支払いを求められることがあります。

 

現在の賃貸契約では、家賃保証会社の利用が一般的ですが、連帯保証人を求められるケースもあります。本記事では「保証人」と「連帯保証人」の違いや、家賃滞納時の責任について解説します。

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まずは保証人の法的な定義について分かりやすく整理しておきましょう。

 

賃貸借契約において、お部屋を借りて家賃を支払う義務を負う本人のことを「主債務者(賃借人)」と呼びます。

 

この主債務者が家賃の支払いを怠るなど、定められた債務を行わなかった場合に、主債務者の代わりに債務を履行する義務を負担することを「保証契約」といい、この義務を負う人のことを「保証人」といいます。

 

保証人は、借り手本人が家賃などの債務を履行しない場合に備えて、オーナーに対して支払いを保証する役割を担っています。

主債務者(賃借人)が家賃滞納をした場合、オーナー(または請求業務を委託された管理会社)から請求があった時点で、保証人はただちに滞納分の家賃を代わりに支払わなくてはいけないのでしょうか。

 

結論から申し上げますと、通常の「保証人」であれば、法律上認められている「催告の抗弁権(さいこくのこうべんけん)」と「検索の抗弁権(けんさくのこうべんけん)」という2つの権利を行使することで、オーナーからの家賃滞納請求を一時的に断ることが可能です。

 

それぞれの権利について詳しくみていきましょう。

催告の抗弁権(民法第452条)とは、家賃滞納が発覚してオーナー側から保証人に直接請求が届いた際、「まずは先に、お金を借りている契約者(主債務者)本人に家賃を請求してください」と要求できる権利です。

 

家賃を請求する側である賃貸物件のオーナー(または請求業務を委託された管理会社)は、まず主債務者へ請求せずに保証人へ請求することはできません。

 

もし保証人に最初から請求が届いた場合、保証人はこの催告の抗弁権を主張することで、請求を契約者本人へと差し戻すことができます。

検索の抗弁権(民法第453条)とは、主債務者への請求が行われた後であっても、保証人が「まずは契約者本人が所有している財産から返済に充てるよう求めてください」と主張できる権利です。

 

家賃滞納をしている契約者に十分な預貯金がある、あるいは処分可能な財産(車や不動産など)を所有しており、保証人が、主債務者に容易に強制執行できる財産があることを証明した場合には、債権者はその財産から回収を図ることになります。

 

保証人は、契約者本人に支払い能力があることを証明できれば、自身への家賃請求を拒否することができます。

保証人が持つこれら2つの強力な抗弁権によって、家賃滞納が発生したとしても、まずは契約者本人にしっかり支払わせることが可能です。

 

契約者本人に家賃を返済できるだけの財産がある場合は、保証人が代わりに支払う必要はありません。

 

ただし、これらの権利は「主債務者に支払い能力があること、かつその執行が容易であること」を保証人側が証明・立証できた場合に限られます。

 

契約者本人に本当に全く財産がなく、支払い能力を失っている(十分な資力や差し押さえ可能な財産がない場合)と見なされた場合には、抗弁権を主張しても通らないため、保証契約の範囲内で、滞納家賃などを支払う義務を負うことがあります。

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賃貸契約の手続きを進める際、よく耳にするのが「連帯保証人」という言葉です。保証人と連帯保証人は実務で混同されがちですが、法的な性質と責任の重さは大きく異なります。

 

連帯保証人とは、主債務者と同じ範囲で債務を負う人を指します。家賃未納などのトラブルが発生した際、連帯保証人には極めて重い義務が課されます。後々の深刻な金銭トラブルを防ぐためにも、その決定的な違いを理解しておきましょう。

通常の「保証人」とは異なり、連帯保証人には「催告の抗弁権」および「検索の抗弁権」が一切ありません(民法第454条)。

 

