落雷による被害は火災保険の補償対象

今年の夏もゲリラ雷雨による被害のニュースが多くあり、なかには落雷で花火大会が中止になったところもあった。このように雷と言うと、一般的に夏のイメージが強いかもしれないが、気象庁の統計データによると、実は日本海側では冬に雷が多く発生していることがわかる。また年間の雷発生日数も、太平洋側の東京は12.9日、名古屋が16.6日であるのに対して、日本海側の金沢は42.4日、新潟は34.8日と、雷の発生日数も日本海側の方が多い。つまり日本全国でみると、季節を問わず雷は発生しており、地域によっては夏以外の季節でも油断はできないのだ。

雷は、近くで稲光がしたり雷鳴が聞こえるだけでも嫌なものであるが、もし自分や住居に落雷してしまったらと思うと恐ろしく、不安である。確率的なことはさておき、実際に自宅に雷が落ちてしまったら大きな被害を受けるだろうし、直接自分の家ではなくても近所への落雷でなんらかの被害を受けることもあるだろう。

さて、そこで少し気になるのは、このような落雷による住宅の損害に、火災保険が使えるかということである。結論から言うと、落雷被害は火災保険に入っていれば補償してもらうことができる。火災保険は、火災という名称から火事になったときというイメージが強いが、通常、落雷も補償範囲に含まれている。落雷が原因の火事だけでなく、衝撃により家屋等が損壊したり、過電流により電気製品が壊れたりした損害なども補償されることを覚えておくとよいだろう。

出典:気象庁「雷の観測と統計」出典:気象庁「雷の観測と統計」

火災保険での補償範囲は要チェック

落雷被害が火災保険で補償されるとはいえ、どんな契約をしているか、どんな被害までが補償対象になるかなどについては注意が必要だ。

<補償の対象について>
火災保険には、加入時に補償の対象を指定して契約する。その対象とは、「建物」、「家財」、「建物+家財」のいずれかである。したがって、建物のみにかけられた火災保険では、家具や家電、衣服などの家財の損害は補償されない。家財の損害にも備えるなら、建物だけでなく家財にも火災保険をかけておかなければならない。もし、現在加入中の火災保険の補償の対象がどうなっていたか覚えていない場合は、保険証書などで契約内容を確認しておくとよいだろう。

<家財の補償範囲について>
家財の保険に入っているとして、実際に補償される家財がどのようなものかについては確認が必要だ。一般的には、家具、家電、衣服、雑貨など住宅内にあるものは幅広く補償される。また自転車や原付バイクなども補償に含まれる。ただし、自動車や有価証券、眼鏡・コンタクトレンズ、携帯電話などは原則補償の対象外となっている。また高価な貴金属や美術品なども、事前に申告した明記物件や特約をつけた場合などを除き補償されない。

以上のように、火災保険に加入していても、その契約内容によってどこまで補償されるかが決まっているということを理解しておこう。

パソコンの補償範囲については注意しよう

パソコンの故障等の被害は、補償されるものとされないものがあるため、あらかじめ約款等で詳細を確認しておくべきであるパソコンの故障等の被害は、補償されるものとされないものがあるため、あらかじめ約款等で詳細を確認しておくべきである

パソコンについては、基本的には補償対象の家財に含まれているが、実は補償されるケースとされないケースがあるので、その補償範囲を細かく確認しておく必要がある。

まずはハードとソフトの違いである。通常、火災保険ではパソコンの機械的な故障については補償されるが、データやプログラムなどが壊れたり消えてしまったりした場合の損害は補償されない。特に落雷の被害では、過電流や急な停電、電磁波の影響などでデータが消失してしまう可能性もあるので、この点については十分に注意が必要だ。

消失した場合の損害が大きい大切なデータやプログラム等は、DVDやUSBメモリなどのパソコンとは別保管できるメディアやクラウドサービスなどに分散してバックアップを取っておいた方がよいだろう。

次にパソコンの種類による違いである。同じパソコンでもデスクトップパソコンは補償されるが、ノートパソコンは一部の保険会社を除き、一般的には補償対象外となっているところが多い。外に持ち運ぶことはなくても、家庭用のパソコンとしてノートパソコンを使っている人も多いと思われるが、火災保険の対象にならないということをよく理解しておこう。

マンションの場合は専有部分と共用部分は保険が分かれる

さて、最後に分譲マンションの場合の火災保険について触れておこう。マンションには各区分所有者の専有部分とそれ以外の共用部分がある。一般的には、建物の火災保険は専有部分は各所有者が加入し、共用部分は管理組合等で加入するものである。したがって、落雷によりマンションに損害があった場合、その損害を受けた場所により、区分所有者個人の火災保険に保険金を請求するか、管理組合等で加入している火災保険に保険金を請求するか変わってくる。

マンションにより細かい違いはあるが、一般的には、各部屋の内側の天井や床、壁などが専有部分となる。共用部分は、エントランスホールや廊下、階段、エレベーター、バルコニー、外壁、建物の躯体などである。バルコニーやベランダについては、各部屋の設備のように勘違いしやすいが、共用部分なので、もし落雷被害があった場合は管理組合に確認するとよいだろう。専有部分と共用部分の区分けについては、マンションの管理規約で決められているので、細かい内容は管理規約を確認していただきたい。
なお、専有部分内の家財については、個人で火災保険の加入が必要である。

今回は、住宅が落雷被害を受けた場合に火災保険が使えるかという視点で、補償範囲についてご説明してきたが、この補償範囲についての考え方は落雷に限らず、火災や爆発などの補償でも同様なので、内容をきちんと把握しておくとよいだろう。そして、今後火災保険に加入したり更新するようなときには、ぜひ参考にしていただきたい。

マンションで落雷の被害があった場合は、自分だけで判断せずに、管理組合と状況を確認して保険の請求をすべきであるマンションで落雷の被害があった場合は、自分だけで判断せずに、管理組合と状況を確認して保険の請求をすべきである

2017年 10月16日 11時03分