首都圏ではペット可物件が供給不足に

晩婚化や高齢化が進む昨今、ペットに癒やしを求める人々は少なくありません。昔は共同住宅にペットと住める物件を探そうにもほとんどありませんでしたが、現在は以前に比べるとペット可物件が増えてきました。

しかし、未だ賃貸経営においては最近のペット可ニーズに追い付いておらず、首都圏のペット可物件は供給不足の状態にあるようです。一方で子どもを持たない夫婦や、伴侶を亡くした高齢者など、ペットを新たな家族として迎えたいと考える世帯は、今後も増えることが予想されます。供給過多といわれる賃貸物件ですが、ペットと住める物件は、これからの供給が期待されています。

 

ペットは家族の一員

ペット可物件の注意点

ペット可物件は、通常の物件とは条件面などで異なります。あらかじめ注意すべきポイントを紹介します。

・敷金が高いのはなぜ？

ペット可物件を探していると、ペット不可の物件に比べて敷金が高めに設定されていることがあります。これは、犬や猫が爪などでクロスやフローリングを傷つけてしまうなど、退去時に修繕が必要な箇所が増えると予想されるからです。また、染みついた動物の臭いをとるには、部屋中すべてのクロスを張り替える必要があるため、敷金が高めに設定されています。

 

しかし、敷金を多めに支払っていたとしても、部屋の損傷がひどかった場合、修繕費が敷金をオーバーしてしまうこともあり得ます。床を傷つけないようにカーペットを敷く等、入居時にはできるだけの対策をしておきましょう。

 

敷金が高い理由は？

 

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入居前に飼育条件を確認

ペットは家族といっても、蛇やサルなどペットとしては珍しい動物は飼育が認められない場合があります。「ペット可」と記載されていたとしても、必ずしもすべてのペットでも許可が下りる訳ではありません。「犬はOKだが猫は壁を傷つけるのでNG」という物件や「小型犬なら良いが、中型犬・大型犬は他の住民にケガを負わせる可能性があるためNG」という物件など、大家さんによってルールは大きく異なります。ただし、規約上では認められないといった場合でも、ペットの普段の様子が分かる写真や動画を大家さんに見せるなどして交渉することで、飼育の許可が出ることもあるようです。

 

ペットOKでも、猿はNGかも…

近所クレームを避けるために

最近の賃貸物件では、大家さんが入居者確保のためにペット可に変えて入居者を募るといったことがあるようです。最初はペット不可だったのが、途中からペット可になった物件は、ペットを好まない住人がいるかもしれないことを頭に入れておかなければいけません。ご近所にはあらかじめペットの特長を伝え、迷惑をかけないように気をつける旨を伝えておくだけでも印象が違ってきます。

 

また、たとえ全室ペットが居る物件でも、マナーは大切です。「お互い様」だからといって、犬が吠えても注意しない、マンションの共用部分で放すなど、なんでも許されるということではありません。ペット可となっている物件には、犬や猫だけでなく、ウサギ・鳥・爬虫類など様々なペットがOKなケースがあります。猫の鳴き声なら気にならなくても、犬の鳴き声は耳触りなど、同じペット好きでも感じ方は人それぞれ違います。防音マットを敷く、鳴き声や臭いがもれないように窓を閉めておくなど、ご近所と円満に暮らすために、普段の生活にも配慮が必要です。

 

どんな物件でも、マナーは守りましょう

 

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人もペットも快適に「ペット共生型賃貸」とは

ペットが飼える賃貸住宅の種類は大きく分けると2つのタイプに分かれます。

一つは、前述したような元々はペット不可だった物件がペット可になった物件です。このような物件は、築年数が古かったり、駅から遠いなど、マイナス面を補う付加価値をつけることで入居者確保をしようとしているケースが多いようです。あるいは、大家さんの好意でペットが飼えるようになった物件もあります。

もう一つは、最初からペット賃貸マンションとして作られた物件です。「ペット共生型賃貸」とよばれていて、ペット専用の足洗い場がついていたり、ペット専用トイレが置いてあったりと、飼い主とペットが快適に暮らせるような環境が整っています。

 

ペット共生型賃貸とは？

 

途中からペット可に変わった物件は、元々ペットを飼育するための配慮がされていない構造をしていることが多いため、防音対策などが必要になってくるでしょう。一方で、ペット共生型賃貸は、あらかじめ飼育規則を設けることで、自然と意識の高い住人が集まり、未然に住民間のトラブルを防ぐことにつながっているようです。ただし単なる「ペット可」とした物件よりも、ペット仕様に特別な設備がついている「ペット共生型賃貸」の方が、家賃相場でみると割高です。

どちらを選ぶにせよ、契約前によく管理規約を確認し、大家や管理会社、近隣住人とコミュニケーションをとっておくことが大切です。

 

人にもペットにも幸せな住環境を選びましょう

 

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