郊外エリアを結ぶ「JR武蔵野線」沿線 家賃相場が安い駅ランキング
2023年2月10日に発表した「2023年 LIFULL HOME'S みんなが探した！借りて住みたい街ランキング 」では、本厚木が3年連続で1位となったほか、上位には大宮、八王子、柏がランクインするなど、Withコロナでの生活が長期化する中で利便性とコストのバランスに優れた準近郊・郊外エリアの人気が確立している様子が見て取れる結果となった。
都心への一極集中は当面継続すると見る向きもあるが、利便性とコストのバランスが取れた郊外人気も一定して続くだろう。そこで本記事では、郊外エリアから都心に通勤・通学する人が多く暮らす沿線「JR武蔵野線」にスポットをあてる。東京都心部から放射状に延びるJR各線や私鉄各線との乗換駅を環状に結ぶ沿線「JR武蔵野線」において家賃相場が安い駅の調査を行った。
ターミナル駅の近隣駅が上位に 1位は「市川大野」
「JR武蔵野線」沿線で家賃相場が安い駅ランキング、1位は千葉県市川市「市川大野」、2位は埼玉県所沢市「東所沢」、同順位には埼玉県さいたま市桜区「西浦和」、千葉県松戸市「新八柱」となった。千葉県4駅・埼玉県3駅・東京都3駅とエリアの大きな偏りはなく、各ターミナル駅の近隣駅が上位10駅にはまんべんなくランクインしている。
「JR武蔵野線」沿線 家賃相場が安い駅ランキング2023
市川大野駅から徒歩5分の位置にある万葉植物園。「万葉集」に登場する植物が植栽され観賞できる日本庭園である＜1位＞市川大野：東京まで約37分、舞浜まで約22分と、通勤通学、レジャーにも便利な街
1位には、都心への交通利便性に優れながら家賃が比較的安い「市川大野」がランクイン。東京まで乗り換えなしで約37分で行けるほか、千葉県屈指のターミナル駅である西船橋まで約8分、京成電鉄成田空港線が利用できる東松戸まで約2分と、都心への通勤・通学にも便利な街だ。
駅周辺の暮らしやすさを100点満点でスコア化したWalkability Indexでは総合スコア63と、駅周辺は住宅街が広がる落ち着いた雰囲気であるが、コンビニやスーパーなどは複数ある。また、東京ディズニーリゾート®のある舞浜駅まで電車で約22分、車があれば「ショッピングプラザ鎌ヶ谷」や「イオンモール船橋」などの商業施設にも約20分程度と、休日のレジャーや買い物にも便利なエリアである。
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市川大野のある千葉県市川市は古くから文教地区としても知られており、住民の口コミでは「ファミリーが多い」「閑静な住宅街がある」といった声が多く寄せられている。
2位には「東所沢」「西浦和」「新八柱」
2位には家賃相場が同価格帯となり3駅が並ぶ結果となった。
＜2位＞東所沢：ポップカルチャーの発信拠点として話題の街
2位となったのは埼玉県所沢市「東所沢」駅。1位の市川大野と同様、住宅街のイメージが強い駅であるが、2022年にKADOKAWAが国内最大級のポップカルチャーの発信拠点である「ところざわサクラタウン」をオープンさせたことで注目を集めている。同施設のオープンに伴い駅舎もポップなデザインにリニューアルされ、にぎわいが生まれている。
東所沢から東京までは約59分かかるが、池袋までは乗り換え1回で約36分、朝の時間帯には同駅始発もあるため座って通勤も可能だ。川越街道や所沢ICにも近く車中心の生活でも暮らしやすい街といえるだろう。
東所沢駅に住む人の口コミを見てみる【LIFULL HOME`Sまちむすび】
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2020年に駅舎前面やコンコースがリニューアルされた東所沢駅。文化発信拠点への玄関口となるよう「本＋本棚」をイメージした外観デザイン
西浦和駅から徒歩圏内には花見スポットとして有名な「桜草公園」もある＜同2位＞西浦和：ファミリーが日本一集まるさいたま市の街
同2位となった「西浦和」のあるさいたま市は、0～14歳の転入超過者数が8年連続日本で一番多い街である。住民の口コミでも「ファミリーが多い」「都会的だが公園もあり、買い物なども便利」といった声があり、子育て世帯に優しい地域といえるだろう。
