勘違いされやすい「ユニットバス」の意味

 

一般的にユニットバスといえば、お風呂とトイレ、洗面台が1つになったバスルームをイメージされることが多いです。しかし、実際には異なる意味を持っているので、正確に理解する必要があります。

「ユニットバス＝バス・トイレ一緒」は間違い

 

ユニットバスとは、浴槽と床、壁、天井が一体になっているバスルームのことを指します。ユニットバスの大きな特徴は、浴室全体が一つの製品として取扱われる点にあります。

 

それによって建材の入手コストが抑えられ、建築の人件費も大幅に削減できるのがメリットです。つまり、ユニットバスだからといって、必ずしもトイレや洗面台がセットになっているとは限らないということです。

ユニットバスの意味が誤解されやすい理由

 

ユニットバスは本来、単に浴室のつくりを指すものであるにもかかわらず、なぜ「トイレや洗面台が一緒になったつくり」と誤解されてしまうのでしょうか。

 

そのきっかけは、1964年の東京五輪に向けた建設ラッシュ時にあるとされています。

 

当時の日本では、短い期間内で効率よく高層ビルを建設する必要があり、軽量化と建築の効率化の2つが同時に求められる状態にありました。

 

そうしたなかで生み出されたのが、バスとトイレ、洗面台が一体になった「3点ユニットバス」です。

 

3点ユニットバスは都内を中心に、ホテルなどでも積極的に採用されるようになり、その結果として「ユニットバス＝バス・トイレ一緒のつくり」という誤った認識が広がっていったとされています。

 

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ユニットバスの種類とそれぞれのメリット・デメリット

 

一般的にユニットバスと表記される物件には、大きく分けて「2点ユニット」、「3点ユニット」の2種類があります。ここでは、それぞれの特徴について見ていきましょう。

2点ユニットの特徴

 

2点ユニットの「2点」とは、浴室と洗面台を指します。つまり、2点ユニットとは、お風呂と洗面台が同じスペースに設けられ、トイレのみ別空間に設置されるつくりということです。

 

お風呂とトイレが別々に設置されているため、以下のようなメリットが生まれます。

2点ユニットは浴室を広く使え、浴槽にもゆったり浸かれるのがメリットです。また、3点ユニットと比べて収納スペースが増えるのも特徴です。

 

また、トイレは浴室の湿気の影響を受けないため、カビが生えにくく、清潔な環境を保ちやすいのもメリットといえます。

 

一方、以下のようなデメリットもあります。

浴室とトイレを別々に設ける必要があるため、建築コストがかかり、家賃も割高になってしまうのがデメリットです。

 

そのため、好立地で安い物件を見つけようとすると、自然と3点ユニットの物件ばかりになってしまうというケースもめずらしくはありません。

3点ユニットの特徴

 

3点ユニットとは、前述したようにバスとトイレ、洗面台の3点が一体になったつくりのことです。主なメリットとしては、以下のポイントが挙げられます。

大きなメリットは、やはり家賃が安いという点にあります。特に水回りについてのこだわりがない人は、3点ユニットを選ぶことで、立地の割にリーズナブルな物件に出会える確率が高くなります。

 

また、トイレとお風呂が一体のため、掃除スペースが狭くなるのも特徴です。さらに、3点ユニットのトイレ床は水はけのよい素材でつくられているので、シャワーを使ってまとめて掃除ができるのもメリットといえます。

 

一方、以下のようなデメリットもあります。

3つの設備を1ヶ所にまとめる3点ユニットは、とにかく水回りのスペースにゆとりがありません。特にトイレットペーパーなどの紙製品は、バスルーム内に置いておくと湿気てしまう可能性もあります。

 

そのため、収納スペースは別で確保しなければなりません。また、一度入浴すると、しばらくの間は湿気でトイレもムシムシした状態が続きます。

 

湿気はカビの発生原因にもなるため、お風呂についている窓を開け放しておき、通気性を保っておく必要があります。窓がついていなければ、常に換気扇を回しておかなければならないというケースも多いです。

 

また、自分がお風呂を使っていると、ほかの人にはトイレを貸しにくくなってしまうのも難点です。

1点ユニット（3点セパレート）のメリット・デメリット

 

バス・トイレ別とされる物件には、正確に表現すると先ほど紹介した2点ユニットと、1点ユニットの2つに分けることができます。1点ユニットとは、浴槽と洗い場で構成された浴室のみのつくりを指します。

 

トイレや洗面台は別エリアに設置されているので、使い勝手が良く、複数人で暮らすファミリー世帯でも不便に感じられないのがメリットです。

 

一方、2点ユニットの場合と同様、家賃は高めに設定される傾向があります。特に、洗面台が別に設置される場合は「独立洗面台付き」（3点セパレート）として扱われ、より家賃が割高になります。

 

独立洗面台は「メイクスペースをつくりやすい」「掃除用具を洗面台下に収納できる」などといったメリットがあるので、特に女性には人気の高い設備です。

 

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バス・トイレについて間取り図で確認しておきたいポイント

 

繰り返しにはなりますが、必ずしも「ユニットバス＝バス・トイレ一体型」とは限りません。

 

物件情報でユニットバスと表記されていても、2点ユニットか3点ユニットかでお風呂とトイレの関係性は大きく異なるため、間取り図を通して実際に確認することが重要です。

 

間取り図では、ユニットバスは「UB」と表記されます。そのため、UBの記載があるときには「別のところにトイレスペースがあるか」「室内写真の浴室はどのようなつくりになっているか」を意識して確認してみましょう。

まとめ

 

• ユニットバスは、浴槽と壁、床、天井が一体になったつくりを指す
• 必ずしもバスとトイレが一緒になっているとは限らない
• ユニットバスのうち、バスとトイレが一体になっているものは3点ユニットと呼ばれる
• ユニットバスの種類ごとにメリット・デメリットを押さえておこう
• 間取り図では、どのタイプのユニットバスが用いられているのかを確認しよう

 

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