自宅を新築してから長い年月が過ぎると、その間に子供が生まれたり、親と同居したりと家庭環境が変化し、それに伴って今の自宅が手狭になることがあります。思い切って引越しをするのも一つの手ではありますが、できることなら慣れ親しんだ土地から離れたくないですよね。
そんな時に検討するのが「増築」です。自宅を増築することで、今までよりも広い居住空間を確保することができますが、これにはいくつかの規制があります。
そこで今回は増築する際に気をつけるべきポイントについて解説します。
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増築とはそもそもどんな工事?
増築とは、一般には建物を大きくするというイメージがあると思いますが、正確には建物の「床面積」を増やすことを増築といいます。
ちなみに改築とは、既存の建物を取り壊して新しく建て替えることをいい、何もない更地に建物を建てる新築とは区別されます。
なお、同じ敷地のなかで母屋とは別に物置小屋などを建てるような場合も「増築」といいます。

増築とは?
増築できる範囲は?
増築は新築する時と同様に、建ぺい率・容積率など建築基準法上の諸規程の制限を受けるので、その範囲内で増築が可能です。主な規制内容は以下の通りです。
・建ぺい率:敷地面積に対する建築床面積
100m2の敷地で建ぺい率80%だとすると1階が増築できる範囲は80m2が限度です。
・容積率:敷地面積に対する建物の総床面積
100m2の敷地で容積率200%だとすると、増築後の総床面積は200m2が限度です。
・建物の高さに関する制限
建物の高さについても、北側斜線・隣地斜線・道路斜線・絶対高さなどの制限や日影規制などがあります。
これらの規制は建物が存在する地域によって個別に定められていますので、詳しくは市区町村のホームページなどから確認してみましょう。

増築は規制の範囲内で行います
増築する場合は事前の届け出が必要
増築する場合は一定の要件のもと、各自治体に事前申請が必要です。これを「確認申請」といいます。
増築する地域が防火地域・準防火地域に指定されている場合はこの確認申請が必須であり、それ以外の地域については10m2を超える増築の場合に確認申請が必要です。
確認申請の際に設計図面などを役所に提出し、その地域の建築基準に合致しているかどうかの確認がされ、問題ないと判断された場合に「確認済み証」が交付されます。
そして、増築が終わった後に再度役所のチェックを受けると「検査済み証」が交付され、建築基準に適合した建物であることが証明されます。
なお東京都内で建築確認申請をした場合、必要な費用は主に以下の通りです。(中間検査、完了検査も含んだ金額です)
- 30m2を超え100m2以内が31,400円
- 100m2を超え200m2以内が44,000円
- 200m2を超え500m2以内が61,000円
建築確認申請は100m2未満の木造建築物については建築士ではなくとも、自分自身で申請することが可能です。
ただし、現実的に考えて設計や監理を一般の人が自分ですることは不可能なため、基本的には施工会社などを通じて行うのが良いでしょう。申請後に何も問題がなければ2週間程度で審査結果が出ます。
増築する場合における住宅ローンの注意点とは
自宅を増築するにあたっては、新築時と同様に低金利である「住宅ローン」を利用することが可能です。また、現状住宅ローンを返済中の場合は、増築費用とあわせて住宅ローンの借り換えをすることも可能です。
また、住宅ローンを利用して自宅を増築した場合は、一定の要件に該当すれば「住宅借入金等特別控除」を受けることも可能です。
なお、金融機関によっては住宅ローン返済中の住宅を増築する際には、住宅ローンを借入している金融機関に申請が必要なケースがあるため注意が必要です。
工事の種類や規模などに応じて金融機関で審査が行われ、場合によっては一部繰り上げ返済や、増築部分の担保提供などを求められることがありますので、詳しくは現在、借入れをしている金融機関に確認してみましょう。

増築にも住宅ローンが使える
増築する際には、まず家族会議をしましょう
増築するとこれまでの住宅の機能がガラッと変わることになるため、それに伴って家族全員のライフスタイルにも大きな影響を及ぼします。
増築した後に「こんなハズじゃなかった」とならないように、事前に家族会議を開いてよく話し合っておきましょう。
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更新日: / 公開日:2017.01.02









