分かりにくいエコキュートの実態を詳細に説明したサイト

賛否両論のエコキュートだが、実際にネットで調べてもよくわからない。
電気業界側のページでは給湯費用が月1,500円(年1万8,000円)みたいなことが書かれているし、ガス業界側のページでは年5万円近くかかると書かれていることさえある。

実際にどうなのか、ということを自分なりに再検証している最中で、分かりやすいサイトを見つけた。
「Smarthouse DIY」というサイトで、例えば『エコキュートの消費電力と電気代:湯切れってどのぐらい発生するの?』というページなどがある。消費電力と電気代の試算や比較だけでなく、エコキュートの仕組みまで詳しく説明されているサイトなのだ。

エコキュートが発売されてから既に14年が経過しているが、これほど詳しい解説は見たことがなかった。私自身知らなかったこともたくさんあり、まさに“このサイトに教えて頂く”ということになった。ちなみにこのページの著者は某研究機関に勤めながら断熱性能の良い住宅メーカーにて家を建てたという方だ。これだけ賢い方が、断熱性能を重点として、住宅メーカーを選び家を建てるということも見逃せない事実だと思う。

「Smarthouse DIY」というエコキュートをわかりやすく検証したサイト「Smarthouse DIY」というエコキュートをわかりやすく検証したサイト

エコキュートの年間電気代試算

エコキュートの年間電気代はなかなか分かりにくいエコキュートの年間電気代はなかなか分かりにくい

私がまず最初に調べにかかったのが国の基準だ。それによると、年間の一次エネルギー使用量は東京で、

・エコジョーズ18.6GJ
・太陽熱温水器4m3併用して11.8GJ
・エコキュートは16.7GJ

となっている。

これを見るとエコキュートもあながち悪くないように思われる。まずは、簡単なガスの計算からやってみたい。

・18.6GJ=18600MJ=5167kWh

ガスは12.8kW/m3、立米単価は約170円なので、

・(5167/12.8)×170=68,624円(1年)

という計算となる。

同様の計算を太陽熱温水器についても行ったところ、太陽熱温水器によるガス代削減分は25,088円(1年)となる。その結果、ガス代は43,536円となる。仮に太陽熱温水器による追加費用が25万とすると、機器コストの回収年数はちょうど10年という結果となる。これは国の資料からの計算だが、おそらく太陽熱温水器はフラットパネル型で計算されている。

寒い時期に強い、真空管式の太陽熱温水器でも計算してみた。真空管式を3m3設置したとすると、年間で都市ガス223m3分節約できることになる。これは金額換算すると37,910円の節約となる。結果としてガス代は30,714円となり、同じく追加費用が25万とすると回収年数は6.6年となりこちらの方がかなり優れた結果となった。

次にエコキュートだ。最初の計算はガスと同じである。

・16.7GJ=16700MJ=4639kWh(一次エネルギー)

これは発電所で使っているエネルギーなので、家庭で使っているエネルギーに変換する必要があある。

・4639/2.7=1718kWh

エコキュートは本来全て深夜電力の時間帯に動きそうな気がするが、最初に紹介したサイトを精査すると92%が深夜電力、8%がそれ以外の時間帯に稼働している。例として関西電力のそれぞれの単価をはじくと、深夜電力11.07円/kWh、その他の時間帯28.9円/kWhとなる。それらを按分計算すると、国の資料から導き出したエコキュートの年間電気代は、19,217円と出てくる。

国のエネルギー政策で左右はされそうだが…

当社のOBのお客様も、エコキュートの方とエコジョーズの方、両方が存在する。双方に関わってきて思った感想は、「今までは確実にエコキュートの方が安かった」ということだ。

しかしながらこれは今までのことであって、原発如何、電力自由化如何、シェールガス輸入如何によっては、これから何が最も安くなるのかは誰にも分からないというのが正直なところである。

このサイトの著者は自ら「お湯を大量に使う方だ」と書かれている。
その場合のエコキュートの電気代はサイトによると、35,000円となっている。国の想定からは84%オーバーだが、それでもエコジョーズの平均的なガス代は下回っていることがわかった。そのことが、今回様々な計算をしてみて得た一番の収穫であった。

くれぐれも注意しなければならないのが、これは東京程度の温度地域であるということだ。寒冷地に行けば行くほどエコキュートは不利となる。

ちなみに、どのあたりで逆転するのか…ということについては、まだ私には分かっていない。

原発如何、電力自由化如何、シェールガス輸入如何によっては、これから何が最も安くなるのかは誰にも分からない原発如何、電力自由化如何、シェールガス輸入如何によっては、これから何が最も安くなるのかは誰にも分からない

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