「ルネ西宮甲子園」は、兵庫・西宮市に誕生した大型マンション
マンションは集合住宅という構造上の特性から、間取りプランをつくる際の制約が多い。そのため、⻑⽅形の2LDKや3LDKの間取りの場合、どうしても似たようなプランになってしまい、特徴が出しづらい。
ところが「ルネ⻄宮甲⼦園」では、⻑⽅形の70m2台の広さでありながら、通常の2LDKや3LDKの概念を覆す、これまでにない間取りが完成したということで、注目を集めている。実際の部屋が3タイプ⾒学できるので、その斬新な間取りを体感してきた。
「ルネ⻄宮甲⼦園」は、兵庫県⻄宮市の浜甲⼦園に誕⽣した総⼾数172⼾の⼤型マンション。阪神甲⼦園球場があるあたりといえば、関⻄に地縁のない⼈でもなんとなく場所がイメージできるのではないだろうか。南向き中⼼で、住⼾⾯積は68.44m2〜90.10m2。開放感ある街並みと豊かな⾃然環境が魅⼒のファミリーマンションである。
既存の2LDK、3LDKの概念を覆す「aiMa」誕生
その新提案の間取りの名称は「aiMa(アイマ)」。住まう人それぞれが、あたらしい「発見」や「楽しみ」を見つけることができる住まいを目指したもので、家族の成長とともに、「住まい方」を変えていける新しい発想の間取りである。
今回の「aiMa」の取組みに関しては、従来の住まいに暮らしを合わせるのではなく、暮らしに合わせて過ごし方を変えていける住まいを考えるところから始めたという。そのために、あえて部屋から廊下や扉をなくしたり、間仕切りを減らしたりすることで、ここは何の部屋と決めつけない「おおらかさ」を大切にして、空間を自由に使ってもらうようにしている。また、家族の行動が「見える」設計にもこだわり、それぞれが思い思いの時間を過ごしていても、なんとなく気配を感じられることで、心地よさや安心感が感じられるようになっている。住まいのいろいろなところに自分の居場所を見つけられる空間づくりになっているのが特長だ。
「ルネ西宮甲子園」の公式サイトでは、以下の3つを「aiMa」のポイントとして挙げている。
■ポイント1 2LDK、3LDKにこだわらない
住まいを構成する単位を「部屋」ではなく、「プライベート」と「パブリック」という2つにわけ、空間の自由度を高めている。
■ポイント2 あえて作りこみすぎない住空間
例えば、部屋の扉をなくすとその空間の使い方は無限に広がり、それぞれの住まい方にも柔軟に対応できる。
■ポイント3 いつも家族の気配が感じられるように
家族が思い思いに過ごしていても、なんとなく何をしているかがわかる、そうすることで会話や笑顔も自然と広がっていく。
ここまで読むと、いったいどんな間取りなのかとても気になるだろう。
それでは、個性的な3つのプランを紹介していこう。
土間風のビッグリビングがダイナミックな「みんなの笑顔を見晴らすMa」
W3gタイプ、72.08m2の2LDK+納戸は、玄関からリビング、ダイニング、テラスまで、仕切りなしで一体的に利用できる空間として設計されたプラン。玄関に入った瞬間、開放的な空間が広がっていたので、驚いてしまった。これは確かに今までに見たことがないリビングである。この広い空間には廊下や間仕切りがなく、ゾーンごとにそれぞれ好きなように使えるので、リビング以外にも、DIYや趣味のスペースにすることができる。
仕切りこそないが、寝室や水回りなどのプライベートな空間は小上がりで区別されているため、「プライベート」と「パブリック」はしっかりと分けられている。欧米の家のように、靴のまま生活するスペースにすることも可能だ。
1階の広いテラスとの一体感など、まるで一戸建てのような不思議な空間は、自分が好きなようにアレンジして暮らせる、自由度が高い大空間になっている。
間口に扉を設けず空間の自由度を高めた「想像力が広がるMa」
W2gタイプ、71.38m2の2LDKは、間口に扉がなく、アーチ状のデザインが印象的なプラン。
玄関を入ってすぐの場所に、仕事や学習に使えるゆったりとしたスペースがある。部屋でも廊下でもない、この広々とした空間を何と呼べばいいのだろうか? 棚を設けた空間は、ワークスペースや子どもの図書室としても使える場所であり、扉のないアーチ状のデザインがおしゃれである。また、廊下も、マンションではほとんど見ることがないアーチ状のデザインになっているので、トンネルを通っているようで楽しくなる。室内に曲線のデザインがあることで、住戸内の雰囲気が柔らかくなり、間口に扉がないことで、迷路の中にいるような面白さがある。
南に面したリビング・ダイニングやテラスなど、家族団らんを生み出すスペースも充実している。
また、2.8畳の洋室や、テラス側の収納棚と一体化した机など、自由に使えるスペースも複数確保されていて、リモートワークやWEB授業などでも困らない。それぞれがお気に入りの場所にいながらも、家族の気配が緩やかに感じられる間取りになっている。自由度の高い間取りは、どの場所をどのように使うか考えるのが楽しいだろう。
家族の共有空間を一体的に設計した「緩やかにつながるMa」
W1タイプ、73.81m2の2LDKは、住まいの中心にリビングを配置したプラン。
家の中心にリビングがあるので、居室やキッチン、ダイニングなどからアクセスしやすくなっている。家族が自然とリビングに集まってくる動線になっているのだ。大きなソファーに座り、家族でテレビや映画を楽しむなど、家族団らんの場が家の中心に用意されているのはとても魅力的だ。リビングの壁面は大容量のクロゼットになっている一方、居室には収納スペースをつくっていないので、部屋の空間を効率よく使うことができる。
玄関と一体化した広い空間には、本や書類を収納するスペースが充実。書斎として使えるほか、この場所なら来客や仕事の打合せでの接客スペースとしても利用でき、自由度が高い。玄関からバルコニーまで、家族の共有空間がゆるやかにつながっているプランである。
さまざまな、ライフステージやライフスタイルの人が来場
「aiMa」を見学して、今までのマンションの間取りの概念とは全く違うものだというのがよくわかった。
3部屋に共通しているのは、玄関から廊下を通って各部屋にアクセスするという従来のパターンではなく、玄関からすぐに空間が広がっていることである。通路としての廊下が居室やリビングの空間に組み込まれているので、限られたスペースがとても効率的に利用されているのだ。また、自由に使える空間がいくつも用意されているので、ライフステージやライフスタイルの変化にも対応しやすい。かなり個性的なので、好き嫌いはあるだろうが、広い空間を自由にアレンジして暮らしたいという人に向いているだろう。
「aiMa」の発表以来、数多くの人が見学に来ているそうだが、子どものいるファミリーだけでなく、単身者やシニアカップルなど、来場者のライフステージやライフスタイルは、幅広いという。
このことからも、従来の間取りの概念にとらわれず、空間をもっと自由にアレンジしたいという潜在的なニーズが多いことがわかる。
今回の企画は、マンションの間取りの可能性を広げる勇気あるチャレンジである。見学していてとても楽しかった。今後、働き方やライフスタイルはさらに多様化していくと考えられる。これからのマンションには、既成概念にとらわれない斬新なアイデアの新しい間取りがどんどん出てくることを期待したい。
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