衣食住に“遊”をプラスした家

モデルハウスの外観。下の写真は夜の雰囲気。「G-LAMP」ブランドであることを表すため、前面道路に面して「十字窓」を必ず設ける(写真提供:ハウスクラフト)モデルハウスの外観。下の写真は夜の雰囲気。「G-LAMP」ブランドであることを表すため、前面道路に面して「十字窓」を必ず設ける(写真提供:ハウスクラフト)

三重県三重郡菰野町に本社を構えるハウスメーカー、ハウスクラフト株式会社が2020年8月1日より規格住宅「G-LAMP(グランプ)」の販売をスタートした。

「G-LAMP」は、Glamping(グランピング)に由来する。グランピングとは、「魅力的な」という意味の“Glamorous(グラマラス)”と“Camping(キャンピング)”を組み合わせた造語で、あらかじめテントや食事などの設備が整えられた豪華な施設でキャンプを楽しめることをいう。欧米で人気に火が付き、2015年ごろから日本でも広まった。

グランピング気分を味わえる家「G-LAMP」。その基本となる考えは、衣食住に“遊”をプラスした新しいライフスタイルの提案だ。

菰野町に誕生した「G-LAMP」のモデルハウスを見学させてもらいながら、設計、インテリアなどを担当した羽畑叔明さんに話を伺った。

リビング・ダイニングから直接つながった、“0秒グランピング”バルコニー

衣食住に遊をプラスというコンセプトは、ハウスクラフトの遠藤真二社長が考えたもの。これまでもさまざまな案を実現してきたアイデアマンである社長だが、この考えは偶然にも新型コロナウイルスによる新しい生活様式の暮らしに対応するものになった。コロナ禍において、家キャンプの人気が高まったのである。

「はじめは、人々のライフスタイル自体が家で完結できるという構想でした。その後、偶然にも新型コロナウイルスの影響でステイホームが余儀なくされ、住宅需要にも方向転換に近い流れが起こり、この提案する住宅自体のコンセプトは、ぶれることはないなと思いました」と羽畑さん。

「G-LAMP」の家は、1階に主寝室や子ども部屋、風呂などがあり、2階にキッチンとリビング・ダイニングがある。そして一番の特徴は、リビング・ダイニングから“0秒”でアクセスできるグランピングバルコニーだ。

設計する際、「まずは2階ありきで考えた」という羽畑さん。「これまでBBQなどができるような空間というと屋上というイメージでした。しかし、実際に導入された方の話を聞くと、BBQセットを持って屋上まで上がることがおっくうになってしまうらしく、結局使わなくなるという意見がありました。そうすると、リビングから0秒でアクセスできる空間があるといいよね、と」

この「G-LAMP」の構造であれば、キッチンで用意した食材をテーブルに出すのと同じような感覚だ。

また、最も気を使ったのは「こういう空間を提案して、どういう生活ができるのか」ということ。羽畑さんは「コロナ禍でステイホームという今の時代の流れがあり、さらに第2波、第3波が予測されているなかで、外に出なくても家の中でBBQをやったり、このバルコニーにはジェットバスも付いているのでプールのように水遊びをしたりもできます。屋根はなくても、庭や屋上とは違って壁で囲まれた空間なので、しっかりプライベートを確保したうえで、自分らしく生活できるというところを推しています」と語る。

このグランピングバルコニーは、「陽光が必ず入り、リビング全体を照らすように」と基本的に南に向けて造る。ジェットバスではなくアウトドアキッチンが欲しい、休暇を取りながらテレワークをする働き方「ワーケーション」にも対応したワークスペースを取り入れたいといった要望にも応えられるようにさまざまなオプションを計画している。

