コロナ禍、オンラインでの情報収集は一般的に
家づくりやリフォームを検討する際には、資金計画やメーカー選び、間取りや設備選びなど、さまざまな知識や情報を得ることが大切だ。従来であれば、モデルハウスやオープンルーム、ショールームやセミナーなどに実際に足を運びつつ、住まいづくりを進めるケースが多くみられた。
しかし、コロナ禍のさまざまな制約のある状況において、各メーカーからはオンラインを活用した多様なサービスがみられるようになってきている。
特に設備機器・建材メーカーでは、商品を紹介し、打ち合わせの場ともなるショールームでのリアルな接客が制限される中、既存のデジタルサービスの充実だけではなく、新しいサービスの在り方が求められている。
以前より、ショールームを歩くように全方位360°パノラマ映像が確認できるバーチャルショールーム、デジタルカタログ、商品シミュレーションや見積もり、WEBで質問や相談が可能なシステムなど、ホームページ上などから提供されているサービスはあるが、より内容を充実させ、機能や利便性を高めたサービスが増えてきている。現状では、スマートフォンやパソコン、タブレットの画面を通して、これらを上手に利用し情報収集することは一般的になってきているといえるだろう。
満足度も高いオンラインショールーム
情報収集の手法、ショールームの利用方法が変化している中、LIXILでは、2020年5月よりショールームコーディネーターにオンラインで相談ができるサービスを全国で展開。これまでのデジタルサービスから新しい形のオンラインサービスであり、この1年間で累計1万4,000組以上(2021年4月末時点)が利用したという。
マーケティング部門 ショールーム統括部 統括部長の竹下文人さんは、オンラインショールームのメリットに関して以下のように話す。「まず、わざわざ出かけることもなく、家族揃って一緒に見学ができること。見学のために幼いお子さんを預ける必要もありませんし、高齢のご家族も一緒に見ることが可能です。単身赴任といった状況でもそれぞれが別の場所から同時に参加することができるのもメリットでしょう。もちろん、ショールームが近くにない、というケースでも便利です」。また、リフォームの場合などでは、必要な寸法を測りながら相談できるというメリットもあるだろう。
利用した方の満足度はどうだろうか。「オンラインはリアルと比較しても遜色はなく、オンラインがリアルの満足度に匹敵していたり、上回るケースもみられます。コロナ禍で非接触を望むお客様も多い中、直近の利用状況は前月比で150%と利用者数も増えてきています」(竹下さん)
在宅ワークが一般化し、オンラインに対する抵抗も少なくなってきているという社会状況、リフォームや新築を検討する世代とオンラインの親和性なども考えられるが、今後もこうしたオンラインサービスへの期待は高まっていくだろう。
非接触のオンラインショールームの実際
では、実際にはどのような相談が可能なのだろうか。LIXILオンラインショールームの説明会に参加した。
まず、ホームページの専用フォームから予約を入れると、予約受付完了メールが届く。相談内容の確認やアンケート、接続方法、専用の招待URLなど、打ち合わせのための手順を示したメールが事前に届き、当日は、予約時間に専用招待URLよりアクセスすることで、担当のショールームコーディネーターとつながるという流れだ。
当日は、お客様情報の確認ののち、要望やこだわりなどをヒアリング。相談内容によって異なるが、たとえばリフォームであれば、現在の暮らしでの機器の使用方法や希望する機能などの確認を行う。その上で、条件に適する商品をショールームの360°画像などを画面で表示しながら紹介。シミュレーションツールなどを提示しつつ、より具体的な見積もりやプランの提案などを行う。約60分程度の相談の後、イメージ図、商品の定価による見積もり、図面の一式がメールアドレスに届くというシステムとなっている。
LIXILの場合、リアルなショールームが閉館後の時間でもオンラインでの相談は可能。実際に夕方や夜間のオンラインショールームの利用率は2割に達しているという。仕事や家事をを終えてからゆっくりと利用できるのは使い勝手もいいだろう。
リフォームでは活用度も高い
住まいのプランや選ぶ商品アイテムにもよるが、オンラインのみで商品の細部まで決定するのは難しいだろう。しかし、洗面化粧台やトイレ(便器)といった、設備機器単体の取替えなどであれば、選ぶことは可能なのではないだろうか。竹下さんも「選ぶ商品にもよりますが、オンラインのみで発注をもらうケースも多くなってきています」と話す。
オンラインショールームの使い方としては、たとえば、ある程度予算や設置プランが決まった時期に、どのような商品があるか、価格面や機能面などの特徴を知る際に利用する。また、実際にショールームなどで一度確認した商品の詳細を詰める際に活用する、という方法が考えられるのではないだろうか。
LIXILの場合、相談する時間はおおよそ60分程度。その中で、何を知りたいのか、決めるべき優先順位などは明確にしておいた方が利用価値があるだろう。どんな商品があるのか、デザインや価格帯などであれば、ホームページの商品紹介などでもおおよそ理解できる。コーディネーターに個別の相談ができるメリットを生かしたい。
また、前述のように、オンラインでの相談は、自宅のリフォームの場合などで活用度も高いだろう。既存の製品の使いづらさや不満など、画面を通して伝えることができるので、コーディネーターも要望を把握しやすい。ユーザーの現在の暮らし方、部屋の様子、使用している家具などが画面に表示されることで、好みのイメージがつかみやすく、新居で使用する家具があれば機器とのコーディネートの提案もできるというメリットもあるだろう。
オンラインとリアルを組み合わせて
利用側だけでなく、メーカー側にもオンラインショールームはメリットがあるという。LIXILでは、たとえば、妊娠していたり幼い子どもがいるコーディネーターも在宅勤務が可能なため、高いスキルを持ったスタッフは仕事を継続することができ、居住するエリアに関係なく全国のコーディネーターが対応可能とか。オンラインでのサービスは、働く側の変化も生み出す結果となったという。
オンラインを活用したサービスによって、今後も住まいづくりの進め方は変化していくだろう。竹下さんは「時間や場所の制約を受けないサービスを強化したことで、ユーザーの選択肢も増え、利便性も向上したと思います。今後も在宅時間の長くなるこれからのライフスタイルに合わせ、リアルとオンラインの利点を組み合わせたサービスを提案していきたいと考えています」と話す。
住まいづくりを進める際には、依頼先との打ち合わせや実際の機器や建材を確認することが重要であることは言うまでもないが、さまざまな条件の中、オンラインとリアルを上手に使い分けることで、効率的に納得のいく家づくりが実現できるのではないだろうか。今後も各メーカーからは、多様な生活スタイル、価値観などにも適するサービスの開発は期待できる。自分が求める情報を的確に得ることができるツールやシステムを選び、賢く使うことも家づくりの重要なポイントとなるだろう。
取材協力:株式会社 LIXIL
公開日:





