人気上昇駅ランキングについて

LIFULL HOME'Sに掲載された物件データのうち、繁忙期である2025年1月~3月の賃貸物件の問合せ件数を、前年同期(2024年1月~3月)と比較し、その増加率をランキング形式でまとめた。

ランキング結果については、LIFULL HOME'S総研による考察を記載している。住まい探しや、不動産市場の分析に活用いただければ幸いである。

※記事中のデータ等は「LIFULL HOME'S PRESS調べ」のクレジットを明記のうえ、本記事へのリンクを設定いただければ、自由にご使用可能です。

近畿圏〈シングル向き物件〉人気上昇駅ランキングTOP10

近畿圏のシングル向き物件の問合せ増加率ランキングは以下のとおり。
なお、シングル向きの定義は、「ワンルーム、1K、1DK、1LDK、2Kの間取り」としている。

近畿圏〈シングル向き物件〉人気上昇駅ランキングTOP10

LIFULL HOME'S総研 渋谷雄大の分析


「ずらし駅」「新快速停車駅」で家賃を抑える動き。大阪公立大キャンパス開設による特需も

2025年3月、大阪市のシングル向き物件の平均掲載賃料は7万1,704円で前年同月比+9.3%と急騰。2025年の春闘では大企業の賃上げも5%台後半で34年ぶりの高水準とされたが、家賃はそれをも上回る上昇率となった。一方で、実際に賃貸ユーザーが問合せをした物件の平均賃料は前年同月比+2.0%の微増にとどまっており、供給側の賃料上昇にユーザーの支払い能力が追いついていない実態が見えてくる。

この予算の乖離に対する対抗策として出てきたのが、人気エリアをわずかに外す「ずらし駅」の需要である。今回ランクインした「鶴橋」や「芦原橋」はその典型であり、どちらも地下鉄や自転車ですぐにミナミへ、大阪環状線でキタへアクセスできる利便性を確保しながら、相場が抑えられる駅である。同様に「高槻」や「西宮」といったベッドタウンの新快速停車駅のランクインも、通勤時間という実利を確保しつつ家賃を抑える、堅実な「郊外化」の表れといえる。

また、個別要因として特筆すべきは「森ノ宮」である。2025年9月の大阪公立大学森之宮キャンパス開設に伴う学生需要の急伸が順位を押し上げた。大阪市がキタ・ミナミに次ぐ「ヒガシ」として位置づける同エリアは、2028年の新駅開業など複数の再開発案件が控えており、今後は学生のみならず、さまざまな層から注目される街になりそうだ。

ランキングTOP10の駅周辺の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す


近畿圏〈シングル向き物件〉人気上昇駅ランキングTOP10に入った駅の不動産情報は、それぞれ以下のテキストリンクから探すことができる。

【1位】 鶴橋駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【2位】 森ノ宮駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【3位】 奈良駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【4位】 芦原橋駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【5位】 立花駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【6位】 豊岡駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【7位】 高槻駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【8位】 西宮駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【9位】 彦根駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【10位】 野田駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す

近畿圏〈ファミリー向き物件〉人気上昇駅ランキングTOP10

近畿圏のファミリー向き物件の問合せ増加率ランキングは以下のとおり。
なお、ファミリー向きの定義は、「2DK、2LDK、3DK、3LDK、4DK、4LDK以上の間取り」としている。

近畿圏〈ファミリー向き物件〉人気上昇駅ランキングTOP10

LIFULL HOME'S総研 渋谷雄大の分析


ファミリー需要は「生活防衛力」の高い学研都市線沿線で急伸

LIFULLでは、2026年の住まいのトレンドワードとして「こちくら郊外」を発表した。リモートワークが定着し、通勤頻度が減った一部の人々が郊外に住居を求める動きを表したもので、「長浜」や「福知山」はそういった需要を反映している可能性がある。

【関連リンク】LIFULL HOME'S 2026年住まいのトレンドワード

また、大阪市のファミリー向き物件の賃料は2025年3月には12万7,473円で前年比+10.0%と大きく上昇。物価も上昇傾向にあるなかで、家計への圧迫は深刻だ。大阪市を除く大阪府の同物件賃料は前年同月比+3.5%にとどまっており、郊外で探すことで住居費を抑える動きは必然といえる。本ランキングに大阪市内の駅は「京橋」と「玉造」の2駅しか入っていない。

従来ファミリー層に人気とされた北摂エリアや阪急沿線の相場が高止まりするなか、2025年の繁忙期は、大阪市内への通勤利便性を確保しつつ、より割安感のあるJR学研都市線沿線(鴻池新田、四条畷、住道)の需要が高まった。これらは北新地や京橋へ直結する交通利便性がありながら、大型ショッピングモールも近く、通勤の「タイパ」と生活の「コスパ」を両立できる、「生活防衛力」の高い街といえるだろう。

なお、直近においても大阪市のファミリー向き賃料の上昇はとどまるところを知らない。2025年11月には賃料は14万4,579円(前年同月比+18.9%)と半年で実に2万円近く上昇。前年からの上昇率は東京23区(+14.5%)をも上回る。このことから、2026年の繁忙期も、ブランドよりも「生活防衛力」を重視する郊外化需要は継続するものと考えられる。

ランキングTOP10の駅周辺の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す


近畿圏〈ファミリー向き物件〉人気上昇駅ランキングTOP10に入った駅の不動産情報は、それぞれ以下のテキストリンクから探すことができる。

【1位】 長浜駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【2位】 吹田駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【3位】 鴻池新田駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【4位】 四条畷駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【5位】 京橋駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【6位】 草津駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【7位】 住道駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【8位】 鳳駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【9位】 福知山駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す
【10位】 玉造駅の不動産・住宅をLIFULL HOME'Sで探す

調査概要

対象エリア
大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、滋賀県、和歌山県

名称の定義
シングル向き:ワンルーム、1K、1DK、1LDK、2K
ファミリー向き:2DK、2LDK、3DK、3LDK、4DK、4LDK~

対象駅
2025年1月~3月のLIFULL HOME'Sでの問合せ件数が一定数以上の駅

算出方法
LIFULL HOME'Sに2024年1月~3月と、2025年1~3月に掲載された賃貸物件のうち、実際の問合せ数から増加率を算出しました。

※記事中のデータ等は「LIFULL HOME'S PRESS調べ」のクレジットを明記のうえ、本記事へのリンクを設定いただければ、自由にご使用可能です。

公開日: