家賃って消費税はかかるの?決めているルールは?

家賃って消費税はかかるの?決めているルールは?
家賃って消費税はかかるの?決めているルールは?

結論から述べると、家賃には消費税がかかりません。国税庁のホームページで以下のように解説されています。

“事務所などの建物を貸し付ける場合の家賃は課税の対象となります。この場合、家賃を土地部分と建物部分とに区分している場合でも、その総額が建物の貸付けの対価として取り扱われます。
 なお、住宅用としての建物の貸し付けは、貸付期間が1ヶ月に満たない場合などを除き非課税となります。ただし、契約において住宅用であることが明らかにされているものに限ります。”

引用:国税庁ホームページ「平成30年4月1日現在法令等」

つまり、住宅として居住するために借りる場合は基本的に非課税ですが、1ヶ月未満などの場合は課税対象ということです。その他、事務所や店舗などの家賃は課税対象となっています。

消費税が導入されたのは1989年(平成元年)でした。当初設定された消費税は3%で、家賃も課税対象となっていました。しかし、1991年(平成3年)10月に現在のような居住用としての家賃は非課税になったという経緯があります。その後、課税対象の見直しということで居住用の家賃も対象になるのではないかという話もありましたが、10%に上がる今回は課税対象にならなかったようです。

賃貸に住む際、消費税の「かかるもの」「かからないもの」とは

賃貸に住む際、消費税の「かかるもの」「かからないもの」とは
賃貸に住む際、消費税の「かかるもの」「かからないもの」とは

賃貸物件を借りる際にかかる費用を、それぞれ消費税の「かかるもの」「かからないもの」に分類していきます。

・家賃居住用は非課税(1ヶ月未満は課税対象)となり、事務所利用だと課税対象になります。
それでは、他の賃貸条件でも考えてみましょう。

・住宅兼店舗・事務所住宅用は非課税、店舗・事務所は課税対象ですが、店舗や事務所併用住宅を借りる場合はどうなるでしょうか。国税庁のホームページを参照してみましょう。

“住宅と店舗又は事務所等の事業用施設が併設されている建物を一括して貸し付ける場合には、住宅として貸し付けた部分のみが非課税となるのであるから留意する。

(注) この場合は、建物の貸付けに係る対価の額を住宅の貸付けに係る対価の額と事業用の施設の貸付けに係る対価の額とに合理的に区分することとなる。”

引用:国税庁ホームページ「第13節 住宅の貸付け関係」

つまり住宅兼店舗・事務所の場合は、住宅として借りている部分のみが非課税となり、店舗・事務所部分については課税対象となります。住宅と店舗・事務所の区分の仕方については、例えば、住宅として使用している部分と事務所として使用している部分を面積按分して区分する、ということが考えられます。

・駐車場土地の貸付けについては非課税ですが、駐車場として土地を貸付けする場合については課税対象となっています。それでは、駐車場付き住宅を借りる場合はどうなるでしょうか。駐車場付き住宅とは、一戸建て住宅など駐車場の敷地も含めて貸し出している物件のことを指します。一戸建て住宅の駐車場だけでなく、集合住宅でも1戸あたり1台分以上の駐車スペースが利用の有無にかかわらず確保されている場合は、非課税となります。そもそも駐車場代が家賃に含まれているので、駐車場の使用料という名目では代金が発生していません。あくまで住宅とは別の「駐車場」を借りる場合は課税対象となっています。

・社宅社宅とは、法人が従業員などを居住させるために借りた物件のことを指します。個人・法人にかかわらず、居住用として借りる場合は非課税となります。つまり、従業員などを「居住させるため」に借りた物件であれば、大家さんへ支払う賃料、従業員などが会社へ支払う賃料、いずれも非課税です。

