賃貸物件を探していると、通常の部屋とはつくりが異なるメゾネットタイプの物件を見かけることがあります。
「フロアが分かれている方が住みやすい」「ほかとは違った間取りに憧れる」といった人は、メゾネットタイプの物件を検討してみるのもいいでしょう。
この記事では、メゾネットの基本的な特徴と部屋選びで意識したいポイントについて解説します。
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メゾネットってどんな間取り?

まずは、メゾネットの基本的な特徴と、その他の物件との違いを見ていきましょう。
メゾネットの基本的な特徴
メゾネットとは、アパートやマンションなどの集合住宅でありながら、住居の内部に階段があって2フロア以上の生活スペースがある物件を指します。
一戸建てのように、物理的に生活スペースが分けられる点から、通常の賃貸物件とは異なる特徴を持っています。
メゾネットと一戸建ての違い
メゾネットと一戸建ての違いは、隣家からの距離が離れているかどうかにあります。メゾネットはあくまでも集合住宅なので、隣の部屋とは壁でつながっていますが、一戸建ての場合は独立しています。
そのため、一戸建ての方が「騒音を気にせずに生活できる」「ペットの飼育などのルールがないケースが多い」といった特徴があります。一方、家賃はメゾネットタイプの方が安い傾向にあります。
メゾネットとロフトの違い
メゾネットに似た間取りとして、中2階の空間にハシゴで上り下りする「ロフト付き物件」があります。
ロフト部分を寝室や書斎などとして使用する人もいますが、法律上の分類では居室ではなく「小屋裏収納」とされる空間です。
建築基準法により、ロフトの天井は「1.4m以下」とするよう定められているため、居室と同等の使い勝手や快適性を期待するのは難しいでしょう。
メゾネットとテラスハウスの違い
テラスハウスとは、法律上は「長屋」と呼ばれる建物で、一戸建てが横に何軒か連なった形態をしています。
隣り合う世帯同士で壁を共有しており、それぞれの玄関が1階にあるため、隣家に接する壁以外は廊下、外階段、エントランスなどの共用部分がありません。
ただし、物件情報によっては、メゾネットタイプのアパートとテラスハウスは混同して使用されていることもあるようです。
メゾネットのメリット

メゾネットで一人暮らしをするメリットには以下のようなものがあります。
メリット
- 広々としたスペースを使える
- 上のフロアの足音を気にせず過ごせる
- 生活シーンのメリハリをつけやすい
- 来客を招きやすい
- 日当たりや風通しに優れる
広々としたスペースを使える
メゾネットは複数のフロアに少なくとも一つずつ生活空間があるので、一人暮らしで住む部屋としては十分な広さを確保できるのが特徴です。
また、階段下のスペースの活用などにより、通常の物件よりも豊富な収納スペースを持つ物件も多いです。
上のフロアの足音を気にせず過ごせる
上下のフロアを借りることになるので、上のフロアで過ごす分には、通常の賃貸物件で気にしなければならない「階下との足音トラブル」を避けられます。
生活シーンのメリハリをつけやすい
異なるフロアに分かれているため、単に横の空間が広いフラットタイプの物件と比べて、生活空間にメリハリをつけやすくなるのも特徴です。
1階を居住空間や作業スペース、2階を就寝スペースと分けたり、上下階でインテリアのコンセプトを変えたりなど、さまざまな工夫やアレンジが考えられます。
来客を招きやすい
通常よりも空間が広いため、友人や家族などを招きやすいのも特徴のひとつです。また、急な来客時でも、玄関とつながっていないフロアに荷物をまとめれば、とりあえず対応することが可能です。
日当たりや風通しに優れる
メゾネットは複数のフロアに窓を設けられるので、フラットタイプの部屋と比べると日当たりや風通しを確保しやすいのが特徴です。
玄関は1階でも、2階にバルコニーが設けられるケースが多いので、洗濯物に太陽の光を当てられるのもメリットです。
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メゾネットのデメリット

続いて、メゾネットのデメリットも見ていきましょう。
デメリット
- 家賃が高い傾向にある
- 光熱費が高くなる
- 掃除の手間がかかる
- 階段の上り下りが面倒に感じられることもある
- 物件数が少ない
家賃が高い傾向にある
メゾネットは通常の部屋よりも広く、階段の設置などにも建築コストがかかるため、家賃は比較的高い傾向があります。
単に広さを求めるのであれば、同じ専有面積のフラットタイプの部屋の方がお得に借りられる場合が多いです。
光熱費が高くなる
複数のフロアがあるため、冷暖房効率はワンフロアの物件より低下してしまいます。照明の数も増えると、光熱費は通常より高くなることが多いです。
掃除の手間がかかる
スペースが広く、複数のフロアがあるので、掃除の手間がかかってしまうのも難点です。特に階段スペースにはほこりがたまりやすく、掃除が面倒に感じられることもあるでしょう。
また、階段スペースは天井が高くなるので、照明の交換に手間取ってしまうこともあります。
階段の上り下りが面倒に感じられることもある
メゾネットでは、慣れるまで階段の上り下りが面倒に感じることもあります。特に玄関と違うフロアで過ごしているときには、宅配などの対応が煩わしく感じられてしまう人もいるでしょう。
物件数が少ない
通常と比べて物件数が少ないので、希望の立地で見つけるのが難しい面もあります。
特に駅近などの人気のあるエリアでは、物件のオーナーとしても、広さの割に入居者数が減ってしまうメゾネットよりフラットタイプの方が好ましいと考えるケースが多いでしょう。
そのため、メゾネットにこだわるのであれば、その他の条件を柔軟に緩められるように工夫することも大切です。
メゾネットはどんな人におすすめ?

ここまでの特徴を踏まえると、メゾネットに向いているのは以下のようなタイプの人です。
メゾネットに向いている人
- プライベートスペースを確保したい人
- 自宅で仕事をする機会が多い人
- 来客が多い人
- 将来的に同棲を考えている人
フロア数が分かれている点を踏まえると、メゾネットは独立性の高いスペースを確保したい人や、テレワークが多い人、来客が多い人に向いている間取りといえます。
また、将来的に同棲を考えている人にとっても、有力な選択肢となるケースが多いです。
ただし、いずれ誰かと住む予定であれば、最初から2人入居可の物件を選んだうえで、あらかじめ大家さんに同棲可能かを確認しておく必要があります。
単身者向けの賃貸物件のなかには、居住人数を1人のみとしているところも多いので、入居条件には注意しておきましょう。
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メゾネット物件を選ぶときに目を向けたいポイント

メゾネット物件を見極めるときには、通常の物件を借りるケースに加えて、いくつか目を向けておきたいポイントがあります。
ここでは、5つのポイントに分けて見ていきましょう。
階段の確認
メゾネット物件では、階段の状態が利便性を大きく左右します。内見のタイミングで傾斜やステップの幅を確認しておき、上り下りがしやすいかどうかを見極めましょう。
また、物件によってはらせん階段が導入されているケースもあります。
らせん階段は見た目がオシャレで開放感があるのが魅力ですが、人によってはものを運ぶときなどに不便だと感じられてしまうこともあります。実際に上り下りをしてみて、使いやすさを確かめましょう。
冷暖房効率の確認
まずは、エアコンの台数を調べて、各階についているかどうかを確認しましょう。メゾネットの場合は、少なくとも各フロアに1台はほしいところです。
また、吹き抜けなどの広い空間が設けられている物件では、空気の循環を助けるシーリングファンがついているかどうかも重要なポイントとなります。
玄関とトイレの配置関係
玄関とトイレは、同じ階にあると来客時に便利です。異なる階にあると、来客を全フロアに通すことになってしまうので、片付けが間に合わないときなどには不便に感じられてしまいます。
また、洗濯機置き場から洗濯物を干せるバルコニーまでの動線もチェックしておきましょう。特にこだわりがなければ、同じフロアにあると毎日の洗濯時には便利です。
2階部分まで目的の家具・家電を運び込めるか
玄関から異なるフロアに大きな家具や家電を運び込む予定がある場合は、念のために階段幅や廊下幅も確認しておきましょう。
家具や家電をすでに所有している場合は、内見前に採寸しておくと安心です。
階段下のデッドスペースは活用できそうか
メゾネット物件では階段の存在感が大きく、付近のスペースをどのように活用できるかによって利便性も変わります。
階段下のデッドスペースが収納になっているなど、空間が効率的に活用されているかどうかを確認しておきましょう。
まとめ

- メゾネットとは住居の内部に階段があり、2フロア以上の生活スペースがある物件のこと
- 集合住宅でありながら、一戸建てのように各フロアで空間を分けられるのが特徴
- 生活シーンのメリハリをつけやすい、来客を招きやすい、日当たりや風通しが良いなどのメリットがある
- 物件数はそれほど多くなく、家賃も比較的高いため、部屋探しには工夫が必要
- 内見時にはメゾネット物件特有の注意点も意識しておこう
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更新日: / 公開日:2019.02.21