通勤通学の交通アクセスは、隣の武蔵浦和で乗り換えれば池袋まで約33分、大宮まで約22分。駅周辺は住宅街が中心であるが、大宮や浦和周辺の再開発に続くように、2022年には「西浦和駅周辺まちづくり方針」が公開されるなど、駅前環境の整備も少しずつ進んでいくことが期待される。
西浦和駅に住む人の口コミを見てみる【LIFULL HOME`Sまちむすび】
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＜同2位＞新八柱：交通利便性が高く、子育て環境や駅周辺の商業・文化施設も充実
同じく2位となった千葉県松戸市「新八柱」は、隣接する新京成電鉄の八柱駅も利用できる。東京まで約46分、上野まで約35分と、都心への通勤通学に不便のないエリアといえるだろう。
新八柱駅のある松戸市は「SDGs未来都市」に選出されており、7年連続で待機児童ゼロを達成するなど、子育て施策にも力を入れている自治体だ。駅周辺には文化ホールもある広い都市公園「21世紀の森と広場」があり、ファミリーにうれしいスポットが点在している。住民の口コミでも「買い物のしやすさ」「運動に適した公園や道がある」といった声が挙げられている。
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駅北側には住宅街が広がり、南側には飲食店や大型スーパーなども豊富13位は「南越谷」 大型商業施設レイクタウンに隣接する利便性
トップ10には入らなかったものの、11位以下の駅で注目したいのが、13位にランクインした埼玉県越谷市の「南越谷」だ。駅前にはショッピングモール「新越谷VARIE」や「イオン南越谷店」など便利な商業施設が複数あり、また隣駅の越谷レイクタウン駅には家族連れで一日中楽しめる日本最大規模のイオンモールやアウトレットモールもある。南越谷から東京までは約51分かかるが、休日を近場で楽しめるエリアといえるだろう。隣接する東武スカイツリーライン「新越谷」駅と隣接し2路線を利用できるほか、駅前の「越谷サンシティ」でも大規模な建替え計画が進むなど、街の利便性を考えると割安な家賃といえそうだ。
利用者が増えるJR武蔵野線 これから開発が進む街にも注目
JR東日本の「路線別ご利用状況（1987～2017年度※5年毎）」によれば、JR武蔵野線の「府中本町～西船橋間」の平均通過人員（人/日）は、1987年にはは69,192人だったものが、年々右肩上がりを続け、2017年には167,717人、30年でおよそ2.4倍となった。これはJR山手線の約1.3倍、JR埼京線の約1.6倍、JR横浜線の約1.9倍よりもだいぶ大きな数字である。JR武蔵野線沿線の利用者数の増加傾向がうかがえる。
また、総務省発表の「住民基本台帳人口移動報告 2022年版」で、0～14歳の転入超過者数が多い市区町村として上位に上がることの多い、埼玉県さいたま市や千葉県流山市などを通る沿線であることからもファミリー層からの人気が高いことが分かる。
武蔵野線沿線ではさいたま市の副都心として位置づけられる武蔵浦和駅の駅前再開発や、新八柱駅と新松戸駅の間に新駅建設が検討されるなど、さらなる各駅の活性化が見込まれる。準近郊・郊外暮らしへの関心が高まるなか、ファミリーが暮らす街として注目したい沿線の一つだ。
再開発が進む武蔵浦和駅。2024年春には駅デッキ直結1分の立地にプラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナが完成予定■ ランキング調査概要
対象駅：JR武蔵野線の各駅（LIFULL HOME'Sの掲載物件数が10件以上）
対象物件：築40年以内、駅徒歩15分以内、専有面積15㎡以上100㎡未満の賃貸物件
対象期間：2022年11月～2023年1月
参考：
住民基本台帳人口移動報告 2022年（令和４年）結果
https://www.stat.go.jp/data/idou/2022np/jissu/youyaku/index.html#a1
JR東日本 路線別ご利用状況
https://www.jreast.co.jp/rosen_avr/
公開日:
