北千葉道路の整備事業が進行中

日常的に車を運転していると、「いつも同じ場所が渋滞している」または「この道路工事はいつまでやっているのだろう」と感じることが少なくないはずだ。そして「もう少し便利な道路をつくってほしい」と不満を口にすることも――。

だが、道路をつくることは一般の人が考えるほど簡単ではない。まずはどのような道路をつくるか計画し、現地調査、設計、用地取得、住民説明会などを経てやっと工事に着手できる。

現在、整備計画が進行中で、周辺住民から完成が待たれている道路に千葉県の北千葉道路(市川・松戸区間)がある。この計画について2024年12月に進捗が見られた。一体どのような計画なのか、完成したらどのようなメリットがあるのかなどを解説しよう。

北千葉道路の変遷

北千葉道路は、首都圏と成田国際空港を最短ルートで結ぶ国道464号の一部で、総延長約43kmの道路だ。整備計画は次のような経緯で進捗してきた。

1969年:市川市ー印旛村間(32㎞)の都市計画決定
1980年:「成田空港周辺都市計画調査」により成田国際空港への延伸構想が浮上
1985年:「首都改造計画」により東京都心ー千葉ニュータウンー成田国際空港を結ぶ構想となる
2012年:千葉ニュータウン内堀割部(白井市谷田ー印西牧の原駅付近)6.5㎞が開通
2021年:北千葉道路(市川・松戸区間)の専用部1.9㎞、一般部3.5㎞が国により新規事業化

北千葉道路の総延長は43㎞。そのうち北千葉道路(市川・松戸)は、東京都側の3.5㎞となる(千葉県の資料を一部加工)北千葉道路の総延長は43㎞。そのうち北千葉道路(市川・松戸)は、東京都側の3.5㎞となる(千葉県の資料を一部加工)

北千葉道路「市川・松戸区間」の計画が一歩前進

千葉北道路(市川・松戸区間)と接続する外環の北千葉JCTは、すでに工事に着手している(出典:国土交通省資料)千葉北道路(市川・松戸区間)と接続する外環の北千葉JCTは、すでに工事に着手している(出典:国土交通省資料)

北千葉道路は現在、鎌ケ谷市から成田市までの約30kmが開通している(一部暫定)。今回紹介する市川・松戸区間は、市川市堀之内から同市大町までの約3.5㎞区間だ。2024年12月20日、そのうちの約3.2㎞について都市計画事業承認・認可が告示された。これは千葉県などの施行者が、国土交通大臣または千葉県知事からの承認・認可を受けて事業を進める手続きに入るということだ。なお、2018年に開通した外環にはすでに市川・松戸区間と接続する北千葉JCT(仮称)の工事が進められている。

分かりにくいと思うので、事業の完成までの流れに沿って説明しよう。

道路完成までの流れ
1. 現地測量
2. 道路設計(概略)
3. 地質調査・道路設計(詳細)
4. 都市計画事業承認・認可
5. 都市計画法第66条に基づく説明会
6. 道路区域の決定
7. 用地の測量
8. 用地の交渉と契約
9. 工事
10.完成

現在は「4.都市計画事業承認・認可」まで進んだので、今後は地権者等に対して説明会を開催し、用地買収に着手することになる。

渋滞の緩和や事故の減少、企業誘致の促進に期待

では、実際にどのような道路が完成し、そのことで私たちの生活がどのように便利になるのか説明しよう。

北千葉道路(市川・松戸区間)の構造
北千葉道路(市川・松戸区間)の構造は、自動車専用の4車線と一般国道の4車線に分かれている。専用部は区間によってトンネルまたは高架となる。この構造によって沿道環境や安全性に考慮した整備を目指すとしている。

北千葉道路(市川・松戸区間)の構造は、区間によってトンネルまたは高架となる(出典:国土交通省資料)北千葉道路(市川・松戸区間)の構造は、区間によってトンネルまたは高架となる(出典:国土交通省資料)

現状の課題
課題①
現在の国道464号の松戸隧道ー高塚十字路周辺では、国道298号や外環に向かう交通で慢性的な渋滞が発生し、京葉JCTや三郷JCTへのアクセス性が低下している。

課題②
国道464号松戸隧道ー高塚十字路の死傷事故率は、千葉県内の平均を上回り、過去4年間で85件も発生している。その要因のひとつが渋滞による追突事故で、85件中35件となっている。

課題③
市川市や松戸市には、物流拠点となる工業団地や工場が数多く点在している。しかし、北千葉道路(市川・松戸区間)周辺はICアクセスの空白地帯となっており、高速道路へのアクセス性が低くなっている。

道路完成後のメリット
メリット①
国道464号の渋滞が緩和され、外環へのアクセス性も向上する。たとえば、高塚十字路交差点から京葉JCTへの所要時間は20分から6分に短縮されるなど、14分も差がでる。

メリット②
国道464号の渋滞緩和によって、衝突事故が約2割減少すると見込まれている。

メリット③
現状の周辺4市のIC15分圏域は、地域面積の41%だ。それが道路開通によって54%に拡大する。物流が便利になることで、企業誘致が進むと期待されている。

北千葉道路(市川・松戸区間)の構造は、区間によってトンネルまたは高架となる(出典:国土交通省資料)北千葉道路(市川・松戸区間)周辺4市のIC15分圏域は、地域面積の41%。それが道路開通によって54%に拡大する(出典:国土交通省資料)

誰もが納得できる着地点で無事に開通を

このほかにも周辺からはさまざまな期待の声が上がっている。たとえば、市川市内は昔ながらの街並みで道幅が狭い地域が少なくない。そこを国道464号の渋滞を避けるために通過する車が多く、歩行者などは危険を感じることもある。渋滞の緩和によって、このような事態の減少も期待されている。

同事業の説明会は、2025年1月31日から2月2日にかけて行われた。今後は用地の測量や買収に進んでいくはすだ。誰もが納得できる着地点で無事に開通を迎えてほしい。