①リビング・ダイニングとつながるバルコニー。バルコニーの半分は屋根がないので日差しが届きやすく、リビング・ダイニングもとても明るい<br>②グランピングバルコニーの家具は、株式会社PASIOのもの。「屋上庭園をどれだけ楽しく過ごすかというところにフォーカスしている会社です」と羽畑さん。バーナーコンロを中にしまえるテーブル、ソファ、BBQグリルスタンドと統一感があり、リゾートのような雰囲気だ<br>③ジェットバスでリッチな気分に!<br>④リビングスペース<br>⑤キッチンはTJM designのグラフテクトが標準。ボディ部分はメラミン素材で、汚れや傷がつきにくく、お手入れがラク(写真提供:ハウスクラフト)①リビング・ダイニングとつながるバルコニー。バルコニーの半分は屋根がないので日差しが届きやすく、リビング・ダイニングもとても明るい
②グランピングバルコニーの家具は、株式会社PASIOのもの。「屋上庭園をどれだけ楽しく過ごすかというところにフォーカスしている会社です」と羽畑さん。バーナーコンロを中にしまえるテーブル、ソファ、BBQグリルスタンドと統一感があり、リゾートのような雰囲気だ
③ジェットバスでリッチな気分に!
④リビングスペース
⑤キッチンはTJM designのグラフテクトが標準。ボディ部分はメラミン素材で、汚れや傷がつきにくく、お手入れがラク(写真提供:ハウスクラフト)

3種類のインテリアテーマを用意

「『G-LAMP』の由来となったグランピングは、何も持たずに体一つで行っても全部設備などがそろっていて、優雅にキャンプできるという施設なので、ホテルのような非日常の雰囲気がハマるかなと思いました。なので、『G-LAMP』の内装は、基本的にはホテルライクをテーマに、3つのインテリアパターンを展開しています」

まず一つは今回お邪魔したモデルハウスで再現されている「LUX(リュクス)」。都会的なラグジュアリーさを追求し、白色をベースカラーとして、グレー、黒、そしてウォールナットという高級感のある木をアクセントに使っている。

次に「VILLA(ヴィラ)」。こちらはモダントロピカルと称し、アジアンリゾート風の雰囲気をベースに、都会的にスマートさを演出したものに。ラタンの家具や生成りのファブリックのカーテンを使用。

もう一つはジャパニーズモダンの「IORI(イオリ)」で、都会の喧騒を離れて山の中にある旅館のようなイメージ。行灯、竹や椿の花飾り、御影石調の床など和モダンな空間となる。

①アジアンリゾート風の「VILLA」<br>②ジャパニーズモダンの「IORI」<br>③都会的なラグジュアリーさを追求した「LUX」(以上、パース提供:ハウスクラフト)①アジアンリゾート風の「VILLA」
②ジャパニーズモダンの「IORI」
③都会的なラグジュアリーさを追求した「LUX」(以上、パース提供:ハウスクラフト)

「衣食住+遊」から「衣食住=遊」へ

今回のモデルルームは4人家族を想定しながらコンパクトな3LDKにまとめられている。2階をリビング+バルコニーにすることで、陽の光が入りやすくなるという利点があり、遊びも加わった開放感のある明るいスペースが生活の中心に。そして主寝室、子ども部屋などくつろぎの空間は1階に。

1階の中心には、ファミリークローゼットを導入した。「空間の無駄を極力なくせるように、全員分を収納できるファミリークローゼットにしました。家族が顔をあわせられることで、コミュニケーションが生まれます。例えば、お母さんと娘さんで服をシェアするというようなストーリも生まれるのではないかと思います」。浴室、洗面所と近く、生活動線も考えてのことだ。

「衣食住+遊がコンセプトですが、全体的な間取り、動線などを深く追求していくと、暮らしていくことで衣食住=遊になることを目指しました。食を楽しむ、食が遊びになるような、住むことが遊びになっていくことにつながっていけばいいなと思っています」と、暮らしそのものが楽しくなるような住まいになることを理想とする。

①主寝室<br>②家族分の収納ができるファミリークローゼット<br>③洗面所<br>④浴室(①③写真提供:ハウスクラフト)①主寝室
②家族分の収納ができるファミリークローゼット
③洗面所
④浴室(①③写真提供:ハウスクラフト)