・敷金、保証金、礼金、権利金など居住用であれば敷金、礼金について非課税となります。事務所・店舗を借りる場合は、預り金として退去時に返却されるものであれば非課税となります。一般的に礼金、権利金は返却されないものなので、事業用として借りるのであれば消費税が発生します。敷金は預り金ですから、基本的には退去時に返却されるものになりますので非課税です。保証金については解釈がさまざまあり、敷金と同じ意味合いで使われることが一般的ですが、返却されないものとして扱う場合は課税対象となりますのでご注意ください。

・更新料、更新手数料更新料とは、賃貸借契約を更新する際に大家さんに支払うものです。更新料は、居住用として借りている場合は非課税です。店舗・事務所や駐車場などの場合は課税対象となっています。更新料とは別に、更新手数料が発生する物件があります。みなさんが賃貸借契約を結ぶ際、大家さんとの間に不動産会社が入るケースがほとんどでしょう。不動産会社が更新の事務手続きを行う手数料のことを更新手数料と呼んでいます。更新事務手数料という名目も内容は同じです。更新手数料については、居住用だとしても課税対象となります。
更新料、更新手数料の有無や相場については地域によってさまざまです。賃貸借契約書の内容をよく確認してみましょう。

・仲介手数料貸主と借主の間に入っている不動産会社へ支払う仲介手数料は、居住用、店舗・事務所、駐車場など、どの場合でも課税対象です。店舗・事務所、駐車場など、家賃そのものが課税対象となっている物件の仲介手数料についてはどのようになるでしょうか。例えば、仲介手数料が借主100%だったとしましょう。駐車場の料金が月々10,800円(税込)だとすれば、仲介手数料は10,800円(税込)となります。税込価格にさらに消費税がプラスされる訳ではありませんので、ご注意ください。

そのほか注意したいこと

そのほか注意したいこと
そのほか注意したいこと

最初に賃貸借契約を結んだ段階では居住用として使用していたので非課税であったが、その後事業用として使用することになったなど、途中で用途変更する場合はどのようになるでしょうか。用途を変えて新規契約を行った場合は、事業用での使用のため課税対象となりますが、契約上は居住用のまま、当事者間のみで用途変更の約束をしたなどの場合は、非課税のままです。ただし、大家さん側からすると受け取る家賃の税務上の計算に関わってくる可能性がありますので、用途変更する場合はあらかじめ相談しておきましょう。

また、増税後の賃料については現在結んでいる賃貸借契約書を確認してみましょう。記載内容によって対応が変わります。

例1)駐車場料金:月10,000円(税別)
2018年現在(消費税8%):10,800円
増税後(10%) :11,000円

この場合は、税別価格で契約を結んでいるため増税後も「駐車場料金+消費税」を支払う形になります。

例2)駐車場料金:月10,000円(税込)
2018年現在(消費税8%):10,000円

この場合、増税後の対応が2パターンに分かれます。

1.増税後(10%):10,000円
「税込価格10,000円」の解釈をするため、増税後も10,000円の支払いとなります。事実上の賃料値下げとなります。

2.増税後(10%):10,185円
「駐車場料金9,259円+消費税8%」が10,000円という解釈です。駐車場料金は「税抜き価格9,259円」であるので、増税後は9,259円+消費税10%≒10,185円となります。

契約書の内容、大家さんや不動産会社のやり方によってさまざまですので、わからない場合は事前に大家さんや不動産会社に相談しましょう。

2019年10月からの消費税増税によって、賃貸借契約内容によっては月々の支払いが変わるかもしれません。ぜひこの機会に、契約内容について確認してみてください。

まとめ
・居住用であれば家賃は非課税、事務所・店舗の賃料は課税対象
・店舗併用住宅の場合、住宅部分は非課税、店舗・事務所部分は課税対象
・駐車場は課税対象、駐車場付き住宅であれば非課税
・事業用の敷金・礼金などは、預り金であれば非課税、返却しないお金は課税対象
・居住用において更新料は非課税、更新手数料は課税対象
・仲介手数料は課税対象

(2018/11/15)