お部屋探しの際、希望する条件はいろいろあることでしょう。しかし、100%希望が叶う物件に巡り合えるのはなかなか難しいものです。そのため、「申込みたいけど、違う物件も気になっている」「2つの物件で迷っているけど、1日考える時間がほしい! でもその間に決まってしまったらどうしよう…」と考える人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、賃貸物件の「仮押さえ」について詳しく解説していきます。

仮押さえはできる?できない?

仮押さえはできる?できない?

「仮押さえ」が、「申込みはしないけれど少しの間、仮として押さえておいてほしい」という意味であれば、基本的にはできません。物件は、申込みをしないと押さえることができないからです。申込書の記入をし、管理会社や大家さんにその書類が届いて初めて「申込み」とみなされ、物件を押さえることができるのです。

 

しかし、中には「仮に押さえる」ということができる地域もあります。不動産取引の慣習は地域によってさまざまあり、例えば北陸地方の富山県では、申込書を書かずに物件を押さえておく「仮押さえ」を、2~3日程度行えることがあります。こういった慣習は、首都圏よりも、地方でみられることが多いです。とはいえ、一般的には申込みをして物件を押さえるという流れになるため、どうしても仮に押さえたいという場合は、不動産会社に相談してみましょう。

 

先ほど説明した通り、「物件を押さえる」には申込みが必要です。つまり、不動産会社が「仮押さえしますか?」と言った場合、それは「申込みしますか?」と同義です。物件を押さえるのは早いもの順であり、その順番は申込書の到着順が基本です。

 

申込書が管理会社や大家さんの手元に到着すると、入居審査に入ります。審査の結果が出るまでは物件を押さえている状況です。審査が通れば契約に進みますから、それまでの状態を「仮押さえ」と表現をしているのです。

 

それでは、「仮押さえ」=「申込み」はどのように行うのでしょうか? 申込書の記入をすることが一般的ですが、物件によっては申込金が必要なことがあります。この申込金は預り金と呼ばれ、万が一契約に至らなかった場合は返還される性質のものです。申込みの仕方については管理会社や大家さんによってやり方が多少異なるため、仲介会社である不動産会社に確認しましょう。

 

また、前述したように、申込み前に押さえることのできる慣習のある地域もあります。もしも、不動産会社の担当者と認識のズレを感じたときは、「仮押さえ」の意味を確認するとよいでしょう。

 

キャンセルの理由と、そのときの状況に応じて対応が異なります。ケース別に解説していきましょう。

 

基本的に、入居審査に落ちてしまうと契約はできないため、強制的にキャンセルとなります。この場合、申込みをした人が何かをする必要はありません。ただし、どうしてもその物件に住みたいという場合は、別の保証会社の審査を受けてみるといった代替策がある場合もあるため、不動産会社の担当者に相談してみましょう。

 

これは、申込みしたけれど「急に県外への転勤が決まった」「実家で暮らさなければならない理由ができた」「別の物件に申込みしたくなった」など、申込みをした人の都合でキャンセルをするケースです。この場合は、キャンセルをすることを決めた時点で、不動産会社にその旨を伝えます。キャンセルができるか否かは、どの段階でキャンセルをするのかで異なります。次の項目をご参照ください。

 

賃貸借契約を引き返せないケースはある?

賃貸借契約を引き返せないケースはある?

キャンセルできるか否かを判断するには「賃貸借契約を結んでいるか」が焦点となります。入居審査が通れば、通常の流れでいうと宅建士から重要事項説明を受け、賃貸借契約書に署名・捺印をして初期費用を支払う、という流れになります。結論から言うと、契約する前、つまり重要事項説明の前であればキャンセルが可能です。宅建士からの重要事項説明を聞いて署名・捺印をするということは、契約の意思があるとみなされるからです。契約前であれば、預かっている申込金は返金され、申込みが撤回されます。

 

一方、契約成立後にキャンセルをしたいという場合は、締結した賃貸借契約書の中身が重要になってきます。賃料発生日を過ぎていればキャンセルではなく「解約」の手続きとなります。早期解約時の違約金が設定されていれば支払わなければなりませんし、解約予告の期間が設定されていればその間の賃料も支払わなければなりません。また、賃料発生日前の契約撤回についての条文も記載されていれば、違約金が設定されている場合が多いでしょう。いずれにせよ、「賃貸借契約を結ぶ前か後か」によってキャンセルできるか否かが大きく変わるため、注意ください。

 

1.多数の物件の申込みをしない

先ほど説明した通り、申込みをすれば物件を押さえることができ、複数の物件に申込みを入れることも可能です。しかし、それはなるべくやめたほうがよいでしょう。物件や管理会社が違っても、保証会社が同じ場合は多重契約とみなされ、審査に落ちてしまう可能性があります。また、どの地域においても不動産会社同士の横のつながりはあるものです。多くの申込みを入れれば、管理会社が「入居する気がないのに申込みを入れているのでは?」などと不審に思うかもしれません。結果的に審査に影響が出る可能性があるため、確実に入居する意思のある物件のみに申込みするようにしましょう。

 

2.申込金を支払った場合は、預かり証をもらう

物件を押さえるために、申込金が必要なケースがあります。ただし、この申込金はあくまで預り金であり、契約が成立しなければ返還されるものです。このことは宅建建物取引業法できちんと定められています。しかし、残念なことに申込金が返還されないトラブルが相次いでいるようです。自衛のためにも、申込金を預ける場合は、不動産会社から必ず預かり証を受け取りましょう。

 

3.連絡は早めにする

キャンセルの理由はさまざまですが、自己都合の場合は伝えにくいと思う人もいるでしょう。しかし、キャンセルすると決めたのに連絡しないでいると、さまざまな人に迷惑をかけることになります。たとえば、申込み者のためにに物件を綺麗にする大家さんや、契約書類を作ったり保険の手続きをしたりする不動産会社の担当者、鍵交換を行う関連会社など、多くの人の作業を無駄にしてしまう可能性があります。大家さんからすれば、空室を埋めるために早く別の人に紹介してほしいと考えるでしょう。このように、お部屋を借りる手続きの裏ではたくさんの人が動いています。キャンセルなどの対応は不動産会社も慣れているでしょうから、言いにくいと思わず早めに連絡しましょう。

 

お部屋を借りるということは、賃貸借契約を結ぶということです。みなさんがお部屋を借りようとするその裏では、たくさんの人が関係して動いています。キャンセルする際は、早めに不動産会社へ相談しましょう。

まとめ
・基本的に賃貸物件を「仮に押さえる」ことはできない
・物件を押さえるためには「申込み」が必要
・不動産取引の慣習は地域ごとに異なるため「仮押さえ」の意味に注意
・申込金が必要な場合は預かり証をもらう
・キャンセルは賃貸借契約の前まで行える
・賃貸借契約後はキャンセルではなく解約扱いになるケースがある
・キャンセルの場合は早めに連絡する

 

公開日: / 更新日: