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築10年の木造物件。建物外観は見栄えもいいのに、いつまでたっても売れない物件がありました。価格も相場観から見ると相対的に割安で、問い合わせや物件の案内が比較的多いにもかかわらずです。物件を見て気に入る人はいるものの、建物に不安を感じて契約に至らないのです。なぜこのようなことになっているのか。それには原因がありました。

 

そんな物件を気に入ったAさんからのご依頼で、さくら事務所のホームインスペクター(住宅診断士)が現地を訪れると、その物件は、そもそも中古住宅として売りに出すにはちょっと厳しいものだったのです。

 

まずは建物の外周をぐるっと回ります。基礎コンクリートの複数箇所に【画像1】のようなクラック(ひび割れ)が。

 

このクラックは見過ごせるレベルではなく、幅も広く、かつ深いのです。地盤か建物構造のどちらかに課題を抱えていそうです。さらに調べていくと、どうやら建物全体が傾いている模様。具体的には、建物中央で、何か折れ曲がるような力がかかっているようです。

 

【画像1】

【画像1】

【画像2】をご覧ください。

 

本来は、点線が水平なラインですが、実践部分の幅まで建物が沈下しています。傾きのレベルは1000分の8(10メートルで8センチ)と、誰でも気づくようなもの。建物全体の傾きの状態を総合的に勘案し、地盤に問題があるものと判断しました。

 

【画像2】

【画像2】

天井裏にも地盤沈下の影響がでています。【画像3】のように、梁(はり)が傾いてしまっています。

 

いまはこれでギリギリバランスを保っている状態ですが、これはいうまでもなく非常に危険な状態です。

 

さてこのような状態であっても、建物をジャッキアップし地盤を改良、さらに建物に影響の出ている部分を補正すれば大丈夫です。しかしそれにはかなりコストがかかります。

 

このくらいの築年数の物件なら、建物を建てるときに地盤調査とそれに見合った地盤改良は事実上義務化されているのですが、この物件は地盤調査も改良も行なっていないようです。中古住宅は、法改正などで明確に品質に線を引くことはできません。現場での運用にばらつきがあるためです。

 

【画像3】

【画像3】

 

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コンテンツ提供:株式会社さくら事務所

 

 

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更新日: / 公開日:2012.10.23