三者から見た今後の住宅市場の見通し

住宅金融支援機構は、2015年9月29日に「平成27年下期における住宅市場動向」を公表した。住宅事業者、一般消費者、ファイナンシャルプランナーの三者に対し、今後の住宅市場の見通しなどについて半年ごとにアンケート調査を行ったものだ。今回は平成27年度下期(平成27年10月~平成28年3月)の見込みについて公表された最新のデータとなる。

現在、住まいの購入や住み替えなどを検討されている人にとっては、ファイナンシャルプランナーや住宅事業者、いわゆる専門家である人たちが住宅市場をどのように捉えているのかはひとつの参考になる。前回の記事では本調査より「住宅の買い時感」についてお届けした。今回は「住宅事業者と一般消費者が重視するポイント」の調査結果を振り返る。

一般消費者と住宅事業者が最重要視する「建物の性能」の違い

住宅事業者に「今後の重点的取組事項は?」と質問した結果、「建物の性能」55.4%が最も多く、次いで「土地の仕入れ」41.3%、「住宅プランの提案力」30.5%となった。

一般消費者への「住宅事業者選びで重視するポイントは?」という質問については、回答の多かった順に「建物の性能」54.9%、「立地」45.5%、「デザイン」32.9%となっており、住宅事業者、一般消費者ともに「建物の性能」を重要視していることがわかる。

では両者が重視する「建物の性能」についてさらに調査結果を見てみると、住宅事業者は「建物の性能で重視する事項は?」の質問に対して、「省エネルギー性」が90.4%と一番多く、その後に「耐震性・耐火性」53.7%、「高耐久性」46.3%となった。

同じ質問に対する一般消費者の回答で最も多かったのが「高耐久性」66.1%、次いで「耐震性・耐火性」54.6%、「省エネルギー性」40.6%だった。

大枠の方向性は「建物の性能」を重視する傾向にあり合致していたが、さらに細かく見てみると「省エネルギー性」を最重要視する住宅事業者と、建物のそのものの劣化しにくさや丈夫であることを最重要視する一般消費者で差異が発生していることがわかった。

住宅金融支援機構「平成27年下期における住宅市場動向」を参照し作成住宅金融支援機構「平成27年下期における住宅市場動向」を参照し作成

住宅取得に関するファイナンシャルプランナーのアドバイスは?

住宅金融支援機構「平成27年下期における住宅市場動向」を参照し作成住宅金融支援機構「平成27年下期における住宅市場動向」を参照し作成

住まいの購入を検討している人のなかには、住まいを購入した周囲の人や不動産会社の営業担当者などに今後相談をしたいと考えている人もいるかもしれない。
まだ検討段階でファイナンシャルプランナーへの相談は敷居が高い、という方は本調査へ回答したファイナンシャルプランナーの住宅取得に向けたアドバイスを参考にしてほしい。
「これから半年(平成27年10月~平成28年3月)に住宅取得を検討されているお客さまへのアドバイスポイントについて」ファイナンシャルプランナーのコメントを一部抜粋する。

■消費税増税だけでなく、むしろ今後の金利上昇リスクを考えれば、歴史的低金利であるうちに、固定金利でローンを借りたほうがよい。
■住宅取得のニーズのある方にとって、金利環境は依然として低水準。資金計画が立てやすく金利リスクのないフラット35は有利。
■今後は消費税が10%に。それにともなって様々な制度が変化するので、内容を理解すること。経済対策も様々に行われているので、上手に活用できるように。
■住宅取得の環境としては、とてもよい時期。ただし、将来の教育資金や老後資金も十分念頭に置いて堅実な資金計画を立ててほしい。


ファイナンシャルプランナーのアドバイスからは、低金利やフラット35Sの金利引下げ幅拡大、省エネ住宅ポイントなどの経済対策を踏まえ金利リスクのない全期間固定型の住宅ローンを勧める声などが聞かれた。
なお、本調査でフラット35Sの金利引下げについて、一般消費者へ「内容についてご存知ですか?」と質問したところ、「よく知っている」と回答したのが31.8%と全体の3割程度に留まり、「聞いたことはある」47.4%、「まったく知らない」20.8%と、あまり認知されていないことが分かった。
フラット35Sは全期間固定型ローンで、省エネルギー性、耐震性などに優れた住宅を対象に金利を一定期間引き下げる制度だ。こういった情報に加えて、住宅ローン減税などの住宅関連税制やすまい給付金制度など、自分が活用できるものがあるか、期限などを事前に把握しておきたい。

調査概要

調査実施:住宅金融支援機構
調査方法:住宅事業者(ヒアリング・郵送など)回答数672
     ファイナンシャルプランナー(ヒアリング・郵送など)回答数53
     一般消費者(インターネット調査)回答数1,100
調査時期:住宅事業者及びファイナンシャルプランナー(平成27年7~8月)
     一般消費者(平成27年8月)
調査項目:利用した住宅ローンの金利タイプに関する事項

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2015年 11月13日 11時06分