そのため、契約者(主債務者)が家賃滞納を起こし、オーナーや管理会社から連帯保証人に家賃の支払いを請求された場合、たとえ「契約者本人にまだ預金口座があるはずだ」「まずは本人に連絡してくれ」と主張したくても、法的に請求を断ることが一切できません。

 

たとえ契約者本人に十分な支払い能力や余剰財産が残されていたとしても、連帯保証人はただちに請求された滞納家賃を全額支払わなければいけません。

 

なお、個人が連帯保証人となる賃貸借契約などの根保証契約では、2020年4月施行の民法改正により、「極度額(保証する金額の上限)」を定めることが義務付けられています。極度額の定めがない場合、その保証契約は無効となります。

連帯保証人がカバーすべき範囲は、毎月の家賃(共益費・管理費含む)の滞納分だけに留まりません。以下のような様々な付帯費用や損害金についても支払いの対象となります。

  • 損害賠償金・違約金:賃貸借契約が解除された後も部屋を明け渡さない場合、実際に退去するまでの期間に契約内容に応じた損害賠償金が発生することがあり、これも連帯保証人へ請求されます。
  • 原状回復費用:退去時のクリーニング費用や、室内の汚損・破損箇所の修繕費用を契約者本人が支払えない場合、保証契約の範囲内で、連帯保証人にも請求されることがあります。

なお、毎月の電気代・水道代・ガス代などの公共料金については、電力会社やガス会社と契約者本人が個別に直接契約しているケースが多いため、賃貸の連帯保証人に直接請求が及ぶことは一般的ではありません。

 

ただし、管理費の中に水道光熱費が含まれて請求されるような特殊な契約形態の場合は同様に請求対象となるため注意が必要です。

家賃滞納リスクをめぐり、通常の「保証人」であれば抗弁権を用いて請求を断れる余地がありますが、「連帯保証人」として署名・捺印をしてしまった場合は一切の拒否ができず、非常に重い金銭的・精神的リスクを背負うことになります。

 

現在の一般的なアパートやマンションの賃貸物件の多くは、オーナー側の「家賃の回収漏れを防ぎたい」という強い意図から、家賃保証会社の利用を必須とする物件が増えており、連帯保証人を求められるケースは以前より少なくなっています。

 

保証を引き受ける書類に署名する際は、自分が「保証人(抗弁権がある)」と「連帯保証人(抗弁権がない)」のどちらとして契約を結ぼうとしているのか、書面の「契約条項」を必ずご自身の目でしっかりと確認してから行うようにしましょう。

 

また、昨今では「親族や友人に高額な金銭的負担がかかる連帯保証人を頼みづらい」という理由から、保証人を立てずに入居できる物件を選ぶ方も増えています。

 

保証会社を利用できる物件や保証人不要のお部屋を探している場合は、以下のリンクより豊富なラインナップをぜひチェックしてみてください。

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A.1 はい、通常の保証人であれば「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」を行使できます。

 

オーナーから請求された際、まずは契約者本人に請求するよう求めたり、契約者本人に返済可能な財産があることを立証して本人からの回収を促したりすることで、一時的に支払いを断ることが可能です。

A.2 最大の違いは「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」があるかどうかです。

 

連帯保証人にはこれらの抗弁権が一切ないため、契約者本人にどれだけ潤沢な財産や支払い能力があったとしても、オーナーからの請求を法的に拒否することができず、即座に支払う義務を負います。

A.3 契約者・保証人(連帯保証人)ともに請求を無視し続けた場合、最悪のケースとして預貯金や給与などの所有財産を強制的に差し押さえられる「強制執行」の手続きが進められます。

 

また、主債務者に対しては物件からの強制立ち退き(明け渡しを求める訴訟)に発展することがあります。

A.4 はい、賃貸借契約に基づく債務で保証の対象となっている場合は、家賃だけでなく共益費や原状回復費用なども請求されることがあります。

 

更新日: / 公開日:2019.12.05