日本の産業がわかる「経済センサス」調査

2012年から大手コンビニなどが販売をはじめたセルフ式の格安コーヒーや、ファーストフード店などでもカフェを併設するなど、喫茶(カフェ)業界は競争が激化している。経済センサスから、喫茶店の「いま」を見てみよう2012年から大手コンビニなどが販売をはじめたセルフ式の格安コーヒーや、ファーストフード店などでもカフェを併設するなど、喫茶(カフェ)業界は競争が激化している。経済センサスから、喫茶店の「いま」を見てみよう

調査の協力を促すCMを目にしたことがある人もいるかもしれない。「経済センサス」活動調査は、平成24年にスタートした新しい調査である。総務省、経済産業省、都道府県と市区町村が連携して実施され、現在実施中の平成28年度調査は、2回目となる。
「経済センサス」は、日本の包括的な産業構造を明らかにすることを目的としている。基礎調査と活動調査があり、基礎調査では会社や店舗の名称や所在地などの基礎情報が収集され、日本の産業の基本的な構造を把握するために実施される。活動調査は、全産業別の売上高・費用などの経理状況が収集され、地域別の経済状況が把握できる。工場や喫茶店、個人事務所など、すべての会社や店舗が対象となる大規模調査である。

平成26年に実施された経済センサス調査を紹介した『経済センサスから分かる日本の「いま」』が2016年5月28日に、総務省より発表された。
その中から、今回は喫茶店の「いま」についてご紹介したい。日本人は喫茶店でどれくらいの金額を支出しているのだろうか?全国平均ではどれくらい利用されているのか、知っているようで知らない喫茶店事情について見てみよう。

名古屋市が喫茶店支出金額で全国1位!

二人以上の世帯の家計調査によると、平成25年~27年の全国の喫茶店の支出金額平均は5,770円。では、県庁所在地、および政令指定都市別に見たとき、どのエリアが最も喫茶店に支出しているのだろうか?
トップ10は下記のような結果になった。

<喫茶店の支出金額> 平成25年~27年
第1位 名古屋市    14,301円
第2位 岐阜市     13,894円
第3位 東京都区部  8,879円
第4位 神戸市     8,503円
第5位 川崎市     8,059円
第6位 大阪市     7,767円
第7位 京都市     7,387円
第8位 横浜市     7,367円
第9位 奈良市     7,221円
第10位 さいたま市 6,453円


1位となった名古屋市といえば、喫茶店のモーニングが有名である。コーヒー1杯の金額に無料でトーストやゆで卵、サンドイッチが付いてくるなど、他のエリアと比較して名古屋のモーニングのサービスはケタ違いと言えるだろう。名古屋市は喫茶店の事業者数、従業員数、人口当たりの従業員数など、さまざな項目で上位に上がっている。競争相手が多いため、独自の進化を遂げたのかもしれない。全国平均5,770円の約3倍、最下位だった青森市の1,939円の約7倍の支出である。
2位の岐阜市は13,894円と、名古屋市と比較しても僅差であった。東海の2都市の支出金額は3位の東京を大きく引き離している。上位10位のエリアを見ると、おおむね西日本と関東圏の都市が多くランクインする結果となった。
ちなみに、外食(和食)の支出金額も全国トップは名古屋市で43,167円、2位も喫茶店と同様に岐阜市で37,862円。(全国平均は22,642円)
中華食(外食)の支出でも1位は名古屋市で9,013円、2位は神戸市で7,501円、3位に岐阜市が7,460円でランクインしている。(全国平均は4,757円)
名古屋市や岐阜市に住む人は、喫茶店や和食・中華などの外食にかける支出が全国トップクラスであるようだ。

品目別都道府県庁所在地、および政令指定都市ランキング(平成25~27年平均)出典:家計調査(二人以上の世帯)総務省統計局品目別都道府県庁所在地、および政令指定都市ランキング(平成25~27年平均)出典:家計調査(二人以上の世帯)総務省統計局

人口当たりの喫茶店数が最も多い県は?

平成26年の全国にある喫茶店の事業所数は、69,977であった。都道府県別に見ると、最も多いのは大阪府で9,337、2位は愛知県の8,428、3位は6,999の東京都である。日本の主要都市に多くあることは妥当な結果だと言えるが、では、人口当たりの喫茶店の数が多い県はどこであろう?

<人口一千人当たりの喫茶店数> 上位10府県 ※平成26年。()は事業所数
第1位 高知県  1.56(1,154)
第2位 岐阜県 1.43(2,916)
第3位 愛知県 1.13(8,428)
第3位 和歌山県 1.13(1,094)
第5位 大阪府 1.06(9,337)
第6位 兵庫県 0.97(5,389)
第7位 香川県 0.93(914)
第8位 京都府 0.92(2,393)
第9位 三重県 0.86(1,578)
第10位 福井県 0.83(657)


上位10位は全て西日本が占めている。また、人口一千人当たりの喫茶店数の全国平均0.55と比較して、1位の高知県、2位の岐阜県は特に人口当たりの店舗数が多いようだ。

私たちの身近な存在である喫茶店、実は年々減少を続けている。平成21年の事業所数は77,026、平成24年は70,454で、平成26年には69,977と前回調査から0.7%減少している。
前回調査と比較して、法人経営の喫茶店が8.8%増加する中、個人経営は3.3%減少しており、特に個人経営の店舗が減っている状況なのだ。

個人経営と法人の割合を比較すると、地域によっての差が大きいようだ。都道府県別に見ると、法人の割合が最も高いのは東京都で53.3%。次いで神奈川県47.5%となっている。個人経営は和歌山県が92.3%、次に高知県が91.9%、沖縄県が87.7%だった。特に、東京都の一部では突出して高く、千代田区の法人割合は81.6%、港区77.2%、渋谷区は77.4%である。

2015年に、スターバックスが47都道府県のなかで唯一出店していなかった鳥取県に店舗をオープンし話題になった。スターバックスは全国に1,000店舗超出店しているが、そのうちの298店は東京都内にある。先に挙げた和歌山県では5店舗、高知県は4店舗であった。法人の喫茶店の出店状況は都市と地方により大きく異なることはこの例を見ても分かりやすい。

チェーン店に代表される法人の喫茶店は、いつでも一定のサービスが受けられるというメリットがある。だが、個人経営の喫茶店にあるオリジナルのメニューや独自サービスもまた面白みがあるのではないだろうか。
地域差の大きい喫茶店事情、自分の地元や住んでいる地域はどうだったのか?気になる人は調査結果を確認してほしい。

経済センサスから分かる日本の「いま」より経済センサスから分かる日本の「いま」より

調査概要

統計トピックスNo.95:経済センサスから分かる日本の「いま」 
-平成26年経済センサス-基礎調査結果から-
発表:総務省 平成28年5月27日

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2016年 07月17日 11時00分