「派遣社員として働いているけど、引越しのこと、家賃のことを考えると一人暮らしはできる?」
「家賃は毎月の給料の何割ぐらいが適正なのか?」。実家暮らしから、一人暮らしをしようと考えているものの、費用面からなかなか踏み切れない派遣社員の方も多いといわれています。
今回は、派遣社員の方が一人暮らしをスタートさせる際の家賃の目安や、物件選びのコツ、引越しなど入居前後に必要な費用についてご紹介します。
一人暮らしにぴったりな物件家賃相場を調べる
派遣社員の一人暮らし、家賃はいくらぐらいが適切?

◆給料にばらつきが出やすい派遣社員の家賃は「収入の25%」を目安に
さて、初めての一人暮らし。夢は膨らみますが、すぐに「今の給料で一体いくらぐらいの家賃の物件に住めるのか?」という現実問題に直面します。賃貸の場合、収入が右肩上がりで増えていった時代は、「家賃は収入の約3割」というのが相場でした。しかし、最近は給料が思うように上がらないケースも少なくなく「収入の25%」が望ましいといわれています。
派遣社員の場合は、勤務日数によって収入にばらつきが出ることもあるので、収入が増減しても、家賃や光熱費、食費など生活に必要なお金が不足しないように、「収入の25%」より余裕を持たせた家賃を考えることも必要です。もちろん、万一に備えて貯金もある程度あれば安心です。
東京・愛知・大阪圏の平均時給から計算した家賃は約5万8,000円

それでは、一般社団法人日本人材派遣協会が行った「派遣社員WEBアンケート調査」を基に、派遣社員の家賃をシミュレーションしてみましょう。この調査は、派遣で就業中の方と、過去3年未満に派遣で働いていた方6,259人を対象に実施したものです。調査結果によると、東京都・愛知県・大阪府の2018年の平均時給額は1,555円。今回は、この時給額を基に計算してみます。
1日7.5時間、月に20日働くとすると、月の収入は1,555円×7.5時間×20日=23万3,250円になります。家賃の上限を「収入の25%」とすると、約5万8,000円の家賃が1つの目安ということになります。
なお、収入から、税金や社会保険で約2~3割(住民税や前年の所得などによって異なる)が控除されると、手取り額は16万円~18万円くらいになると考えられます。
一人暮らしにぴったりな物件 家賃・賃料6万円以下の快適物件
物件を選ぶ際のポイントと注意点
おおよその家賃が計算できたところで、次は物件探しになります。せっかく目安となる家賃を計算したのですから、部屋を選ぶ際の費用もできるだけ抑えたいところです。また、物件探しでは、注意すべき点も少なくありません。ここでは、物件を選ぶ際のポイントと、注意点をまとめてみます。
◆費用を抑えるポイント
物件探しの段階での費用を抑えるポイントは、以下のようになります。
・敷金・礼金ゼロの物件を探す
・入居後に、一定の期間家賃が無料になるフリーレントの物件を探す
・仲介手数料の安い物件を探す
・家財道具をそろえるお金と手間が節約できる家具・家電付き物件を探す
これらに留意すれば、費用を低く抑えることが可能です。ただし、家具・家電付き物件の場合は、その分家賃がやや高い傾向もあるので、ランニングコストである家賃とのバランスを考える必要もあるでしょう。
◆注意点

・できるだけ勤務地の近くで部屋を探す
派遣契約の場合「交通費は自費」ということも多くあります。勤務地からあまり遠くない場所で部屋を探すことで、引越してからの交通費を節約できます。
・定期借家の物件のメリットとデメリットを考える
定期借家には、契約期間が終了したら原則として更新できないというデメリットがあります。半面、礼金や敷金が必要ない、家賃が周辺の相場に比べて安いといったメリットを持つ物件もあります。
・派遣元や派遣先に確認がいくことも
入居審査や契約の際に、派遣会社や派遣先の会社に確認が入る可能性があります。引越しを予定していることを周囲にあらかじめ伝えておくのがいいでしょう。
敷金礼金0(ゼロ・なし)物件 定期借家物件 家具付き・家電付きの物件 フリーレント物件
引越しにかかる費用はどのくらい?
物件が決まれば、次は引越しの準備に入りますが、実際にはどのくらいの費用が必要になるのでしょうか。項目別に見ていくことにしましょう。
◆賃貸契約に必要な費用
| 前家賃 | 前家賃は1ケ月が一般的ですが、入居日によっては家賃を日割り計算した金額となります |
|---|---|
| 敷金 | 部屋を退去するときの原状回復費用を契約時に支払います。家賃の1~2ケ月分が一般的です |
| 礼金 | 貸主への謝礼。関東では1~2ケ月分が一般的ですが、関西は礼金がなく、その分敷金が高額です |
| 仲介手数料 | 賃貸物件を仲介する不動産会社に支払う手数料です |
| 保証料 | 賃貸物件を借りる際に保証人ではなく、保証会社を利用するケースが増えています。この費用は家賃の半額が一般的です |
| その他 | 火災保険、クリーニング費用、鍵交換費、害虫駆除代などのほか、駐車場が必要な場合は敷金などの費用が発生します |
これらを計算すると、契約時に必要な初期費用の相場は家賃の4.5~5ケ月分になります。
◆生活用品の買い替え費用
引越し先では、サイズや形が合わなくて家具や家電、カーテンなどの買い替え費用が発生する場合もあります。ガスコンロも都市ガスかプロパンガスかによって使用する機器が違いますので、引越し前にしっかり確認して無駄な出費は抑えるようにしましょう。
◆引越し費用
引越し代金は、もとの住まいと引越し先との距離、運ぶ荷物の量、引越しをする時期、サービス内容などによって異なります。引越し会社によって算定方法が違うので必ず複数の見積もりを取って比較検討しましょう。

引越し料金の見積もりをする
引越し後にかかる費用もあるので注意が必要
引越し後の費用としては、更新料があります。更新料は賃貸契約を更新するときに入居者から大家さんに支払われるお金です。賃貸住宅の場合、2年程度で契約の更新時期を迎えるケースが多く、関東の場合は2年おきで、家賃の1ケ月分が相場です。さらに、契約条件によっては物件の管理会社に払う更新手数料(賃料の半額程度)と、火災保険の更新も必要です。家賃保証会社を利用して契約した場合は1~2年ごとに更新料の支払いが必要になる場合がありますので、あらかじめ確認しておきましょう。
派遣社員の一人暮らしはポイントを押さえ、賢くスタート
派遣社員が一人暮らしをスタートする際の家賃、物件選び、契約前後にかかるお金のことなどを紹介してきました。
大切なのはしっかりと契約内容を確認・理解し、どんなときに、どのぐらい費用がかかるのかをあらかじめ知っておくことです。分からないことがあったら積極的に不動産会社の窓口で質問しましょう。
一人暮らしにぴったりな物件
更新日: / 公開日:2019.02.28










