2017年の新成人人口は2年ぶりの増加
2017年は1月9日が成人の日だった。全国各地で新成人を祝う成人式が行われ、晴れ着に身を包んだ新成人を多く見かけたのではないだろうか。
総務省が2016年12月31日に発表した人口推計によると、2017年1月1日時点での20歳の新成人人口(平成8年生まれ)は、123万人で前年と比べて約2万人増加しており、新成人人口の増加は2年ぶりである。
この背景には、新成人が生まれた1996年(平成8年)は、第2次ベビーブーム世代(1971~1974年)の出産時期にあたり、出生数が増加したことが影響しているとみられる。なお、男性は63万人、女性は60万人で男女ともに1万人ずつ増加している。
しかし"増加した"といっても、2017年の新成人の人口は、過去最多だった1970年(昭和45年)の246万人と比べると半数にとどまっている。総人口に占める割合は0.97%と、7年連続で1%を下回っており、中長期でみると、新成人の減少傾向は続いているといえるだろう。
さらに、厚生労働省が公表した人口動態統計の年間推計によると、2016年生まれの子供の数は98万1000人と、1899年の統計開始以来、初めて100万人を割り込んでいる。2015年の合計特殊出生数(1人の女性が生涯に産むとされる子供の人数)は、1.45と過去最低だった2005年の1.26から上昇しているものの、20~30歳の女性の人口が減っているため出生数は下げ止まっていない。
十二支の中で最も少ない酉年生まれ
総務省から「酉年」にちなみ、2017年1月1日現在の「酉年」生まれの人口が公表されたので紹介したい。
2017年の干支である「酉年」生まれの人口は、男性が457万人、女性が486万人のあわせて943万人と十二支の中で最も少なくなっており、人口に占める割合は7.4%である。
この背景には、過去の酉年にあたる1945年が終戦の年となっており出生率が低かった影響や、団塊の世代(47~49年)と第2次ベビーブームのいずれにもあたらないことなどが考えられる。
また、生まれた年と同じ十二支の年を迎える「年男」は457万人、「年女」は486万人で、48歳になる1969年(昭和44年)生まれが最も多く、次いで36歳になる1981年(昭和56年)生まれが151万人、60歳になる1957年(昭和32年)生まれが145万人と続く。
酉年は政治や経済が激変する年?
干支にまつわる縁起話によると、「酉」という漢字は、元々"酒つぼ"を意味しており、「酒」に関する字に使われてきたという。収穫した作物を熟成させ、酒を抽出するという意味や、収穫できる状態であることから「実る」ということも表している。
過去の酉年に起こった出来事を振り返ると、新しい規制や法案が誕生したりすることも多く、政治を中心に世の中の大きな変化が起こった年でもあるようだ。
【過去の酉年の主な出来事】
■12年前(2005年)
・小泉内閣の郵政民営化をめぐった解散
・情報漏えいが相次ぎ、「個人情報保護法」が成立
・ペイオフ解禁で、1000万円超の預貯金も保護対象に
・日本が初めて人口減少に転じる
■24年前(1993年)
・戦後初めての政権交代、自民党55年体制が終わる
・「リストラ」、「規制緩和」が流行語に
・EU(欧州連合)が誕生
■36年前(1981年)
・「臨調(臨時行政調査会」初会合、「行革」始まる
・米国でレーガン大統領が「レーガノミクス」発表
■48年前(1969年)
・アメリカで「アポロ11号」初の月面着陸
■60年前(1957年)]
・EEC(欧州経済共同体)
・ソ連で世界初の人工衛星
■72年前(1945年)
・第2次世界大戦が終結
酉年である2017年は、ドナルド・トランプ氏のアメリカ大統領就任にはじまり、フランスでは大統領選挙、ドイツでは総選挙が行われ、日本でも東京都議会議員選挙など政治に関わるイベントが多くありそうだ。今年はどんな1年になるのだろうか。
人口推計の概要
■調査の目的
5年ごとに作成される国勢調査の間の人口について、その間の自然動態(出生及び死亡)、社会動態(出入国等)及び国籍異動の状況を反映して、各月1日現在及び各年10月1日現在の状態を明らかにすることを目的として作成する加工統計で、各種政策の企画立案や国民経済計算等の各種統計作成の基礎資料として利用されています。
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