インテリアにこだわるなら、大きな範囲を占める壁紙にもこだわりたいもの。海外インテリアを見ると、目を引く明るい色の壁紙や、美しい模様の壁紙を大胆に使用しています。賃貸住宅では原状回復をしなければいけないので、壁紙を使った大きな模様替えはできないものとあきらめていませんか?
賃貸物件における原状回復とは、故意(わざと)や過失(うっかり)で作った室内の設備の汚損を元に戻すことで、簡単に言うと、大きな傷や汚れを付けてはいけないということです。退去時に原状回復できない場合は、敷金が返却されなかったり、リフォーム費用を請求されることもあります。そのため、一般的な賃貸物件では借主が自由に壁紙を張り替えることはできません。
しかし、近年は賃貸住宅でもインテリアを楽しみたいという人が増えていることから、原状回復が可能なプチリフォームが人気です。内装材メーカーからも、退去時にきれいにはがせる壁紙や専用の糊などが登場しています。
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壁紙に種類はあるの?輸入壁紙と国産壁紙の違いとは
国産壁紙の主流は、ポリ塩化ビニルを主原料としたビニールクロスです。壁紙の裏側に糊を塗り、10分ほど置いてから壁に張っていきます。横幅は約90cmで、メートル単位で切り売りされることが多いです。
両端に「みみ」と呼ばれる余白があり、重ねてカットすることで左右に隙間を作らずに張ることができます。
海外からの輸入壁紙はフリース(不織布)製の物が多く、横幅は50cmほどと国産壁紙に比べて細いため、女性など小柄な人でも取扱いがしやすいです。国産壁紙と違い、壁側に糊を塗り、両端に余白がないので左右に重ねず、隙間のないように突き合わせて張ります。有名デザイナーが手がけた作品も多く、国産壁紙ではあまり見られない個性的な柄も豊富です。10メートルほどのロール単位で売られており、高価な物が多いです。
壁紙はホームセンターやネット通販などで購入できます。ホームセンターでは実物を見て選べるのが魅力ですが、品揃えはあまり豊富ではないことも多いです。ネット通販で購入する際は、パソコンやスマホのモニターのみで判断すると、届いた実物とイメージが全く違うこともあります。必ずカットサンプルを取り寄せて、実物の色味や質感を確認しましょう。

輸入壁紙と国産壁紙の違いは?
退去時に原状回復できる壁紙の張り方とは
通常壁紙の張り替えを行う際は古い壁紙をはがす必要がありますが、それでは原状回復できなくなってしまうので、賃貸住宅には不向きな方法です。退去時に原状回復できるように、既存の壁紙の上から重ね張りでき、きれいにはがせる方法をいくつか紹介します。
シールタイプの壁紙
賃貸住宅の模様替えに特化した、貼ってはがせるタイプの壁紙が市販されています。シールと同様に裏面の剥離紙をはがし、既存の壁の上に重ね貼りできる壁紙です。比較的粘着力が弱いので、くり返し貼り直すとはがれやすくなることがあります。

壁紙は剥がすのが大変…
はがせる糊
一般的な糊よりも粘着力が弱く、手軽にはがせる糊を使用して壁紙を張る方法です。きれいにはがすには、国産のビニルクロスよりもフリースタイプの輸入壁紙のほうが適しています。はがしたあと多少糊残りしてしまった場合も、水拭きできれいに落とすことが可能です。

はがせる糊という選択も…(イメージ画像)
マスキングテープ+両面テープ
壁にマスキングテープを貼り、その上に両面テープを貼り付けて壁紙を固定していく方法で、DIYブロガーの間でもよく行われています。マスキングテープは粘着力が低く、本来は仮止めや短期間の養生(塗装の際の保護など)に使用するものです。定期的に目立たない場所をはがしてみて、状態を確認することをおすすめします。特に100円均一などで販売されているテープでは、短期間でベタベタと糊残りしてしまったり、壁に色移りしてしまったという声も聞かれるので注意が必要です。

マスキングテープはフル活用!
ホチキスで留め付ける
壁紙をホチキスで壁に打ち付けるように留めていく方法です。糊付けする方法に比べると浮きが生じたり、壁紙の重みではがれてきてしまうこともあるようです。ちなみにホチキスや画びょうで付くほどの小さな穴は、通常の使用の範囲内とされるので、原状回復の範囲に含まれません。

壁にホチキス止めという方法も
賃貸物件を探す カスタマイズ可の物件画びょうの穴はOK?原状回復の範囲とは?
近年のDIY人気の高まりからから、指定の壁のみであれば壁紙の張り替えが可能で、原状回復の必要がない賃貸物件も登場しています。とはいえ、模様替えが自由にできない物件のほうがまだまだ一般的でしょう。原状回復の義務があるといっても、普通に暮らすだけでも壁や床に細かな汚れや傷はできてしまうもの。入居前の新品の状態に戻すことは不可能です。それでは賃貸住宅の退去時には、どこまで原状回復の範囲となるのでしょうか?
国土交通省のガイドラインによると、紫外線による色あせ、画びょうの穴、冷蔵庫ヤケ(裏側の壁の黒ずみ)などは、通常の生活の範囲内で起きるものとして認められています。いっぽう、故意や過失とされるのはタバコのヤニによる黄ばみ、釘やねじを打った穴、落書きなど。これらの補修やクリーニングにかかる費用は、入居者が負担しなければいけません。
※出典:「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について-国土交通省

原状回復が必要なもの・不要なものを把握しましょう
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更新日: / 公開日:2016.10.21









