2階にお風呂をつくることで、生活スペースと来客スペースを分けることができます。また、1階を広々と使いたいといった希望もかなえられるので、2階にお風呂をつくりたいと考える人は多くいます。一方で、「工事にいくらかかる?」「水圧は大丈夫?」といった点が気になるものです。今回は、2階にお風呂を設置したときのメリット・デメリット、費用や注意点について解説します。
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お風呂

 

家の2階に浴室を設けることは可能です。ただ、一般的に水回りの設備は1階に設置することを想定しているため、2階に浴室をつくる場合には配管を延長するなどのリフォーム工事が必要になります。

 

費用の目安としては、1坪の広さのユニットバスの場合で75~130万円程度です。施工費用には、給排水工事・電気配線工事・ユニットバスの代金・組み立てと取り付け費用などが含まれ、内訳として次のようになります。

 

工事の内容

費用の目安

給排水工事

7~15万円

電気配線工事

3~5万円

ユニットバスの代金

50~90万円

組み立て・取り付け費用

15~20万円

合計

75~130万円

 

すでに1階に浴室がある場合は、取り壊すための費用もかかります。また、工事を行っている期間は浴室を利用できなくなってしまうので、工事期間中に銭湯を活用するなどの代替手段をあらかじめ考えておく必要があります。

洗濯機とお風呂

 

2階にお風呂をつくることで得られるメリットはさまざまです。どのような点でメリットを得られるのかについて解説します。

 

2階に浴室を移動させることで、その分のスペースを1階に確保できます。一般的な浴室のスペースはユニットバスで、1~1.25坪程度です。脱衣所や洗面所のスペースと合わせると、2~2.5坪の広さとなるため、1階のスペースに余裕が持てます。

 

浴室があった場所を新たに収納スペースとして活用したり、リビングを拡張したりといった使い方が可能です。また、浴室はプライベートな空間なので2階に設置することで、来客を気にせずに利用できます。

 

洗濯機を1階に設置してベランダが2階にあると、洗濯をするたびに階段の上り下りが発生します。洗濯機は脱衣所などに置いている家庭も多いので、2階に浴室を移動させることで日々の洗濯がラクになるメリットが生まれます。

 

家事の負担を軽減させる視点で捉えてみると、一日に何度も洗濯をしなければならない家庭にとってプラスとなる面が大きいはずです。

 

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水圧が弱いシャワー

 

2階に浴室を設けることは多くのメリットがある半面、デメリットもあります。どのような点にあらかじめ注意しておくべきかについて解説します。

 

入浴するときはシャワーを使う音や蛇口をひねる音が出てしまうものです。1階にリビングや寝室を設ける場合には、入浴するときの音が下の階に響いてしまいます。音漏れを防ぐ設計をしたり、浴室を利用する時間帯を配慮したりする必要があります。

 

浴室は1階に設置されることが多いので、2階に移動させる場合には配管を延長させる工事が必要であり、その分だけ費用がかかってしまいます。2階に十分な水量を送るためには太い配管を設ける必要があるので、場合によっては間取りに影響を与えてしまうこともあるので注意しましょう。

 

2階に浴室を設けると、必然的に水を上へ押し上げなければならないので、どうしても水圧が弱まってしまいがちです。オール電化の場合、給湯器を1階に設置するケースが多いので、水圧が弱くなってしまうことがあります。水圧の弱さがストレスになってしまうときは、あらかじめ高圧給湯器を選んでみましょう。

 

また2階に浴室を設けると、もしも水漏れが起こった場合に、1階部分が水浸しとなってしまう恐れがあります。水漏れが起これば建物の劣化につながってしまうため、定期的に漏水点検を行うことが大切です。

 

家族に高齢者がいたり、介護が必要になったりすると2階に浴室があることに不便さを感じてしまいやすくなります。階段の上り下りが過度な負担となってしまわないように、将来的なライフスタイルを考慮したうえで2階に浴室を設けるべきかを考えてみましょう。

お風呂

 

2階に浴室を設ける場合には、長期優良住宅の認定に影響が出ないかを考慮する必要もあります。長期優良住宅とは、良好な住環境で長く住み続けられる住宅に対して、一定の条件のもと税制上の優遇措置がとられる仕組みを指します。

 

長期優良住宅では1階に水回りがあることを前提にしているので、2階に浴室があると認定が不利になってしまう恐れがあります。ただ、1階の天井に点検口を設けるなどして、維持管理が行いやすい点をアピールするなど工夫をしてみましょう。

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2階にお風呂の設置を検討する

 

2階に浴室を設けるべきかどうかは、ライフスタイルや家族構成によって異なるので、まずは家族間でよく話し合うことが重要です。現在の状況だけでなく、将来年をとったときに困らないかといった部分も含めて、十分に検討をしてみましょう。

 

また、浴室の場所を変更すると間取りの変更や給排水・電気設備などの工事が必要になってきます。無理な工事を進めてしまえば、かえって使いづらくなってしまうケースもあるので注意が必要です。

 

工事を請け負う施工会社にきちんと希望を伝えて、専門家からのアドバイスを受けるようにしましょう。十分にすり合わせを行ったうえで工事を進めることで、想定外のミスを未然に防げます。

 

工事が完了してからも、漏水点検など定期的なチェックが必要であるため、維持管理の部分も含めて事前に計画を立てておくことが重要です。

お風呂

記事のポイントをまとめます。

  • 2階にお風呂を設置することはできる
  • 1階部分を広々と使えて、生活スペースと来客スペースをうまく分けられる
  • シャワーの水圧が弱かったり、1階への騒音が気になったりする
  • 長期優良住宅に認定してもらうには、1階に点検口を設けるなどしてメンテナンスが簡単にできるようにする
  • ライフスタイルや家族構成に合わせて、2階にお風呂を設置すべきかをよく話し合うことが大切
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