外壁は住まいの印象を決めるだけではなく、風雨・紫外線・火災などから建物を守る役割を持っています。一戸建てには、さまざまな種類の外壁材が用いられていますが、耐候性や耐水性などには違いがあり、寿命も異なります。そこで、一戸建てに使用される外壁材の種類・メンテナンスやリフォームの方法・リフォーム費用などについて紹介します。
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一戸建ての外壁が傷んでくるのは、築何年から?

壁の塗装が必要なタイミングは?
一戸建ての外壁材がサイディングやALCの場合は、継ぎ目をシーリングというゴム状のもので埋めていますが、築5~7年頃から縮みなどの劣化が見られます。外壁材や塗料にもよりますが、築10年頃から塗膜の破れが生じ始めることが多いです。
例えば、外壁を触ると白い粉が手につくチョーキング現象が起きたら塗装が必要なタイミングです。チョーキング現象など塗膜の劣化を放置していると防水性が弱まり、雨水が外壁材に侵入するばかりか、梁・柱といった構造体を傷めてしまう可能性があります。外壁は、材質に応じたメンテナンスを行って機能を維持していく必要があるのです。
住宅に使われる外壁材の種類「サイディング」

窯業系サイディングは、近年、主流の素材
サイディングとは、工場で生産されたボード状の建材で、品質が安定していることや施工性がよいことがメリットです。サイディングには、窯業系・金属系・木質系といった種類があります。
窯業系サイディングは、最近の新築住宅の外壁に使われる素材の主流です。セメントに繊維質系の原料を加えて板状にしたもので、色・柄などのバリエーションが豊富なことがメリットです。
一方、防水性が弱く、表面の塗膜の劣化やボード同士をつなぐシーリングが切れることによって雨水が侵入すると、ひび割れや反りが起こりやすいことがデメリットです。
金属系サイディングは、金属板に断熱材を裏打ちして加工したもので、ガルバリウム鋼板やアルミニウム合金板が使われています。金属の素材感を活かしたシャープなデザインのタイプ以外にも、レンガ調・石積み調といったデザインもあります。軽量で断熱性・防水性に優れ、凍害にも強いことがメリットですが、傷がつきやすく錆びやすいことがデメリットです。
木質系サイディングは、天然木を用いたもので、風合いのよさや断熱性の高さが魅力ですが防火地域では使えない商品が多いです。
住宅に使われる外壁材の種類「モルタル塗り壁」
モルタル塗り壁は、セメント・砂・水などを練り混ぜたモルタルを下地として塗装で仕上げるものです。かつては日本の住宅の外壁の主流でした。表面をコテやローラーで、さまざまなデザインに仕上げられることやサイディングのような継ぎ目がないことがメリットです。ただし、ひび割れしやすい・工期が掛かるといったデメリットがあります。
住宅に使われる外壁材の種類「タイル」
タイル外壁の施工方法は、以前はモルタルを使った湿式工法でした。昨今ではタイル用のサイディング下地などを取り付けて、金具に引っ掛ける、あるいは、ボンドで張り付ける乾式工法に変わっています。
タイルは高級感があり・耐久性が高く・メンテナンス性が優れていることがメリットです。しかし、イニシャルコストが高く、地震などの際に剥がれ落ちる恐れがあることがデメリットです。

タイルは高級感が出ますが…
一戸建てを探す 注文住宅を探す 無料でリフォームについてオンライン相談する住宅に使われる外壁材の種類「ALC」
ALCは「Autoclaved Lightweight Concrete」を略したもので、軽量気泡コンクリートです。耐火性・耐震性に優れていることがメリットですが、防水性がなく・吸水性が高いため、塗装による塗膜が破れて水が侵入してしまうと、ひび割れを生じやすいです。
外壁のメンテナンスやリフォームの方法と費用の目安

張り替えにはいくらかかる?
一般的な2階建てで30坪程度の住宅の場合のリフォーム費用の目安についてみていきましょう。
窯業系サイディングは、塗装やシーリングの打ち直しといったメンテナンスが必要です。塗装が必要になるタイミングは10年後が目安ですが、20年・30年と再塗装の必要のない商品もあります。
シーリングは7年~10年ほどで打ち直しが必要です。シーリングの打ち直しは30万円程度、外壁塗装はシリコン塗料で100万円程度が目安です。シーリングの打ち直しと外壁塗装を合わせてやると、足場代が二重に掛からないため費用を抑えられます。
サイディングを張り替えるときには、200万円ほど掛かります。下地が傷んでいないときには、既存のサイディング外壁やモルタル外壁を剥がさずに新しいサイディングで覆う、カバー工法という方法もあり費用は150万円ほどです。
木質系サイディングでは、腐食を防ぐために10年ごとに塗り替えが必要です。金属系サイディングも10~15年で、錆が生じていたら落としたうえで塗装が必要となります。
モルタル外壁は、10年ごとにひび割れを補修したうえで塗装をします。費用はシリコン塗料で100万円程度です。タイル外壁は、定期的なメンテナンスでは高圧洗浄で洗い流しますが、モルタルによる施工などタイルの剥離や浮きがある場合には補修を行います。ALCもシーリングの打ち直しや塗装によるメンテナンスを行いますが、サイディングボードよりも幅が狭く目地が多いためシーリングの費用はやや高くなります。
一戸建てを探す 注文住宅を探す 無料でリフォームについてオンライン相談する長期的な視点で外壁材を選ぼう

長期的な視点で外壁材を選ぼう
住まいの外壁材を選ぶときには、素材感・カラーなどのデザイン面以外では、イニシャルコストを重視しがちです。しかし、家は建ったら終わりではなく、外壁の美観を保ち、性能を維持していくためのメンテナンスやリフォームが必要になります。
また、凍結しやすい寒冷地や塩害の起きやすい沿岸部などでは、耐候性の高い外壁材を選ぶことで、長期間にわたって外壁の機能を維持することを期待できます。日当たりや水はけのよさといった環境面の違いによっても、外壁の劣化の度合いは変わるため、立地条件によっては耐久性を重視することが望ましいです。
住まいの外壁材は、長期的な視点に立って、耐久性やメンテナンス性、メンテナンスやリフォームに掛かる費用も踏まえたうえで選ぶことが大切です。イニシャルコストが安い外壁材でも、メンテナンス費用が高いとライフサイクルコストが割高になるケースもあります。メンテナンスフリーと謳われる外壁材もありますが、定期点検を受けて劣化が起こっていないか確認しましょう。
一戸建てを探す 注文住宅を探す 無料でリフォームについてオンライン相談する更新日: / 公開日:2017.01.05









