賃貸マンションやアパートでは、高層階の部屋ほど人気が高い傾向があります。しかし、1階の物件にも良いところはあります。1階の部屋のメリット・デメリットを知って、物件選びの参考にしましょう。
マンション1階の物件

マンションやアパートで暮らす際に気になるのが、生活音による騒音トラブル。特に足音や椅子を引く音など、床で発生する音は階下へ響きやすいです。はしゃいで走り回ってしまうことの多い小さな子供がいる家庭など、階下への音が気になる場合は、1階の物件を検討すると良いでしょう。

 

足音を気にしなくて良いのは1階のメリット

足音を気にしなくて良いのは1階のメリット

1階の物件は、階段やエレベーターを使用する必要がありません。住人の多い高層マンションでは、朝の出勤・通学の時間帯に「エレベーター渋滞」が発生することもありますが、1階であればすぐに外出できます。もし、忘れ物に気付いた場合でも、すぐに戻ることが可能です。

2011年の東日本大震災の際には、長期の停電によってエレベーターが使用できず、高層階に住む人は重い荷物を持って、長い階段を昇り降りせざるを得なかったという声も聞かれました。

 

タワーマンションのエレベータは渋滞することも

タワーマンションのエレベータは渋滞することも

 

マンション1階の物件

1階の物件には、広めの専用庭が確保されていることがあります。天気の良い日に椅子を出してくつろいだり、プランターを並べてガーデニングや家庭菜園を楽しんだりすることが可能です。なかには畑を作ることが可能な物件もありますが、専用庭をどこまで自由に使用できるかは管理規約によって異なるので、事前に確認しておきましょう。

一般的に集合住宅では階数の高い部屋の人気が高く、特にタワーマンションではその傾向が強いです。そのため、同じ間取りでも階数が上がるほど賃料が高く設定されるケースが多く見られます。賃料を抑えたい人には、1階の部屋も検討してみましょう。

 

高層階より安いかも…?

高層階より安いかも…?

 

マンション1階の物件

1階の物件は引越しがしやすいです。荷物を運ぶトラックと部屋との物理的な距離が短いため、作業にかかる時間が短く済みます。引越し会社に作業を依頼する場合、階段がない建物では手作業で荷物を運ばなければいけないので、作業員を増員することがあります。そのため3階以上の部屋では追加料金が必要なことが多く、階数に応じて費用が加算され、荷物の量によっては数万円の差額が生じることもあるようです。また、廊下や玄関を通らない大型の家具は、窓から搬入を行うケースが多いです。2階以上の部屋には、クレーンで吊り下げて運び入れるため、その分の追加料金が必要になります。1階であれば、クレーン費用はかかりません。

 

1階は引越しが楽

1階は引越しが楽

1階の部屋は周囲の建物によっては日陰になりやすく、特に都市部や住宅密集地ではその傾向が強いです。布団や洗濯物に日光を当ててカラッと乾かしたい人には、1階の物件は適していないかもしれません。特に冬場は太陽の角度が低いため、立地条件によっては1日のうちに光が差し込む時間がほとんどないケースもあります。

 

太陽の光が入りにくいかも…

太陽の光が入りにくいかも…

 

マンション1階の物件

高層階が好まれる大きな理由のひとつが、眺望の良さです。立地にもよりますが、1階の部屋の眺めはあまり期待できないこともあるでしょう。家で過ごす時間が短く、外を眺める機会があまりない人であれば、それほど気にならないかもしれません。

通りに面した物件では、1階に植栽やフェンスなど目隠しとなるものがないと、通行人から室内が丸見えになってしまいます。また、洗濯物を外に干しづらいというデメリットもあります。

 

洗濯物が丸見えになる可能性も…

洗濯物が丸見えになる可能性も…

 

マンション1階の物件

1階は庭や窓ぎわへ侵入しやすいことから、下着泥棒やのぞき被害が起きる可能性があります。特に女性のひとり暮らしの場合、下着は室内に干すことをおすすめします。通りに面していて人目につきやすい物件であれば、室内へ侵入しづらいため空き巣被害などは起きにくい傾向にあるようです。

1階のデメリットとして、立地条件によっては周囲の音が気になりやすいことが挙げられます。2階以上の部屋に比べ、通行人の騒がしい話し声や、近所で子供が遊ぶ声などが聞こえやすいです。道路や駐車場に近い場合は、車のエンジン音のほか、排気ガスの匂いなどが気になることもあります。物件選びの際には建物自体だけではなく、周辺環境をよく確認しておくと良いでしょう。

 

外からの音が気になりやすいかも…

外からの音が気になりやすいかも…

 

マンション1階の物件

更新日: / 公開日:2017.03.11