グッズ展開、モデルハウスで宿泊体験など新しい取組みを実施

今回の「G-LAMP」では、新しい取組みも。

ひとつは、食器やタオル、エプロンといったオリジナルのハウスウエアを制作。インテリアにぴったりと合ったものをそろえることができる。なんと、友人が集まるときなど特別なときのBBQ用に、三重県内の企業と組んでお肉のセットも用意するそうだ。現在は30品目ほどが販売されており、ECサイトで購入できる。今後も随時開発していくという。「どんどん『G-LAMP』のライフスタイルを提案するグッズが増え、飽きることがないようにしたいと思っています」

そして、モデルハウスは体験型として、宿泊もできる。「ふだんのモデルハウスは見ていただくだけですが、『G-LAMP』は実際に体験していただかないとより深く分かっていただけないかなと思いまして。金・土曜限定で1泊の宿泊体験、もしくは2時間のBBQ体験を今なら無料でできます」予約はホームページで受け付けている。

また、ハウスクラフトの家は三重県のみで施工しているが、今回の「G-LAMP」はブランドとしてノウハウを提携する工務店に渡し、全国展開をする。「『G-LAMP』のホームページなどにお客様から問合せがきたときに、そのお客様が住むエリアにある加盟していただいている工務店さんに反響のお知らせをします。そして営業をして進めてもらうという、全国で反響振り分けをしていくシステムになります。

内装を含め、どこに何を使い、どこにアクセントを持ってくるかといったこともすべてこちらが決めるので、「G-LAMP」を導入する施工会社は迷うことなくスムーズにお客様に提案することができます」とのことだ。

「都会など狭い土地に家を建てるときにも、こういうグランピングバルコニーという形で庭空間を確保できるのも魅力です」と羽畑さん。

計画していたところで偶然にも重なってしまったコロナ禍だが、それによって求められる新しい生活様式に寄りそうことができる住宅として可能性が広がったのは確かではないだろうか。

ハウスクラフトでは、コロナ禍のため来場不要の「家づくりオンライン相談」、パソコンやスマホなどを利用してムービーで見学ができる「住まいのWEB見学」、またインスタグラム(@housecraft.jp)でモデルハウスからライブ配信を開催することもあるそうなので、利用してみてほしい。

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ハウスクラフトは、地元地域で恩返しイベントとしてマルシェや交流イベントなどを開催している。「会社の使命として、利益をあげることと、社会貢献・地域貢献、社員の満足があると思うのですが、必ずその3つは達成していきたいという思いが社長にはあるんです」と羽畑さん。イベントはコロナ禍で中止しているが、今後の展開にも期待したい。


取材協力:ハウスクラフト株式会社
     https://www.house-craft.jp/glamp/

①②フォークなどのカトラリーやタオルなど、オリジナル製品には、「G-LAMP」の頭文字がマークとして付けられている<br>③BBQ用の松坂牛入りのお肉セット(約1万5000円)。現在、このセットを総額100万円分プレゼントするオープニングキャンペーンを実施中。モデルハウスでの宿泊体験、もしくはBBQ体験で提供されるので、ホームページから申し込みを(無くなり次第終了)<br>④今回取材に対応してくださった羽畑さん。設計支援などのコンサルティングや、住宅商品開発、資材開発販売などを行う、ハウスクラフトの系列会社・株式会社LEGACYに所属。「G-LAMP」のオリジナル製品のデザインもすべて担当している①②フォークなどのカトラリーやタオルなど、オリジナル製品には、「G-LAMP」の頭文字がマークとして付けられている
③BBQ用の松坂牛入りのお肉セット(約1万5000円)。現在、このセットを総額100万円分プレゼントするオープニングキャンペーンを実施中。モデルハウスでの宿泊体験、もしくはBBQ体験で提供されるので、ホームページから申し込みを(無くなり次第終了)
④今回取材に対応してくださった羽畑さん。設計支援などのコンサルティングや、住宅商品開発、資材開発販売などを行う、ハウスクラフトの系列会社・株式会社LEGACYに所属。「G-LAMP」のオリジナル製品のデザインもすべて担当している

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