5つの勘違い

購入した家を、ローン破綻により手放す、なんて事にならないよう、熟考したいもの。しかし、実際に支払えなくなった時にはどのように対応するべきなのか?購入した家を、ローン破綻により手放す、なんて事にならないよう、熟考したいもの。しかし、実際に支払えなくなった時にはどのように対応するべきなのか?

家を買うときには変動か固定か、どこの金融機関でいくらの金利で借りた方がいいのか?この点に悩まれることが多いと思う。そう考えるのも、住宅ローンが支払えなくなり家を手放すことにならないようにするため、だと言える。

では、実際に住宅ローンを支払えなくなったどうなるのだろうか?お客さんの中には「すぐ競売とかで家を売らないといけないのですか?」「支払えなくなったら追い出されるの?」と考えられている方がいるが、実はそうはならないのでご安心いただきたい。ただ、このように住宅ローンが支払えなくなったときに勘違いすることが幾つかある。

今回のコラムでは住宅ローンが支払えなくなったときの5つの勘違いを検証してみたい。但し、個々人が金融機関と結ぶ金銭消費貸借契約の内容によって細かな対応は異なるので、100%その通りになるかというとそうではないのでご注意いただきたい。
では、以下がその5つの勘違いだ。

1)住宅ローンの支払いが滞ったらすぐに退去しなくてはならない。
2)住宅ローンの支払いができなくなっても半年後のボーナスで支払えば大丈夫。
3)住宅ローンの支払いができなくなったら金融機関に相談できない。
4)住宅ローンの支払いを1回でも滞ったらブラックリストに載ってしまう。
5)住宅ローンの支払いができなくなると金融機関が勝手に家を売り出してしまう。
おおむねよく出てくる勘違いは上記の通りである。

滞納数ヵ月後には融資全額を返すことに

1)住宅ローンの支払いが滞ったらすぐに退去しなくてはならない。
このように受け取られる方は多いが、実はそのようなことはなく、おおむね住宅ローンの返済猶予期間は3ヵ月から1年ほどある。意外に猶予期間が長いように思えるが、大多数の金融機関は3ヵ月ほど過ぎると借入残高の一括の返済を求めてくる。
仮に借入残高が2,000万円で月々8万円を支払っているのなら、3ヵ月以内の滞納なら月8万円×3ヵ月分を支払えば穏便に済ましてくれたところ、3ヵ月を越したら「融資をしていた2,000万円を返して下さい」ということになるのだ。そのため、今まで通りに月々で支払う猶予期間でないことに注意が必要だ。

ここから、
2)住宅ローンの支払いができなくなっても半年後のボーナスで支払えば大丈夫。
というのも勘違いであることが分かると思う。半年後にどうにかしようと思っても、残高の一括返済でないといけなくなることがあるのだ。月々の支払いで困っているのだから、残高の一括返済は到底無理ではないだろうか。「大丈夫!」と安易に思っていたら痛い目に合うのだ。

まず最初に相談をする相手は?

3)住宅ローンの支払いができなくなったら金融機関に相談できない。
よく住宅ローンが支払えなくなったという方のお話を聞いていると、融資を受けている金融機関から「最近住宅ローンをお支払いいただいておりませんが…」と連絡が来るまでは、金融機関に相談をして解決しようと思わなかったという。ただ、これはもったいないことだと思う。
滞納した後では当人の信用はなくなるため取れる対策は限られてしまうが、滞納しそうな前であれば金融機関としても借り換えその他、取れる対策は滞納した後と比べて多くあるのだ。「なぜ滞納する前に相談をして頂けなかったのですか?」滞納した人が金融機関からよく言われる言葉である。もうこれ以上住宅ローンを支払えなそう…というのであれば、まずは融資元の金融機関に相談するのが第一歩だ。

4)住宅ローンの支払いを1回でも滞ったらブラックリストに載ってしまう。
お金を借りたときに、金融機関がその顧客情報を「信用情報機関」に登録をする。普通に支払い続けていれば問題はないが、そのお金を一定期間返済が滞ったりしたときに「事故情報」として登録され、それを他の金融機関が見たときに、「この人は他の金融機関で借入れを延滞をしているのでお金を貸すのを辞めよう」となるのを、俗称として「ブラックリスト」と呼んでいる。
ということで、ブラックリストは一定期間の返済を滞納した場合。1回の延滞ならそうそう信用情報機関に事故情報として載せることはないので、大丈夫だと考えられる。(延滞しないにこしたことはないが…)

ローンの支払いが危うくなったら、まずは融資元の金融機関に相談を。</br>滞納する前であれば、金融機関側としても対策を提案できるものだローンの支払いが危うくなったら、まずは融資元の金融機関に相談を。
滞納する前であれば、金融機関側としても対策を提案できるものだ

金融機関に勝手に家を売られてしまう?

5) 住宅ローンの支払いができなくなると金融機関が勝手に家を売り出してしまう。
支払いができなくなると、頭に思い浮かぶのはまずこのことだという人が多い。
住宅ローンの支払いが滞るとおおまかに次の3つの段階で手続きが進む。
①住宅ローンを滞納し金融機関から返済を求められる段階
②滞納が数ヶ月ほど過ぎて金融機関から家の売却を勧められる段階
③滞納から半年以上過ぎて競売になる段階

金融機関が勝手に家を売り出してしまう段階は③(厳密にいうと競売の開札日)であるから、それ以前は所有者自身で家を売るか、それとも借入残高の一括返済をするかは自由に決められる。例え競売になったとしても、所有者がお金を用意したり、買う人を見つけてくれば金融機関が承諾するなら競売を取り下げることも可能なのだ。
住宅ローンの支払いが滞ると同時に、金融機関が勝手に家を売り出してしまうことはないのである。

以上、5つの勘違いについて書いてきたが、住宅ローンを滞納した場合の、細かな取り決めは皆さんが金融機関から住宅ローンを借りるときに交わす「金銭消費貸借契約」に書かれている。滞納をするのが前提で住宅ローンを借りる方はまずいないと思うが、そうは言っても住宅ローンを借りる期間は長期間に渡るモノ。何があるのか分からない。そのような時にどうすれば家を守れるのか、解決方法があるのか、事前に想定しながら金銭消費貸借契約を読み込んでおく方がいいだろう。万一のときに必ず役に立つはずだ。

2015年 03月13日 11時06分