子育て世帯など若い世代の人たちにとってつらい光熱費の高騰

燃料調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金の値上げで、電気料金は上昇傾向にある燃料調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金の値上げで、電気料金は上昇傾向にある

最近、光熱費の高騰を痛感している人は多いのではないだろうか。テレビなどを見ていると、月の電気代が数万円単位で増えたという話も聞く。実際に電気代は上昇しており、各電力会社のなかで最も上がり幅が大きい中部電力の平均モデルを確認すると、2021年1月時点で6,056円だったものが、2022年12月には9,189円となっている。3,000円以上も値上がりしているのだ。

このような光熱費の高騰は、特に子育て世帯など若い世代の人たちにとってはつらいだろう。そこで政府は、高い省エネ性能を有する新築住宅の購入や省エネ改修等を行う子育て・若者夫婦世帯に対して最大100万円を補助し、同時に2050年のカーボンニュートラルの実現も図る「こどもエコすまい支援事業」を実施する。

「こどもみらい住宅支援事業」との違い

こどもエコすまい支援事業は、2022年11月8日に閣議決定された2022(令和4)年度補正予算案に盛り込まれたもので、2023年3月下旬から交付申請を開始する。

同事業と似たものに前年度の2021(令和3)年度の補正予算で実施された「こどもみらい住宅支援事業」(2022年11月28日で交付申請の受付を終了)というものがあったが、その主な違いは1点だけ。こどもみらい住宅支援事業は、ZEH住宅(Nearly ZEH、ZEH Ready 、ZEH Oriented等を含む)だけでなく、「高い省エネ性能等を有する住宅」と「省エネ基準に適合する住宅」の合計3つが対象となっていたが、こどもエコすまい支援事業では、ZEHレベルの住宅のみとなる。よりハードルが高くなったというわけだ。ZEH住宅等の内容は、以下の関連記事で確認してほしい。

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太陽光パネルを設置した住宅(画像はイメージ)太陽光パネルを設置した住宅(画像はイメージ)

「こどもエコすまい支援事業」の概要

それでは、「こどもエコすまい支援事業」の詳しい内容を解説していこう。

補助対象

補助の対象は以下となる。

・注文住宅の新築
・新築分譲住宅の購入
・リフォーム

ただし、注文住宅の新築と新築分譲住宅は、子育て世帯または若者夫婦世帯が取得する場合に限る。子育て世帯とは、申請時点において2022年4月1日時点で18歳未満の子どもがいる世帯。若者夫婦世帯とは、申請時点で夫婦であり、2022年4月1日時点で夫婦のいずれかが39歳以下の世帯だ。

補助上限額

補助上限額は以下の通り。

・注文住宅の新築または新築分譲住宅の購入

100万円

・リフォーム

実施する補助対象工事および工事発注者の属性などに応じて5万円から60万円

補助金の還元方法

補助金の申請手続きや還元は、こどもエコすまい支援事業者が行う。同事業者は、事前に事務局へ登録を行った建築事業者やリフォーム事業者のことだ。そのため、一般消費者への還元方法は、次のいずれかになる。

①工事代金に充当する方法
②現金で支払う方法

対象期間

・契約日の期間

不問

・対象工事の着手期間

2022年11月8日以降

・交付申請期間

2023年3月下旬から予算上限(1,500億円)に達するまで(遅くても2023年12月31日まで)

子育て世帯または若者夫婦世帯を対象とする子育て世帯または若者夫婦世帯を対象とする

補助対象となる建物・工事は?

注文住宅、分譲住宅の条件

注文住宅、分譲住宅ともに補助対象となる建物は、次の7つの条件を満たす必要がある。

①所有者(建築主)自らが居住する
②住戸の床面積が50m2以上である
③土砂災害防止法に基づく、土砂災害特別警戒区域外に立地する
④都市再生特別措置法第88条第5項の規定により、当該住宅に係る届出をした者が同条第3項の規定による勧告に従わなかった旨の公表がされていないもの
※この部分は非常に専門的なので、該当するかどうかは支援事業者へ確認してほしい。
⑤未完成または完成から1年以内であり、人が居住したことがないもの
⑥証明書等により高い省エネ性能(ZEH、Nearly ZEH、ZEH Ready、ZEH Orientedレベル、または、認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅レベル)を有することが確認できるもの
⑦交付申請時、補助額以上の工事完了が確認できるもの

リフォームの条件

リフォームの場合は、次の2つの条件を満たす必要がある。

①こどもエコすまい支援事業者と工事請負契約等を締結し、対象のリフォーム工事を行うこと
②リフォームをする住宅の所有者等であること

・対象となるリフォーム工事

対象となる工事は以下の8つだ。ただし、④~⑧については①~③のいずれかと同時に行うことで補助の対象となる。

①開口部の断熱改修
②外壁、屋根、天井または床の断熱改修(いずれか必須だが例外あり)
③エコ住宅設備の設置(節水トイレなど)
④子育て対応改修(ビルトイン食洗機など)
⑤防災性向上改修(暴風に強い窓など)
⑥バリアフリー改修
⑦空気洗浄機能・換気機能付きエアコンの設置
⑧リフォーム瑕疵保険等への加入

申請手続きは支援事業者が行う

交付申請等は、建築主が自らできないので注意が必要だ交付申請等は、建築主が自らできないので注意が必要だ

申請の基本的な流れは次のようになっている。

注文住宅の新築・新築分譲住宅の場合

①支援事業者に登録
②工事請負契約(分譲の場合は売買契約)
③着工
④予約申請(任意。申請は支援事業者が行う)
⑤交付申請(補助金以上の工事の完了後)
⑥交付決定・補助金の交付(事務局→支援事業者)
⑦完成・引き渡し(支援事業者から建築主へ還元)
⑧完了報告(支援事業者→事務局)

リフォームの場合

①支援事業者に登録
②工事請負契約
③着工
④予約申請(任意。申請は支援事業者が行う)
⑤工事完了
⑥交付申請(すべての工事の完了後に申請)
⑦交付決定・補助金の交付(事務局→支援事業者)
⑧還元(支援事業者から工事発注者へ還元)

交付申請等は、建築主が自らできないので注意が必要だ基本的な申請の流れ(新築、リフォーム共通)。手続きはすべて支援(補助)事業者が代行して行う(出所:国土交通省「こどもエコすまい支援事業について」)

メリットは補助金だけではない、財布にも体にもやさしい

ZEH仕様の住宅は、今の省エネ基準の住宅より光熱費を年間5万円前後抑えることができる(東京23区の場合)(出所:国土交通省「省エネ住宅で節約できる年間の光熱費、住宅の断熱化による健康への好影響」)ZEH仕様の住宅は、今の省エネ基準の住宅より光熱費を年間5万円前後抑えることができる(東京23区の場合)(出所:国土交通省「省エネ住宅で節約できる年間の光熱費、住宅の断熱化による健康への好影響」)

そもそもZEH水準の省エネ住宅は、財布にも体にもやさしい。国土交通省の資料によると、年間の光熱費は値上がり前(2017~2019年度の平均)でも現在の省エネ基準より4万6,000円安くなり、値上がり後(2021年10月~2022年9月の平均)では5万3,000円も安くなる。また、高断熱な住宅は、コレステロール値を下げたり、睡眠の質が向上するといった健康へ好影響を与えるというデータもある。家の建築、またはリフォームを検討するなら、ぜひ「こどもエコすまい支援事業」の利用できる住宅を選択肢に入れたい。

ホームズ君

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